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京都市キャンパス文化パートナーズ制度を使って、お得に京都の歴史を学ぼう!

皆さん、暑い夏が終わり初秋を感じる季節がやってきましたね。大学生にとってはまだまだ長い長い夏休みの後半戦スタートといったところ!でも出かけるとなると出費が気になる……そんな夏休みを「京都の大学に通っている」ことを存分に生かして有意義に、そしてお得に過ごしてみませんか?

そのカギとなるのが「京都市キャンパス文化パートナーズ制度」です。

京都市キャンパス文化パートナーズ制度とは

二条城や美術館、京都市動物園などの文化施設が、大学コンソーシアム京都に加盟する大学及び短期大学(48大学)の学生限定で100円で入場できる制度です。

携帯電話・スマートフォンから登録できるので、詳しくは京都市のWebサイト(https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000111091.html)をチェックしてみてください!

これまでに京都学生広報部で京都市キャンパス文化パートナーズ制度を使って京都市動物園に行った記事もあるので、こちらもぜひご覧ください

今回、シリーズ企画第一弾として、私たちが京都市キャンパス文化パートナーズ制度を使って訪問させていただいたのは「無鄰菴(むりんあん)」。
とても美しい庭園があるんですよ。

今回は、高校時代世界史選択の私と、編集チームリーダー山下杏子さん、そしてPRチームの留学生シン・ソヨンさんという日本史の知識がほとんどないメンバーでも楽しめるのか?という裏テーマを掲げながら取材に臨みました。

無鄰菴 にまつわる歴史を学ぶ

まず、無鄰菴を管理されている植彌加藤造園株式会社知財管理部の研究員であり、通訳翻訳担当のマイケル・シャピロさんに、無鄰菴にまつわる歴史を教えていただきました。

「無鄰菴とは明治27年(1894)~29(1896)年に造営された明治・大正時代の政治家、山縣有朋の別荘です。名前の由来は「隣の無い庵(いおり)」。その名の通り山口県に造営された第一無鄰菴の周りには何もなかったそうです。

無鄰菴と名の付く山縣有朋の別荘は実は3つあり、1つ目は山口県に、2つ目は京都木屋町二条に、そして3つ目が現在名勝に指定されているこの岡崎の無鄰菴です。

敷地内は、庭園と母屋・洋館・茶室の3つの建物によって構成。庭園は施主山縣有朋の指示に基づいて、七代目小川治兵衛により作庭された近代日本庭園の傑作であります。

また、洋館の2階には、山縣と伊藤博文らが日露戦争開戦に向けて話し合った「無鄰菴会議」に使われた部屋があります。」


マイケルさんは、とても日本史が好きで、軍人というイメージが強い山縣が無鄰菴という別荘を持っていたということから、無鄰菴とはどういうものだろうと興味を持たれたそう。

「ところで、山縣有朋ってどんな人物ですか?」

こんな無知な私の問いかけにもマイケルさんは優しく丁寧に答えてくれました。本当にありがとうございました、そして失礼いたしました。(泣)

「山縣は、身分制度が残る明治初期に、国民(男性)に兵役の義務を課す「徴兵制」を整備し、近代の陸軍を創出した軍人であり、2度も総理大臣に就任したことのある政治家であるとともに、彼は優れたランドスケープデザイナーでありました。

そんな山縣のイメージをもとに建てられた別邸「無鄰菴」を先駆けとして、南禅寺界隈は、現在でも、全国的な別荘地として知られるようになっています。」

無鄰菴の良さとは

次に、植彌加藤造園株式会社知財管理部長であり無鄰菴プログラムディレクターの山田咲さんに無鄰菴の見どころを教えていただきました。

無鄰菴は「名勝」という庭の重要文化財に認定されています。山田さんのお話によると、文化財というのは明確な指定理由があり、無鄰菴はその理由が大きく3点あげられているそうです。

指定理由というのは文化財には必ず存在し、それがまた見どころとなっているので、ぜひ文化財を見に行くときは指定理由を確認することをオススメします!

では無鄰菴の文化財になった理由、そして見どころを3点簡単に紹介していこうと思います。

  • 借景 外の景色を借りる、つまり東山の景色と庭が連続したように1つの風景になっています。
  • 流れ 動く水を庭の中に入れるという日本庭園史上近代性を代表する要素を取り入れたつくりとなっており、眺めるだけでなく水の音が楽しめます。
  • 芝生 普通は苔を使うところを芝生を使うことで明るく、開放的な空間を演出しています。

さらに、庭園の見どころとして、山縣有朋の地元である山口県をモチーフに日本のリアルな自然が表現されていることがあげられるそう。幕末、明治初期に、山縣のように、地方から都会に出てきた人にとって、都会のど真ん中に建てられた自然を感じられる無鄰菴は、どこか懐かしい、なじみやすいような感覚を与えたのかもしれません。

「庭を見るため」に作られた無鄰菴は、茶室も母屋も質素でシンプルなつくりとなっており、存分に庭の景色を楽しむことができます。

無鄰菴でのイベント、楽しみ方

国の名勝である無鄰菴を、多くの方に知ってもらい、これからも残していくために、様々なイベントが実施されています。9月14日(土)には35歳以下のヤングのための月見会、毎週水曜日の14:00から30分間の野鳥ミニ講座など無料で行われているものもあります。また2019年度は毎月28日は35歳以下入場無料!

中高生や大学生でも、楽しめること間違いなし!
(無鄰菴で行わるイベントはこちらのページをご覧ください)
https://murin-an.jp/events/

イベントに参加し、季節ごとに見せる無鄰菴の異なる姿を自分の五感で発見することも楽しみの一つになりそうです。

感想

小中学校のころ日本史の授業ってあったっけ?と思うほど日本史も知らない、そして正直言って庭に興味のなかった私ですが、無鄰菴に行ってみてお話を聞いたことで、他の庭園との違いを知り、違う庭園にも興味を持つことができ、明治時代の歴史や文化財の楽しみ方も学ぶことができました。

留学生のシン・ソヨンさんは「歴史と伝統の都市である京都に住みながらも、日本の歴史は受験生の時試験のために浅く勉強したくらいで、詳しくは知らなかったので今回の経験が留学生である私にとっては、とても有意義な時間でした。せっかく京都で4年間留学することになっているので、これからは京都を含めた日本史を勉強しながら、京都特有の趣をより深く味わえたらいいなと思います!」と感想を述べていました。

ということで、見るだけでなく、五感で楽しめる無鄰菴、ぜひみなさんも行ってみてください!

次回は「京都キャンパス文化パートナーズ制度」を使って行く「二条城」です。お楽しみに!

(文章:同志社大学 グローバル地域文化学部 山﨑 凜)
(写真:立命館大学 文学部 山下杏子)
(協力:立命館大学 産業社会学部 シン・ソヨン)

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