インタビュー

【京大生の就活事情】無属性でも第一志望から内定をもらえたワケ

【京大生の就活事情】無属性でも第一志望から内定をもらえたワケ
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京都大学4年生のKさんは、今年の3月に第一志望の企業から内定を得て就職活動を終えました。
就職活動では、一般に体育会所属・留学経験・理系院卒の3つの属性が有利だと言われていますが、Kさんはそのどれにも属さない、いわゆる「無属性」。そんなKさんがどのようにして第一志望の内定を得たのか、お話を伺ってきました。

 

 

就活を始めたきっかけ

-Kさんが就職活動を始めた経緯を教えてください。

私は法学部だったので、周りには法曹 (裁判官・検察官および弁護士)志望が多く、一番仲の良い友人も弁護士を目指していました。
ただ、私はもともと実務法学に興味があって法学部に入学したわけではなかったことや、両親が企業勤めだったことから、自然と就職を第一の進路として考えていました。

-どのような企業・業界を志望していたのでしょうか。

就職活動を始めた頃から、漠然と「社会のためになることをしたい」という思いがありました。 そこで最初の頃は、一般的に公益性が高いと言われることの多い、デベロッパーやインフラ業界を志望していました。

しかし、ある企業のサマーインターンシップに参加した際にその考えが変わり始めました。5日間対面で行われるものだったのですが、若手から役職者まで多くの社員の方々と共に、じっくりと膝を交えて課題と向き合う中で、企業で働く方々の日本や社会に対する熱い思いを感じることができました。
今思えば当たり前のことですが、すべての企業が社会のために頑張っていて、それは必ずしも定量的に測れるものではない。そのため、世間一般の評価よりも「どのようなアプローチで社会に貢献しているのか、そしてそのアプローチが自分自身にしっくりくるのか」ということを基準に判断することが大切なのだと気づくことができました。

これをきっかけに、企業に所属して将来実現したいことが明確に定まり、志望業界も変化していきました。

 

 

企業選びの軸の決め方は?

-なるほど。インターンシップがご自身の企業選びの軸の変化のきっかけとなったのですね。ちなみに最終的にはどのようなことが企業選びの軸になったのでしょうか。

あまり具体的にお話しすることはできないのですが、私は主に「何が実現できるか」と「どのように働くか」の2つの要素に分けて考えていました。

1つ目の「何が実現できるか」とは、例えば「現代の食資源を未来に残したい」だったり「ITの力で誰も取り残さない社会を実現したい」だったり(どちらも私の実現したいこととは全く関係ありません)、自分がその企業の一員としてどのような社会を実現したいかということです。
2つ目の「どのように働くか」とは、そのような社会を実現するときに企業がどのような役割を果たすのか(リーダーシップを発揮するのか、マネージャーのようにサポートするのかなど)や、企業内の環境(若手の裁量、共に働く社員など)などです。
このように細かく分けて考えることで、企業とのマッチング度合いをある程度階層化できますし、それは志望動機の説得力にも繋がります。企業選びに限らずグループワークなどにも通ずることですが、漠然と考えていてわからない時は、もう少し細かい単位での検討を積み重ねることが大切だと思います。

-ありがとうございます。秋以降はその軸に沿って志望業界を中心にインターンシップや早期選考を受けられたのでしょうか。

はい。私は夏インターンシップを経てある程度軸が固まっていたため、第一志望の業界を中心に、インターンシップや本選考に応募しました。第一志望企業のインターンに参加したのはも1月で、対面での複数日のインターンシップを通じて、自分の中での志望度が固まりました。
また12月ごろに第二、三志望の企業から内定をいただけため、それ以降第一志望企業の選考に集中できたことも、第一志望の内定獲得に不可欠だったと感じています。

 

 

第一志望の内定獲得に向けて

-第一志望の内定獲得に向けては、どのように取り組まれていたのでしょうか?

第一志望企業の選考に絞って以降は、毎日カフェに通い、就活のことばかり考えていました。自分の過去の経験や企業の具体的な事例・人を深掘り、それを整理して体系化する。毎日この繰り返しでした。

-とても真摯に向き合われていたのですね。整理する際にはどのようなことを意識されていましたか。

よく聞かれる質問ってありますよね。「尊敬する人は誰ですか」、「将来どんな人になりたいですか」、「現在の社会で課題だと感じることは何ですか」などなど。
これらの質問に対する回答が全てきちんとつながるように、ロードマップや樹形図を頭の中でイメージしながら整理していました。

例えば、自分の思う現代社会の課題があり、それを解決した先に実現したい理想の社会が現れる。将来なりたい姿は、「理想の社会を実現するために、企業の一員としてどのような人物として貢献したいか」ということです。そして尊敬する人は、そんな自分のロールモデルや、その時に隣にいて欲しい人である。

このように、よくある質問を糸口に、自分の考えを体系的に整理していました。そしてそれぞれの主張の根拠を求めて自分の過去の経験を掘り下げ、将来像に鮮明さをもたせるために企業の具体的な取り組みをリサーチする。
これを繰り返すことで、自分史や志望動機、企業分析などが1つにつながり、納得感のあるものに仕上がっていったと思います。

実際に企業からも、企業の価値観とのマッチングや、その整理や分析に対して真摯に向き合う姿勢を評価されました。特に意識していたわけではありませんが、就活でよく言われる「一貫性」というのも、こういうことなのかもしれません。

 

 

後輩に向けてアドバイス

-私も現在就職活動中で、確かに「一貫性」というキーワードをよく聞きますが、今のお話で腑に落ちた気がしました。
最後に、かつてのKさんと同じように「無属性」の学生として就職活動をしている後輩たちに何かアドバイスをお願いします。

そうですね、1番は「無属性」だからといって怖気づかないでほしいなと思います。
確かに人気企業に就職するのは、体育会出身者が多いですよね。しかし彼らも「君は体育会だったのか、よし採用!」となる訳ではありません。
体育会で4年間頑張り抜いた経験が評価されるから、そして部活動を真剣に頑張った人は就職活動も本気で頑張れるから人気企業の内定を得られるのです。

就職活動に真摯に向き合うことさえできれば、アピールする経験は体育会である必要はありません。
それに「無属性」ならではのチャンスもあります。企業は体育会ばかりを採用する訳にはいきません。同質化を避けるために、内定者のバックグラウンドにはある程度の多様性が求められます。つまりあなたのライバルとなるのはあなたと同じ属性の人たちなのです。そう考えると、就活自体を頑張ることができれば、もともと努力家の人たちの多い体育会プールで戦うよりも、それ以外のプールで戦った方が勝ちやすいようにも感じませんか。

自分なんて……と思わずに、「この企業に入りたい!」という自分の気持ちに嘘をつかず、真正面から就職活動を戦いましょう。

さいごに

今回はKさんに就職活動の開始から終了までの軌跡をじっくり伺うことができました!第一志望内定までのリアルなお話や後輩へのアドバイスなど、貴重なお話をありがとうございました!

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(京都大学 農学部 福井里菜)

 

この記事を書いた学生

福井里菜

福井里菜

京都大学 農学部

京都のカフェと音楽が好きです