自分の提案を実現できる!京都学生演劇祭実行委員長の村上太基さんにインタビュー
京都学生演劇祭を知っていますか?
「今、京都で最もおもしろい舞台をつくる学生劇団はどこか」という問いに答えるべく始まった京都学生演劇祭は、現在まで数々の学生劇団が出場し、今年で13年目を迎える、学生が運営をする学生演劇祭です。
2023年は、9月9日から16日にかけて左京区の養正市営住宅6号棟跡地の野外特設舞台で行われました。
この演劇祭の実行委員長を務める京都芸術大学3回生の村上太基さんに、京都学生演劇祭の魅力や実行委員会のやりがいについてインタビューしてきました!
もくじ
学生が運営する演劇祭
――京都学生演劇祭実行委員会ではどのようなことをしているのですか?
演劇祭を運営するために、まずは実行委員を集めることから始まります。例えばどういう会場にするか、参加団体や予算をどう集めるかなど、広報から開催までの全部を実行委員で決めていきます。
――どのようなことを意識して運営していますか?
他の演劇祭は発表の場としての機能が強いと思うんですけど、学生演劇祭は育成の面も兼ねているんです。
単なる発表だけではなく、創作過程にも関わっていくことが演劇祭の良さだと思っていたので、学びの場をいかに作れるかということをこちらが考え、企画に参加してもらい、創作について考える時間を取ろうとしました。
今年は “劇特講”という企画を新しく始め 、京都で活躍されている演劇人の方々に講座を開いてもらって、意見交換などをしました。 学生演劇人はなかなか上の世代と繋がる機会がないので、実際に俳優を続けていくにあたって必要なノウハウなどをお話ししていただきました。
――どのようなときにやりがいを感じますか?
学生が運営に関わっているとはいえ、かなりの金額が動いていますし、多くの人が関わっているので相当な責任感があります。ですが、その分自分の仕事によってダイレクトに演劇祭が変わっていくのが目に見えるという楽しさがあって、それはなかなか大学やバイト先では感じられないものです。自分がサボったら悪くなるし、何か提案したら実現するので、これは他では経験できない良い機会だったと思います。
京都学生演劇祭の魅力
――学生演劇祭ならではの魅力は何だと思いますか?
同世代が集まって内容を一から考えて形にしていくので、今の学生たちが何を考えて、社会に対してどのような問題意識を持っているのかが、演劇に全面に出ているわけではないんですけど見え隠れすると思います。劇団の間でもちょっと共通点があったりするので、演劇を見ながらそれを感じてもらえるんじゃないかな、と思います。
――京都で演劇活動をする魅力は何だと思いますか?
“劇特講”がいい例だと思うんですけど、京都は演劇を始めると京都中の演劇関係の方に会うことができます。みんなが京都の演劇界全体のことを考えているので、つながりが生まれやすいのは京都の魅力だと思います。それは作品の制作にも良い影響を与えていて、実際にこういう人とつくってみたいという出会いが生まれるのは京都ならではの環境だと思います。
多くの人に見てもらえる環境がちょっと外に出ればある
――最後に、学生に向けてメッセージをお願いします。
ちょっと外に出れば、企画に主体的に参加できて、多くの人に見てもらえる環境が見つかるので、大学で講義に出るだけでなく、ちょっと外に出て大学では会えない人に会ってみるのも面白い経験になると思います。
自分の振る舞いが周囲に影響を与えるという経験は、普段生活していてもなかなか実感できないことだと思います。自分が作るものをより良いものにしていくためには、自分が主体的に活動できる集まりに参加したり、自分でそういった集まりを作ったりして経験を積むと良いと思います。
インタビューを終えて
撮影:脇田友
京都学生演劇祭実行委員会での取り組みは学生が運営をするので大変だけど、自分の行動で作り上げることができるというのはとても魅力的だと思いました。
また、演劇を実際に見てみて、笑えるものや考えさせられるものもあり面白かったです!
改めまして、京都学生演劇祭実行委員長の村上太基さん、ありがとうございました。
京都学生演劇祭HP
https://kstfes.wixsite.com/home
(取材・文:立命館大学 産業社会学部 井上日菜里)