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京都の高校生が京都大学奇術研究会にインタビューしてみた!

大学ってどんなところなんだろう、大学生はどんな活動をしているのだろう?そんな未知の世界への好奇心と期待を胸に抱いた高校生達と共に京都大学奇術研究会の皆さんにお話を伺いました。
(部員:渡邊諒聖)

今回のインタビューは「コトカレ高校生プロジェクト」の一環で行われたものです。


(左から、竹川さん、影山さん、田中さん)

京都大学奇術研究会について

――京都大学奇術研究会が日頃どういった活動をされているのかを伺いたいです。
影山:本来ならば、11月に学園祭があるので,それに出てマジックを披露していたのですが、今年は諸事情でなくなったので、別の会場を借りて公演をやろうという形で練習しています。企業からご依頼いただいて、披露しに行くこともありますね。

――それぞれの依頼は、京都大学奇術研究会さんが独自に受けているのですか。
影山:そうですね。僕らが45期生で、45年続いているサークルなので、同じ企業様から定期的にご依頼を承っていますね。

影山さんがおっしゃったように、45年もの長い伝統があるサークルで、また、そのなかには、取材させていただいたお三方のうちの一人の竹川さんのように、プロマジシャンを目指す方もいらっしゃるそう。

――京都大学奇術研究会に入られたきっかけはなんですか?
田中:4月のサークル新歓の際に、足を運んで面白そうなので入会しました。
竹川:僕は、マジックを中学生のころからやっていまして、将来はプロマジシャンになりたいと思っています。大学進学が決定してからTwitterでいろいろサークルを探してここがよさそうだと思い、入会しました。
影山:僕は、新歓の前に、「ビラ配り」といっていろんなサークルからビラを貰う機会があるのですが、その時にもらったビラを頼りに新歓に行ったところ、先輩たちの雰囲気が良くて。「この人達となら大学生活楽しそうだな」と思ったことが入会した理由です。ビラ配りのほかにも、京都大学(以下、「京大」)では入学と同時に「サークル大百科」というサークル・部活のことが載っている冊子が届くんですよ。

――インカレサークルとのことですが、他の大学の方もいらっしゃるんですか?
影山:京大生がやはり多いんですけど、京都工芸繊維大学、立命館大学、同志社大学、京都女子大学、京都芸術大学の人もいますね。

――マジックはどういったものが中心なんですか?
影山:トランプやコインなどを使って、お客さんと近い距離で話しながら披露する「クロースアップマジック」と、大掛かりな「ステージマジック」のどちらも練習しています。ステージマジックは、マジックの内容によって使う道具が様々です。もしも、大きな道具を使用する時には、(活動場所の)一番広い部屋なら練習ができますし、ほかにも、青少年活動センターのお部屋をお借りするなど、必要に応じて練習場所を工夫しています。
京都には学生にとって活動できる場所がたくさんあるので、助かります。
(部員:直江和宣)

――みなさんにとって、京都大学奇術研究会の活動は、どういう存在なのでしょうか?活動しているなかでの楽しいことややりがいはそれぞれどのようなことがありますか?
田中:自分はお客さんに驚いてもらえたときは嬉しいし、達成感がありますね。
竹川:マジックをやってる人って身近にそんなにいないんですよね。マジックをやっている者からすると、その趣味を共有できる人が少ないので、このサークルに入ってそういう友達がいっぱいできて楽しいですね。

竹川さんは、一人でマジックを練習するときは孤独なのに対して、サークルではできるようになったマジックをお互いに見せ合うことができる、そこに楽しみを感じているのだそう。

――皆さんが考える京都大学奇術研究会の魅力は何ですか?
竹川:まず、一芸が手に入るということがめちゃくちゃ大きいと思います。ちょっとしたときに、なにかできるというのはコミュニケーションのうえでも役に立ちますし。
影山:マジック関係なしで申し訳ないですが、僕は個人的にこのサークルは人が好いと思っています。どんな人でもなじみやすい雰囲気でやっているつもりなので、マジックにそれまで興味なかった人でも、面白いと思える環境なのかなと思っています。
田中:同期とも先輩とも後輩とも仲がいいし、コミュニティの場が一つ増えるのはすごく魅力的かなと思います。

お三方の回答から,マジックをすることの魅力はもちろん、それだけではなく、京都大学奇術研究会の雰囲気や居心地の良さが伝わってきました。
(高校生:渡邊奏音)

大学受験について


――志望大学を決めたきっかけは何ですか?
竹川:僕は京都工芸繊維大学に通っているのですが、実はこのサークルに入りたくて、京大を目指したんですよ。高2の時にプロマジシャンになりたいと思って。自分は勉強も好きだったので、勉強もしたいし、大学でもマジックもしたくて。ちょうどコロナ禍の影響でSNSに(京都大学奇術研究会の)動画が上がっていて、いいマジックするなと思いましたね。(このような志望理由は)すごくまれだと思います。

