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大学生に人気の第二言語ランキング5選|実際に学んでわかった難易度とおすすめポイント

大学生に人気の第二言語ランキング5選|実際に学んでわかった難易度とおすすめポイント
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そもそも「第二言語」ってなに?

大学入学後、どの大学生も通る悩みのひとつに第二言語があります。多くの大学では、英語以外に「第二言語」として他の外国語を学びます。

英語の勉強はしたことがあるけど、それ以外の言語を学ぶことに意味ってあるの?と思う人やどんな基準で学ぶ言語を選べばいいのかわからないという人もいると思います。

今回は広報部員にアンケートを実施し、その結果からそれぞれの言語の特徴や選んだ理由、メリットなどについて見ていきます。なんとなく選んでしまって「やっぱり他の言語にすればよかったかも・・・」と後で後悔しなくてもいいよう、第二言語を選択する際にぜひ参考にしてみてください。

学生広報部員に聞いた!第二言語ランキング

まず第二言語は何年間必修として学ぶのか気になる方もいると思います。

広報部員14人に聞いたところ、1年間と答えた人が半数以上で 2年間と答えた方もいました。2年も勉強していたら第二言語に関して自信が持てそうです。

つづいて、どの言語を選択していたのかを見ていきましょう。第二言語で勉強できる言語の種類は大学によって異なりますが、思っていた以上に多くて驚きました。広報部員への調査では、地理的に日本に近い国が多い印象でしたが、どういった理由で選んだのか、ここからは実際に学んだ先輩の意見を言語別にご紹介します。

圧倒的人気の中国語

広報部員の43%が選択したのは中国語。英語に次いで話者人口の多さでは世界2位の言語でもあり、日本では一般的にも第二言語として大学生に人気があると言われています。

――学ぶ前の印象は?

日本語と同じように漢字が使われているので、覚えるのはあまり難しくないのでは?と感じていました。

また、日常生活でもよく見かけるので親近感があると思いました。

観光地にある外国人向けの案内看板では、英語の次に中国語で書かれていることも多く、目にする頻度が他の言語に比べて多いからかもしれません。

日本語と似ているような気もするけど、少し違っている。そんな印象でした。

 

――実際に学んでみて感じたことは?

やっぱり日本と同じような文字を使っているので、勉強する前でも文の意味がなんとなくわかります。

日本語 中国語
今日の天気は非常に悪い。 今天 天气 非常 悪劣。
私は銀行で両替をする。 我 在 银行 兌換。

どうでしょうか。初見でも、なんとなく意味がわかりませんか?

テストで和訳問題が出たとき、あまり勉強していない分野から出題されたのですが、漢字から類推することでなんとか正解できたこともありました。

一方で、使う文字は似ていても、文法は日本語とは結構違います。たとえば、動詞の後には目的語が来ます。ここは英語と同じですね。例を挙げてみます。

日本語(SOV) 英語(SVO) 中国語(SVO)
私はコーヒーを飲む。 I drink coffee. 我 喝 咖啡。(Wǒ hē kāfēi.)
彼は本を読む。 He reads books. 他 看 书。 (Tā kàn shū.)

こんな感じです。文法規則を覚えるのは、少し大変でした。

中国語を勉強する中でいちばん難しかったのが、発音です。中国語には、拼音(ピンイン)という独自の発音法則があります。中国語のスピーキングではこの拼音を用いて発音するのですが、これが本当に複雑なんです!

同じ読みでも、声調(イントネーション)の違いによって全く別の意味になる単語が多くあります。

たとえば、「mai」という発音では、「mǎi」と低く平らに発音すると、「買う(买)」という意味になりますが、「mài」と一気に下げるように発音すると、「売る(卖)」と全く違う意味になります。

このように、中国語は発音をマスターするのがとても難しかったです。

 

――中国語の勉強法を教えてください!

単語や文法の学習に加えて、発音練習を重点的にやるといいと思います。AIの音声機能を使って勉強する方法もありますが、中国語は微妙なイントネーションの違いで意味が異なるため、イントネーションの再現が苦手なAIで勉強するのはあまりおすすめしません。代わりにCDや動画の教材を使ってシャドーイングをすると、スピーキング力がつくと思いますよ!

かっこいいけど難しい?フランス語

続いて広報部員で人気が高かったのはフランス語。

国連公用語にもなっているなど、国際的にも重要な言語と言われています。また、フランスの華やかな文化や芸術などに憧れる人もきっと多いはず。言語だけでなくそうした文化的特徴にも触れられる魅力がありそうです。

 

――学ぶ前の印象は?

フランス語はかっこいいけど、選択する人が少なく、単位を取るのが難しそうだという印象でした。

フランス語は日常で接する機会が少ないため、習得するのが難しいというイメージがありました。

 

――実際に学んでみて感じたことは?

