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右京区・左京区はなぜ左右反対なのか?

 

みなさんこんにちは!

修学旅行で京都を訪れた際や、京都で大学生活を送る際には、京都の地図を見る機会があるかと思います。その際、左(西)側に右京区、右(東)側に左京区があることに疑問を抱いた人もいるのではないでしょうか?

この記事では、平安時代以降の歴史について触れるのに加えて、現在の京都市の名所の紹介を交えつつ、なぜ左右反対なのか、さらには京都市の西側・東側の違いについて紹介していきます!

※アイキャッチ画像引用元:京都市情報館
(https://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/page/0000015607.html)

 

平安京の右京と左京

京都市情報館より引用
(https://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/page/0000097185.html?furigana=on)

現在では区の名称にもなっている「右京」「左京」とは、平安京の朱雀大路(現在の千本通とだいたい同じところを通っていた、平安京のメインストリート)を境に分けられた区画のことを指します。

左側なのに右京、右側なのに左京になっているんですよね。

これは実は、平安京の北側に設けられた天皇が住む内裏から、南に向かって都を見渡した天皇の視点を基準に決められたんです。

変なたとえですが、ステージに上がっている役者さんと、それを眺めているお客さんとは、左右が反対になることを思い浮かべていただいたらわかりやすいかと思います。

「聚楽第址」の石碑
(街歩きをしながらこういった石碑を見つけるのもおもしろいですよ!)

ちなみに、平安時代の京都御所は、現在の場所よりも西の千本通沿いにありました。時代が下り、重なる戦乱などを経て広大な空き地になりましたが、安土桃山時代になると、天下統一を果たした豊臣秀吉がそこに聚楽第という豪邸を造営しました。

現在では、中立売通大宮にて「大内裏及聚楽第東濠跡」と記された案内板を目にすることができます。

なお、現在の京都御所は、鎌倉時代に光厳天皇が即位されて以来、御所として定着したものです。

 

なぜ左京側に観光スポットが集中しているのか?

八坂神社入口から見た四条通

ところで、現在京都市内の観光の定番スポットとしてまず挙げられることが多いのは、清水寺、八坂神社、平安神宮あたりかと思います。これらは地図を見てみるといずれも京都市の左京側に集中していることがわかります。
これにも歴史的な背景があります。

『日本大百科全書』の「平安京」の項目にて、

〈平安時代中期に至り、平安京は変化する。桂川に近く低湿であった右京が衰退し、左京のみが発達するようになった。さらに一条大路を越えて北野、東京極大路を越えて鴨川周辺へと、新たに市街が展開した。〉

と記されているように、右京が湿地帯で住みにくかったため衰退し、次第に左京のみが発展していったことがわかります。
左京側の東山エリアに有名な観光地が固まっているように感じるのは、この歴史があるからです。

 

左京側の名所

三条大橋

 

左京区・東山区のエリアは平安時代以降、本来は平安京の範囲外であった場所にもたくさんの貴族の邸宅や寺院が立ち並び発展してきました。現在では京都市動物園やロームシアター京都、京都府立図書館などがある岡崎地域がまさにそうですね。

また、古来の鴨川は氾濫をよく起こす広大な暴れ川として知られていましたが、次第に改善に向かいました。

現在は京都の繁華街である「河原町」ですが、今よりも広がっていた鴨川の河原を整備して作られたのが地名の由来とされています(諸説あり)。

<観光スポット>
清水寺、八坂神社、平安神宮、三十三間堂、南禅寺、蹴上インクライン、京都国立近代美術館、京都市京セラ美術館、京都国立博物館など

<大学>
京都大学、同志社大学、同志社女子大学、京都女子大学など

 

右京側の名所

渡月橋

 

京都市の西側にある観光地といえば、やはり嵐山が有名ですね。

京都市の西側は、先述したように平安時代中頃からは田園風景が広がる地となっていった一方で、嵐山一帯は古くから桜や紅葉の名所として貴族たちに人気の地でした。

さらに江戸時代になると、『都名所図会』など庶民向けのガイドブックによって一般の人々にも人気の観光地として知られるようになりました。現在では、嵐電やJRを使って気軽に行くことができますね。

<観光スポット>
渡月橋、天龍寺、龍安寺、仁和寺、車折神社、広隆寺、妙心寺、東映太秦映画村など

<大学>
立命館大学、花園大学、京都先端科学大学など

 

おわりに

この記事で紹介したように、「京都」と一言でいってもエリアごとに違った歴史があるのも、またおもしろいところだと思っています。
1000年以上続く長い歴史を感じながら、大学生活のなかで京都のまち歩きを楽しんでくださいね!

※また、過去には京都市内をエリア別に解説してある記事も出ているので、あわせて見てみてくださいね!

(佛教大学 歴史学部 直江和宣)

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