大学のサークルをあまり知る機会がない中で、高校生のころから、サークルを目指して大学を決める方もいるのかと知り、聞いていて意外に思いました。

影山:僕は、昔北海道に住んでいたんですけど、そのころからお寺や神社がめっちゃ好きで、それで京都という町で生活してみたいなと思いました。勉強面に関しては、京大のオープンコースウェア(OCW)で公開されているシラバスを見て、面白そうだなって思ったのも理由の一つです。

京都大学のオープンコースウェアは、京都大学が大学での授業や講義を一般向けに公開しているコンテンツで、公開講座や、各学部のシラバスなどについて知ることができます。京都大学の授業を詳しく知れるコンテンツとして、今回の取材で初めてOCWの存在を知りました。自分の進路を調べる上で、その大学の授業内容を詳しく知るのは自分にとって重要なことなので、今後自分も使ってみようかなと思いました。

――志望大学に向けて、どのように勉強されましたか?
田中:僕は、部活はせずにずっと勉強していました。浪人中は、予備校に通いながら家で1日13時間勉強していました。通っていた高校は、文武両道だったんですけど、僕の性格上両立は無理だなと感じていたので。
影山:僕は塾に通って勉強していました。勉強は、みんなでというよりかは一人でしていました。出身高校が付属校で、生徒さんの9割ぐらいが受験なしで進学するようなところで、その波にのまれちゃいけないなという思いが結構ありましたね。

――受験勉強の中で、何か悩んだり困ったりしたことはありましたか?
竹川:共通テストの配点が、京大工学部は文系の科目の割合が高いのですが、僕は典型的な理系だったので苦労しました。とりあえず科目数が多いところが、大変でしたね。
田中:僕も理系なんですけど、実は数学が苦手で……そこに苦労しました。(実際の勉強においては)簡単なところを確実に解けるようにすることを意識していました。簡単な問題ほど、意外と周りを見ていると油断して落とす人が多いんですよ。基礎を丁寧に押さえておくことで意外と平均点を超えられたりしました。

今回のインタビューを通して、お話しされた3人の方々からリアルな受験体験について聞くことができました、皆さんの話されていた、大学受験に向けたそれぞれの思い、そして苦労されたことは、これから大学受験を目指す自分にとって、とても参考になりました。皆さんの話してくださった体験談を、また自分のこれからに生かしていきたいです。
(高校生:中谷幸太)

受験生にひとこと


――最後に、京都大学を受験しようとしている中高生にひとことお願いします。
田中:僕は、浪人の頃も秋の模試の判定がD判定で全然良くなくて、しかも共通テストもあまり良くなくてもうダメかと思ったんですけど、「せっかくここまでやったんだからあと1ヶ月頑張ろう」と思って死ぬ気で勉強したら受かりました。諦めずにやれば結果もついてくるんじゃないかと思います。
竹川:僕は大学受験もめちゃくちゃ頑張ってほしいなと思うんですけど、それと同時に今高校生でしかできないことを大事にして欲しいと思っています。クラスという存在やクラス単位での行事、毎日同じ仲間と顔を合わせて一緒に帰る機会って大学でもありますけど、小中高と比べるとぐっと少なくなると思うので、今の環境をじっくり味わって大切にして欲しいなと思います。
影山:もしも、周りに同じ大学を志望している人がいるなら、みんながどれくらい頑張っているかを知って、その中で「自分はどれくらい頑張れているのか」を客観的に見られるようになると良いかと思います。そうすることで、僕は勉強のモチベーションにつながったし、自分の実力も冷静に見られるようになりました。今、自分に何が必要かを理解した上で勉強方法を工夫して進める力が、難関大学に行く人には必要かなと思います。
(部員:吉田妃那)

さいごにマジックを披露していただきました!


取材でさまざまな話を伺ってから、最後に、竹川さんが目の前でマジックを披露してくださるとのことで、特等席で見せていただきました!

披露してくださったのは、トランプ、リング、そしてルービックキューブを用いた3つのマジックです。


初めてマジックを見た人も多かったので、目の前で披露されても何一つタネがわからず部員一同「???」が頭に浮かんでいました。

かくいう私も1つくらいタネを暴いてみたいと集中して見ていましたが、一切わかりませんでした。
竹川さんは大阪でもマジックを披露しているらしく、機会があればいつかは見抜いてみたいです。

そして、なんといってもマジックだけでなくトーク力も素晴らしく、マジックの世界に引き込まれました。

この奇術研究会は学外講演を多数行っているそうですのでぜひ興味があれば見に行ってみてはいかがでしょうか。

京都大学奇術研究会のTwitter:@kyodai_magic

最後に取材に協力してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
(部員:吉田玲音)

(取材・文)
京都女子大学 文学部 吉田妃那
佛教大学 歴史学部 直江和宣
立命館大学 文学部 吉田玲音
京都大学 工学部 渡邊諒聖

京都市立堀川高等学校 中谷幸太
京都市立西京高等学校 渡邊奏音

(取材協力)
京都大学奇術研究会

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