インタビュー

【京都府立大学】ボランティアサークルを一から立ち上げ!代表の明治さんにインタビュー

【京都府立大学】ボランティアサークルを一から立ち上げ!代表の明治さんにインタビュー
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みなさんこんにちは!
突然ですが、みなさんは今サークルに所属していますか?そう聞くと、かなりの学生が「はい」と答えると思います。では、サークルを1から立ち上げたことはありますか?これはなかなか「はい」と答えられる人は少ないのではないでしょうか。
今回、2023年に京都府立大学で新たにボランティアサークルを立ち上げた明治凜花さんにインタビューしてきました。

 

2023年設立、京都府立大学ボランティアサークル・ミライズとは。

インタビューに入る前に、ミライズがどんな団体なのかを紹介します。ミライズとは、京都府立大学の福祉社会学科の学生有志で結成された子ども居場所づくり団体です。地域の子どもの居場所づくりとして、学内で「放課後ルーム」を開催しています。放課後ルームというのは、京都府立大学に誕生した、中学生のためのフリースペースです。そこで勉強をしたり、友達や大学生と遊んだりすることができます。

(ミライズHPより)https://miraizukpu.wixsite.com/my-site-4

 

ミライズについてなんとなくわかっていただけましたか?ここからは、そんなミライズを立ち上げた京都府立大学公共政策学部福祉社会学科3回生の明治凜花さんにあれこれ聞いてきました!

明治さんインタビュー
立ち上げのきっかけについて

—ミライズ立ち上げのきっかけについて教えてください。

団体を立ち上げたきっかけは二つあります。一つは昔から思っていたこと、もう一つは最近感じたこと。

一つめの方は、小学四年生の時にユニセフのCMを見たことがきっかけです。小学四年生の頃は自分がひとり親になった時期で、結構つらい気持ちとかもあったんですよね。「なんで自分だけ……」とか、ちょっとひがんじゃったんだけど、その時にCMを見て、今の自分の環境のありがたさっていうか、好きな家族と暮らせていて、ご飯も食べられてて、住まいもあって。確かに父親はいないけれど、なんて自分は恵まれてるんや、とその時思ったんですよね。そう思ってから、今自分が恵まれているからこそ、子どもたちに恩返ししたいなと漠然とその時に思って。それから子どもたちを笑顔にしたいという思いで進路とか決めたり勉強も頑張ったりしたかな。
二つめの方は、大学一年生のころに、母親が遠くに働きに出ることになったことがきっかけです。大学生になって、色々挑戦したい時期だったけど、母親の仕事の事情で家事をしないといけなかったり、生活費を稼がないといけなかったりして、周りと比べちゃった。(それらをすること自体)嫌じゃなかったけど、我慢ばっかりって思っている自分がいました。でも、ふと考えた時、逆に今まで自分はすごく恵まれていたんやなと気づいて。

今、ヤングケアラーとかいろんな家庭がある中で、これまで苦労はあったけど、自分は家事とか全部しなくちゃいけないわけじゃなかったし、お母さんも家にいてくれたし、そういうのってほんとにありがたかったんだなって。そう思うと同時に、今の大学一年生の自分でも辛くてもどかしさがあるのに、中学生や高校生はもっといろんなことをしたい時期に、自分と似たような家庭の状況になっている子も大勢いるはずっていうことが、最近感じたことです。

子どもたちの助けになるような、一人で抱えずに、吐き出せる存在として子どもが子どもらしくいられる場所、存在になりたくて立ち上げました。

—立ち上げについてはいつから考え始めたのですか。

明確に立ち上げようと思ったのは、大学1年の3月かな。なんでその時に立ち上げようと思ったかというと、実現する目処がたったから。もともと子ども関係のボランティアには入りたいと思っていたけど、家庭の事情でタイミングが合わなかった。その目処が立ったのが、その時期でした。

 

立ち上げまでの苦労は?

