インタビュー

学生が作る‼グッとくる授業!?日本初?の取り組みを始めた学生に聞いてみた

学生が作る‼グッとくる授業!?日本初?の取り組みを始めた学生に聞いてみた
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こんにちは、市川です。

工繊大生、京都府立大で講義を受ける。


私が通う京都工芸繊維大学(工繊大)の1回生は毎週月曜日の午後に京都府立大学にある教養教育共同化施設「稲盛記念会館」に行きます。というより行かないといけません。では、なぜそこにいくのか?

そこに教養科目があるからだ。(ドヤ顔)

(※教養科目:専攻の勉強とは別に、幅広い分野の知識や考え方などを身に付けるために、学部に関係なくすべての学生が受ける科目のこと。)

……すみません、調子に乗りました。詳しく説明しますと、京都工芸繊維大学、京都府立大学、京都府立医科大学の三大学では教養科目が共同化されており、私は月曜日の午後に府立大学内の教養教育共同化施設「稲盛記念会館」で開講されている科目を受講しています。だから“行かなければならない”のです!

共同化ということで、先生も三大学それぞれから来られ、三大学の学生が一緒に講義を受けます。そのため、普段自大学では学ぶことができないような分野を学ぶことができるというメリットがある、画期的な取り組みなのです。

さて、講義を受けたある日のこと。「講義なんてめんどうだな」なんてことを思っていた私の耳に、「三大学の学生の中に自分たちで教養科目を作ろうとしている学生がいるらしい。」という、何やら面白そうな情報が。「なんか面白そう。とりあえず会ってみたい。」というわけで、思い立ったが吉日、そんなことを企画している「京都三大学学生交流会」のリーダーに突撃訪問!(突然の取材を快く引き受けてくださった皆様、本当にありがとうございました。)

会ってみた。

というわけで、彼らの活動場所を訪ねました。すると、そこにいるのはにこやかな笑顔をした人ではありませんか!

その人物こそが今回取材させていただいた、冨永佑季(とみなが ゆうき)さんです!

早速話を聞いてみましょう。

今までやったことのない、価値のあること。

――どうして「京都三大学学生交流会」を立ち上げたのですか?

Ø  大学に入学して、せっかくだから今まで誰もやったことのないことをやろうと思ったからです。どうせなら、価値のあること、誰かの役に立つことをしたいと思いました。でも、自分にできることが全然なくて、途方に暮れていたのですよ。そんなときに、三大学の教養教育共同化の講義で他大学の友達や、アプリを自分で開発できるぐらいすごい友達ができたんです!

――他大学の友達ができたのがきっかけだったんですね。

Ø  そうです。初めは3人で始めたのですが、徐々に参加してくれる人が増えてきました。今もメンバーを募集しています。

大学生活を便利にするAll-in-oneの時間割アプリ!?

――交流会では何をしているのですか?

Ø  三大学の学生が授業外で交流できる場をつくる活動ですね。ただ、交流と言っても、単におしゃべりして楽しかったね、はいおしまい。ではなく、一緒に新しい何かに取り組んで成長できる場所を提供するようにしています。

――新しい何か、とは?

Ø  2つあります。1つは、大学生活を便利にするAll-in-oneのスマホの時間割アプリを製作しています。大学の授業の時間割や休講情報、授業への学生の意見や経験を共有できるアプリで、学生目線で各講義のいいところを集めて、簡単に見られるようにしようと考えています。大学の授業アンケートとはまた別に自分たちでアンケートを作り、それを集めてアプリで公開することで、各講義を受講した学生がその経験を他の学生にシェアすることで、学生に本当に知りたい情報を提供して、自分が受けたい授業を探せるようにしたいです。

――ネットショッピングのレビューみたいなものですか?

Ø  そうです。アプリにすることによって、この項目で回答している人はほかの項目でこう回答している、といった具合に情報をつなげることができます。僕1人じゃ絶対に出来ないことだったけど、カラーの違う三大学の、その中でもそれぞれ強みを持ったメンバーが集まってくれたので、このプロジェクトを実行することができます。各メンバーは専攻どころか大学まで違うけど、背景が違う人がたくさん集まることは、何か1つのものを作るにあたっていいことです。

学生が受けたい授業を学生の手でつくる。

(森迫清貴 先生(京都工芸繊維大学学長)に熱心に説明する冨永さん)

――もう1つの取組は?

Ø  学生が受けたい授業を作る活動です。講義は学生が受けたいと思うような内容の方が僕たち学生とっていいに決まっているじゃないですか。でも、それって意外と難しいんですよ。
だから、まずは学生が受けたい授業って何だろう?という疑問を具体化するために「学生が作る!グッとくる授業」というワークショップを開きました。ワークショップには、三大学の学年も専攻も違う人たちのほか、先生方にも来ていただいて、皆でこんな授業が受けたい!というアイディアを出して、模造紙にまとめました。
学生と先生方で意見が一致しているものもあれば、片方だけが気づいているものもあったのが印象的でしたね。ワークショップには、なんと京都工芸繊維大学の森迫清貴学長にもサプライズで来ていただきました!
びっくりしたと同時に先生方も真剣に学生のための講義を作ろうとしてくださっているという手応えを感じたので、またこのワークショップを開きたいです。

これからの活動予定

(授業の感想(赤が良いイメージのもの、青が良くないイメージのもの))

――今後の活動で何をしていくのですか?

Ø  まずはアプリのリリースを目指しています。というのもアプリを活用することで、交流会の活動の幅を広げられるからです。具体的には時間割機能や講義の休講情報や連絡をプッシュ通知する機能を実装することで、アプリとして導入してからも使ってもらえるようにすれば、活動の告知や報告がしやすく、広がりやすくなるからです。ご期待ください。

Ø  それと、もう1つ考えているのは、僕たち交流会が1コマ90分の時間を使って、模擬講義をさせていただくことです。といっても、私たちが全部一から授業をするというわけではありません。先生と話し合って、どういう講義にするか、講義を設計しています。
先生と学生が一緒に授業をつくるということを大事にしています。今後は、外部講師によるワークショップも企画しようと考えているので、そのための一歩になればと思っています。
それらを通じて、最終的な目標である「学生が受けたい授業を学生の手で作る」ということを目指しています。現実的な問題も多く、難しいですが、できると考えています。

――ありがとうございました。

いかがでしたか?私もここまで具体的に計画立てて行動することはなかったので、すごいと思いました。何かしたいことがある人にとって、大学はそれを実現するためにはぴったりの環境ですし、そうでない人も大学で何か新しいことを初めてみてもいいかもしれませんね!

(京都工芸繊維大学 工芸科学部 市川峻)

この記事を書いた学生

かれんちゃん

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卒業生が執筆した記事はかれんが紹介しているよ!