語順は英語と一緒なんですが、文法は英語との関連性はありません。そのため、文法を覚えるのは大変でした。また、男性名詞・女性名詞の使い分けも難しかったです。

English

I like sports

I(私は)like(好き) sports(スポーツ)

S      V           O

 

Français

Je aime le sport

Je (私は) aime(~を愛する、~が好き)le sport(スポーツ)

S    V            O

 

フランス語は基本「主語(S)+動詞(V)+目的語(O)」です。

英語も基本構造は「主語(S)+動詞(V)+目的語(O)」です。

似ている……!英語とフランス語、似ています。語順が同じならこっちのもの。

ですが、二つの例文を見比べてフランス語にしかないのが「le」という「定冠詞」。

フランス語には英語の「the」に相当する「定冠詞」というものがあります。

しかもこの「定冠詞」は、名詞の性別によって形が男性単数なら「le」、女性単数なら「la」、複数の場合は「les」というように変わります。

 

定冠詞は特定のものを指すときや、抽象的なものをいうときに使います。

サラッと流しましたが、フランス語には名詞に性別が割り振られています。

名詞の性別によって定冠詞や不定冠詞、部分冠詞、形容詞、動詞の形が変化するので、名詞の性別を覚えなくてはいけません。正しく冠詞、形容詞、動詞を変化させないと、不自然な文になってしまいます。

また、発音が難しいのも特徴です。英語と語順は似ていても発音は異なる部分がほとんどです。

数字の1~10までを例に挙げて発音に注目してみましょう。

 

1.un 2.deux 3.trois 4.quatre 5.cinq
アン ドゥ トロワ キャッター サンク
6.six 7.sept 8.huit 9.neuf 10.dix
シス セット ウィット ナフ ディス

 

まず、発音の規則性についてですが、原則は語末の子音字は発音しません。

「salut(こんにちは)」という単語の場合、「サリュー」と発音し、最後の「t」は発音しません。

しかし、数の場合は例外があります。

上の表にある「sept,huit,six,dix」は語末の子音字を発音しています。

英語と語順が似ているので、英語に慣れている方は語順に注目すると馴染みやすいかもしれません。一方で、名詞の性別による冠詞、形容詞、動詞の活用を覚えるのが一つの壁になると思います。

 

――そんなフランス語は、どのように勉強すればいいでしょうか?

初めて学ぶ人は、入門書を読むといいと思います。「フランス語ってこんな感じか」と全体像を捉え、基礎が身につきます。

フランス語は英語と同じように、たくさん聞いて読んで書く練習が効果的です。リスニング、シャドーイング、精読、スピーキングを続けて、毎日フランス語に触れましょう。

フランス語にしかない発音があるので、慣れるまでに少し時間がかかるかもしれません。ですが、初心者のうちは名詞の性別を完璧に覚えなくても大丈夫です。発音の練習もしながら、少しずつフランス語に慣れながら覚えていきましょう。

私が高校の先生に聞いたフランス語の特徴は「鳥がさえずるように発音する」ということです。日本語とは違う部分が多いですが、続けることで必ず習得できます。フランス語を話している自分を想像して、モチベーションを保ちながら学習しましょう!

多くの国で親しまれてる!スペイン語

スペイン語はスペインをはじめ、チリやコロンビア含むラテンアメリカ諸国でも広く使われていて、国連が規定した6つの公用語の1つとしても有名です。英語に次ぐ世界的な話者数を誇る言語で、学習者人口も多いのが特徴です。

 

――学ぶ前の印象は?

英語との共通点が多そうで、第二言語として学びやすいのではないか、という印象を持ち
ました。発音も比較的簡単で、文化的にもスペイン料理や三重県の「志摩スペイン村」な
ど、日本でも触れる機会があるため、身近に感じられる言語だと思いました。高校生のと
きに授業で少し学んだ経験があり、そのときから興味を持つようになりました。

 

――実際学んでみて感じたことは?

ローマ字読みが基本なので発音はとても覚えやすく、文字体系も英語とほぼ同じで新しい文字を学ぶ必要がほとんどない点が安心でした。単語は、英語と綴りや意味が似て覚えやすいものもあれば、全く異なり新鮮に感じるものもあります。

例えば、

「チョコレート」

英語:Chocolate(チョコレート)

スペイン語:Chocolate(チョコラテ)

綴りは同じですが、スペイン語はローマ字読みで、響きがやわらかく可愛らしい印象です。

「猫」

英語:Cat(キャット)

スペイン語:Gato(ガト、メスは Gata=ガタ)

英語と綴りが異なるだけでなく、性別によって語尾が変わるのが特徴です。さらに、愛称として「Michi(ミチ)」と呼ぶ文化もあります。

文法面では、動詞が人称や数によって変化し、また男性名詞・女性名詞に合わせて冠詞が変わるため、覚えるのに時間がかかります。予習復習を怠るとすぐ忘れてしまうので、くり返し学習が必要だと感じました。

一方で、文法は英語と大きく異なるのに、読み方はローマ字に近い。このギャップが学習を面白くしてくれる部分でもありました。

中性名詞まで出てくる!難易度高めのドイツ語

ドイツ語は、ドイツ以外のヨーロッパ諸国でも話されている言語で、英語との共通点も多いと言われています。ドイツは環境問題や人権問題に積極的に取り組んでいる国でもあるため、そうした分野に興味がある人にとっては魅力的な言語と言えるでしょう。

一方で、日本語には存在しない文法も多く、「難しそう」という印象を持たれがちです。実際にドイツ語を学んでいる人にインタビューしてみると、「学ぶ前の印象」と「実際に学んでみて感じたこと」には興味深い違いが見えてきました。

 

――学ぶ前の印象は?

