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自治会って何してる?立命館大学産業社会学部自治会メンバーにインタビュー

みなさんこんにちは!

大学の自治会とはどのような組織か知っていますか?
中高生のみなさんにとっては、あまりなじみがなく、難しいことをしているように思う人も多いかもしれません。
しかし、自治会のみなさんは、私たち学生の意見を聞き、過ごしやすい場所になるように、日々活動してくれています!
今回は、立命館大学産業社会学部自治会(以下、「自治会」)の横山奈南さんに、自治会の活動内容や、やりがいなどのお話をお聞きしました。

今回のインタビューは「コトカレ高校生プロジェクト」の一環で行われたものです。

自治会とは

――自治会とはどのような団体ですか。

自治会とは立命館大学の各学部にある、生徒会のようなものです。似たような団体として「学会学生委員会」がありますが、学会学生委員会の方はどちらかというと学部が設置・運営している組織です。それに対して自治会は、学生の自治組織として所属学部の学生の声を聞いて、悩みや変えてほしいことを教授や学部事務室の職員に訴えています。

――具体的な活動内容を教えてください。

学生の困りごとや要望をとりまとめて、事務室に改善を要求することでしょうか。自治会としての活動のひとつに「学生大会」があります。この学生大会は、事前に学生から聞いた困りごとを議題として提案し、大会に参加する学生の承認を得ます。承認を得た要求については、学部事務室との五者懇談会の場で改善等を訴えます。

これが自治会の活動の軸になっています。五者懇談会を経て最近改善された例としては、学部棟のトイレがきれいになったことや、(今までは使えなかった)食堂のスペースが閉店後も使えるようになったことなどが挙げられます。そのほか、各学部棟にある学生が自由に使えるスペースの「コミュニケーションラウンジ」も自治会が管轄していて、学生が作ったポスターの掲示や団体のビラ、サークルの広報誌を置いています。

――活動頻度はどのような感じですか。

週一回、定例会があります。うちの学部自治会に限っての話ですが、本当に人数が少なくて……。特に学生大会の時期は忙しかったですね。
やることが決まっているわけではないので、自主的に見つけていく感じです。当然のことながら、仕事はやらなければないけど、やろうと思ったらいくらでもあります。自治組織だから誰にも指図されない代わりに、活動する人次第で活動の内容やボリュームが左右します。

自分の居場所として

自治会って何してる?立命館大学産業社会学部自治会メンバーにインタビュー

――自治会に入ったきっかけを教えてください。

一年生の4月に、「ウェルカムフェスタ」というサークルなどの紹介イベントに産業社会学部自治会も出ていて、とりあえず話を聞いてみたことがきっかけです。自治会には「ボックス」という部室のようなスペースがあって、そこが本当に居心地良くて……。
休み時間や空きコマにボックスでご飯を食べたり、フリースペースで話したりするのが楽しくて、最初はそのために入ったみたいな感じです。私にとっての居場所であり、大学内の大切な拠点になっています。今は自治会メンバーが3人しかいないので、ほとんど実家のようなリラックスできる場所です。

そもそも、自治会という組織がどの大学にもあるわけではないそうです。だから大学の自治会ってそもそも何なのか、あまり理解はされてないですね。立命館大学では他学部も活発的に活動しているんですけど。

――他の学部の自治会との違いはありますか。

アットホームな雰囲気ですね。3人しかいないから、もうとにかく仲良しです。空きコマになると3人でお昼ご飯食べて、お喋りして、課題やるみたいな。ボックスにはソファーがあるんですけど、ソファーで仮眠をとることもあります。
なにより、産業社会学部自治会はとにかく歴史があって、新入生が抱く大学生活に関する不安を取り除けるようにサポートを行う、エンター団(オリター)に関しても、うちの自治会が最初に始めたことです。

また、学生運動時代の資料が残っていて、それを読むことも面白いです。
現在の要望書であれば、学費の値下げを要求してほしいとか、トイレをきれいにしてほしいいとか、教養科目の一般抽選が当たらないから枠を広げてほしいなどの学生生活に直結する要求が書かれています。

ところが、学生運動のときは安保闘争のことから文章が始まるんです。しかもそれをひたすら手書きで、全部同じ字体で書かれていて……。誰が書いたか分からないようにしているのだと思います。
さらに、それがすごく分厚くて、学費の値下げ要求ひとつにしても、今よりも語気が強くて、こういう時代が本当にあったんだなと実感しました。

70年代に活動が行われた場所に、私がいる。その歴史を感じることができる点が自治会活動をしていて面白いと思います。このような資料はほかの学部にはないと思うので、産業社会学部自治会の財産ですね。

物事を変えられる力

――自治会に入ってよかったことはなんですか。

自治会に入っていると、私たち学生にも「変えられる力」があることを実感します。みんな不満は色々あると思うんですよね。なんとかしようと思ってもどうしてもできないことはあるけど、自治会が話を聞いて、改善に向けて訴えることはできます。

また、教職員だけでなく、自治会が学生の柱となって大学運営に携わることができる点も魅力のひとつです。さらに、自治会には個性豊かな人がいて、面白い人たちと出会えるということはメリットだと思います。

そのほか、全学協議会や総長選挙というものがあります。それは大学の総長を決めたり、大学側に対して声高に学生はこういうことで困っているっていうのを訴えかけたりできる場が用意されています。自分たちも末端組織ではあるけどそうした場に携われる貴重な機会だと思います。

あまり他大学にはない行事なので、そこに関われるのは面白いことかなと思います。あとは、トイレが変わったときとか、食堂を開けられるようになったときとか、成果が目に見える形で実現したときはすごくうれしかったです。

――今後変えていきたいことや、やりたいことはありますか。

今、活動できていないエンター団を復活させたいです。新入生のために、まずは履修相談などの活動からスタートしていきたいです。まずは人数を増やすことが目標です。
今の学生の様子を見ていると、あまり反応がないというか、「変えたい」という気持ちがないように感じます。だから、今はメンバー募集のビラをたくさん貼ったりするなどメンバーが増えるように積極的に行動しています。

最後に

私も自治会について聞いたことはあっても実際に何をしているのかわからない、難しそうという印象でしたが、インタビューをして、私たちが学生生活を気持ちよく送ることができているのは自治会のみなさんのおかげだということが分かりました。

また、中学生や高校生の時の生徒会よりも、もっと変える力を実感することができる活動であると思いました。

最後に、取材を受けてくださった横山奈南さん、本当にありがとうございました。

(取材・文:立命館大学 産業社会学部 井上日菜里)
(取材協力:立命館大学産業社会学部 細田大和)
(取材協力:同志社大学法学部 足立隼太郎)

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