—サークル立ち上げまでの苦労はどんなものがありましたか。

サークル立ち上げまでには、2回失敗があったかな。1回目の失敗は、大学1年の3月に、サークルやりたいな、じゃあどうやって人を集めよう?っていう時。同じ学科には児童福祉に興味がある子が多かったので、その子たちに声をかけようという流れになりました。でも、その子たちには別の優先順位があって、私が自発的に始めたということもあって意欲の差が生まれてしまったんです。

最初は空き家問題や地域活性化にも取り組み、地域全体を子どもたちの居場所にしたいっていう壮大な構想もあったんです。そのせいでサークル立ち上げの全貌が見えずに理想論みたいな形で進めちゃったからうまくいかなくて。それで5月のゴールデンウィークを挟んでいったん解散することになりました。

—1回目の解散後、何をしましたか。

解散した時は結構精神が疲れてしまって、もうやめようかなって思ってたんだけど、やっぱりどうしても子どもたちの助けになりたいと思って先生にも相談しました。
「ここら辺はお金持ちの人が多いから、助けが必要な子はそんなにいないよ。」と言われることもあって、心が折れそうになりました。でも、私はお金持ちだからと言って何の苦労もないわけじゃないと思っていたし、完璧に見える家庭でも、家庭内で何があるかわかんない、そういう子たちにも手を差し伸べられるような場所があるべきだっていう風に思っていました。

そんな中で、ある先生が「やったらええやん」と背中を押してくれて、大学2年生の6月の交流会で思い切って新入生を集めることにしました。

—この期間で立て直しができたようですが、2回目の失敗はどんなものでしたか。

2回目は新体制になっての夏ごろです。メンバーが7人集まり、夏のイベントを企画したんですが、実質1カ月くらいしかイベントの準備企画を取れなくて広報がうまくいかず、結局子どもは一人も来なかったんです。

さらに夏休みに入ってサークルメンバーの無断欠席が続き、チームの士気が下がってしまいました。もうサークル運営ができないんじゃないかという雰囲気が漂う中、私自身も傷ついたけれど、せっかくここまで来たんだからもう一回立ち上ろうと思って。
大学2年生の2学期にみんなで反省点を出し合いながらチームの士気を高めつつ、考えながらやっていった結果、チームのモチベーションが上がってきました。それで方向性や内容も決めて、広報もしっかりしたうえで、2月の後半に再度立ち上げることができました。

—作り上げるまでにかなり苦労してきたんですね。

最初は「居場所を作ること」が難しいと思ってたんだけど、実際は「人と向き合うこと」の方が難しかったです。メンバー自身の自主性を引き出さないと、やりたいと思ってもらえない。組織の中で責任をもって、役割をもっていることが原動力になったりするから、自主性を引き出していることを悟られないようにしつつ、運営をしていくことが難しかった。あと、中学生の立場に立って参加したいと思ってもらえるようにチラシの言葉を一つひとつ考えました。常に相手の立場になって考えながらやった結果が今ですね。

—立ち上げ前も、立ち上げ後も大変な部分はあるんですね。

 

サークルでのやりがいは?

—苦労して立ち上げたミライズですが、今のやりがいは何でしょうか。

やりがいはいっぱいあるけど、やっぱり子どもたちが喜んでくれる姿を見ることが1番のやりがいになります。具体的には、(子どもの)来る頻度が多くなってきたり、スタッフのみんなと打ち解けたり、あとは違う学校の子たち同士で仲良くなったりとかかな。最終的に、子どもたち同士のコミュニティを作りたいと考えていたから、それができつつあってすごくうれしい。

—中学生なんて他学校の子となかなか会わないですもんね。

そうそう。だからそれを見ている時は、本当にうれしいなって思うし、来てくれる頻度が多くなったら、来たいって思ってくれるんだなって、これまでの努力が実ったなって思うかな。

 

今後どんなことをしていきたい?

—今後ミライズで何かしたい活動はありますか。

大学のサークルだから、ゆくゆくは大学としての強みを活かしたいと思っています。例えば、府大のサークルさんとコラボさせてもらう。ダンスサークルさんとコラボできたら、一緒にダンスの機会を提供できるし、軽音とか音楽に興味のある子だったら、軽音部とコラボさせてもらって、そういう環境を提供するとか。
そういった中でいろんな体験を無料でできる環境を整えていって、そこから子どもたちの道を広げられればいいなと考えています。

 

おわりに

今回は明治さんにミライズ立ち上げからその展望、明治さん自身の価値観までじっくりお話を伺いました!
同じ学科ですが、しっかりと話すのはこれが初めてで、私とは異なる価値観に刺激を受けた時間でした。ミライズについて気になった方、ぜひInstagramやXをのぞいてみてください!

ミライズ公式HP https://miraizukpu.wixsite.com/my-site-4
Instagram https://www.instagram.com/miraizu_kpu/
X https://x.com/miraizu_kpu

 

 

 

この記事を書いた学生

遠藤彩花

遠藤彩花

京都府立大学 公共政策学部

好きなおにぎりは焼きおにぎりです。