一言でいえば、「難しそうだけど、かっこいい」言語です。

ドイツ語を選択する友人は少なかったからこそ、学ぶと特別感があると思っていました。

一方で、日常生活で耳にする機会がないから、習得するのは少し難しいのかな?という考えもありました。

 

――実際に学んでみて感じたことは?

まず感じたのは、名詞の性を覚えるのが大変だということです。

ドイツ語の名詞には男性・女性・中性があり、冠詞や形容詞の形まで変化します。

例:der Tisch(テーブル・男性名詞)、die Blume(花・女性名詞)、das Buch(本・中性名詞)  など

覚える量が多すぎて混乱しそうになりました……。

さらに、英語と文法が大きく違うので語順が難しいんです。

ドイツ語は動詞の位置が独特で、特に従属節では動詞が最後に来るのが特徴です。

この語順に慣れるのにすごく時間がかかったのを覚えています。

やっぱり勉強するのは大変でしたが、そのぶん単位を取れたときにはすごく嬉しかったです。また、友人に「ドイツ語を勉強している」と言うと、「すごいね!」と褒めてもらえることが多かったことも、モチベーションにつながりました。

それぞれの声を通じて見えてきたのは、

「最初のハードルは高いけれど、越えれば大きな達成感がある」というリアルな実感でした。

難しさと同時に、学ぶ価値の大きさを感じさせるのがドイツ語。その奥深い世界に一歩踏み出してみるのも良いかもしれませんね。

音楽カルチャーなど、若者にも人気で身近なコリア語

韓国といえば、多くの日本人にとって身近な国のひとつではないでしょうか。K-POPアイドルや韓流ドラマの世界的な人気もあり、初めての海外旅行先として韓国に行こうと考えている人も多いのではないでしょうか?

その影響からか、「韓国語は身近で学びやすそう」と感じている人も少なくないようです。

 

――学ぶ前の印象は?

「日本語と文法が似ているらしいから、なんとなく簡単そう」と思っていましたが、ハングル文字は難しそうに思いました。

普段見慣れない文字が最初は記号のようにも見えて、取っつきにくさを感じていました。

韓国語を選ぶ人は、K-POPやドラマが好きな人が多いというイメージでした。趣味との親和性の高さがきっかけになっているケースが多く、興味から自然と学習に入った人も少なくないようでした。

 

――実際に学んでみて感じたことは?

やはり、最初のハードルはハングル文字でした。アルファベットやひらがなと全く異なる体系のため、一から覚えないといけなかったからです。

「안녕하세요.(アンニョンハセヨ=こんにちは)」

という例文でも、どこでどう区切ればいいのか分からず、最初は戸惑いました。

でも、ある程度ハングルに慣れてくると、一気に学習が楽しくなりました。

ハングルの規則性を理解できると、読み書きのストレスがぐっと減るんです。

また、語順が日本語と同じなので、他の外国語に比べて文を作りやすいです。

저는 음악을 좋아해요.(チョヌン ウマグル チョアヘヨ)=私は音楽が好きです

「’저는’(私は)→ ‘음악을’(音楽を)→ ‘좋아해요’(好きです)。

こんな感じです。

 

――韓国語を学んで良かったことはありますか?

日常生活で使える場面が意外と多いんです。

たとえば、最近では駅の案内板や飲食店のメニュー、コスメのパッケージなど、韓国語表記が身の回りに増えています。そうしたときに、意味がなんとなくわかるだけでも嬉しくなります。

また、K-POPの歌詞やドラマのセリフが直接理解できるようになることで、より深く楽しめるようになりました!

韓国語は最初の一歩が少し大変だけれど、それを乗り越えれば親しみやすく、日常の中で役立つ場面も多いということがわかりました。

趣味から始まる語学学習は、モチベーションを保ちやすいという点でも魅力があります。もし興味があるなら、一度ハングルの世界に足を踏み入れてみるのも良いかもしれません。

まとめ

いかがでしたか?

学ぶ前と学んだ後の印象などを言語別にご紹介しましたが、共感できるものはあったでしょうか?私はフランス語を選択していたので、「英語と関連性がなくて覚えにくい」という意見にすごく共感しました。

これから第二言語を取る人はもちろん、第二言語の必修はもう取ったけど、この言語も勉強してみようかな、という人の参考になれば嬉しいです!

他にも第二言語についての記事、大学の授業に関する記事を紹介しているので、ぜひ下記の記事もチェックしてみてください!

(龍谷大学社会学部 永田藍梨))

(編集:京都工芸繊維大学工芸科学部 佐藤浩一)

この記事を書いた学生

永田藍梨

永田藍梨

龍谷大学 社会学部

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