そもそも受験勉強の意味って?大学生に聞いた3つのポイント
こんにちは。西野です。皆さんは「受験勉強は役に立つのか」と考えたことはありませんか?
今回は京都学生広報部の部員から聞いた意見をもとに、受験勉強はその後の学生生活にどう役に立ったのかについて考えてみたいと思います!
なお、筆者も含めインタビューした部員の大半が文系学部に属しているため、この記事では文系目線の内容がメインになります。あらかじめご了承下さい。
もくじ
基本的な「教養」として
ではさっそく部員の声を取り上げてみましょう。
「高校の世界史や現代社会・政治経済・倫理の内容は要所要所に基礎知識として出てきます!あとは大学の英語の授業は高校までの内容で乗り切れています」
知識って大事ですよね!大学は「入試を突破した人が集まる場所」ということになっているので、大学の授業では高校の範囲は「知っている前提」で話をすることも多いです。
もちろん、実際にはクラスの理解度に配慮しながら授業が進んでいくので、必要以上に怖がる必要はありません。
歴史・地理が重要なのはもちろんですが、現代社会・政治経済・倫理などの教科も意外と大事だと思います。また、「評論用語」「古文常識」のような知識も結構役に立ちました。
これらの分野は「地味」「丸暗記」的なイメージを持たれがちですが、今にして思えば大学以降で役立つ多くの教養の基礎がコンパクトにまとまっている便利なものだと思います。理解しながら頭に入れておくと、後々まで役立つこと請け合いです!
「教養」というとなんだか大層なものに聞こえますが、大学生活を楽しくしてくれるものでもあります。
たとえば、大学の先生方と話すときや寺社にある説明看板を読むとき。外国からの観光客を道案内するときや他学部の友人とお出かけするときなど……。
教養を身に着けておくと、その場に適した話題を提供したり、相手への失礼を防いだりすることができます。
高校までの学びで得た知識をもとに、大学での学びの中で本格的に知識や教養を深め、時には他者と話したり世間に触れたりするなかで学生は心身や人格を磨き、大人になっていきます。
ある意味では、受験勉強は「カッコいい大人を目指す第一歩」といえるのかもしれません。
語学の訓練として
「高校のとき通っていた塾の古典の先生が、授業の余談で中国語の発音の難しさのことを言っていたので、入学後にそれを思い出して第二言語選びの参考にしました!」
大学は「語学」との付き合いが多いところです。文系・理系問わず英語と第二外国語(たいていはドイツ語・フランス語・中国語・韓国語、その他は学校によります)を学びます。
また、英語では入試の延長のような英文読解のほかにTOEICやビジネス英語などの「実用英語」や海外文学演習・外国書講読といった「学術英語」のような、より専門的な英語を学ぶことができます。
必修になっている大学も多いので、語学ができると単位を落とす、生活時間に余裕がなくなるといった学生生活を送る上でのリスクを減少させることが出来ます。
語学は点数を取ることも大事ですが、「語学の学び方」を習得していくことも重要だと思います。
英語や漢文などで学ぶ「文法や文の構造を理解する」「すらすら読めるまで音読する」「コツコツと単語を覚える」といったやり方は大学の英語はもちろん、第二外国語にも通用するからです。
自分の身の回りにも語学ができる人は多いですが、できる人ほど「基本」を大事にしているように感じます。そしてその「基本」として中学・高校の英語を挙げる人は多いです。
現時点では信じられない人もいるかと思いますが、大学に入ってもコツコツ続けていると急にスラスラ読めるようになったりします。
また、「語学」とは少し違いますが、現代文の評論文にも語学的な部分があるように思います。普段目にする日常的な言葉から、大学の「共通言語」である論理的な文章を扱うには訓練が必要だからです。
大学生活は勉強以外のことで忙しくなることも多いので、語学に限らず「学習方法」が確立されていると勉強時間が節約できます。寝る時間が増えることにもなるので、かなり得をすると思いますよ!
理系教科は結構役に立つ
文系の人にとって、センター試験が終われば理系の知識は必要ないと思いがちです。
しかし、文系の筆者には入学後に理系の知識が役立つシーンがたびたびありましたのでいくつかご紹介します。
文系の学部でも統計などは使いますし、現代社会では感染症や環境問題、ITなど文系・理系両方にまたがるトピックが増えています。
また、学生生活の中では理系の人たちと交流する機会もあるため、コミュニケーション・ツールとしても便利です。
ですので、中高生の時に文系と理系の知識をバランスよく学ぶことは重要だと思います。
さらに、理数系の知識は就職活動でも役立ちます。たとえば就職活動においては「適性検査」という一種のテスト(「SPI」などが有名です)を課される場合があります。
多くの場合、問題には国語などの内容を含む「言語分野」と理系の内容を含む「非言語分野」があります。
「非言語分野」の問題内容は「中学数学」や「数学Ⅰ・A」の文章題に近いものですが、限られた時間で大量に解いていく必要があります。つまり、割合やグラフなどを扱う知識は「社会人の常識」として持っていることを求められるわけです。
ほかにも、公務員試験などで「一般教養」として理系の知識(高校の定期試験レベルの問題が多いと思います)が問われることもあります。
文系学部では理系の学生のように複雑な方程式を解かなくても生活できますが、「文系でも理数系の知識や教養、思考能力を身に着けておくと得をする場面が結構ある」ということは覚えておいて損はないでしょう。
本題とはちょっと違いますが、こんな意見もありました。
「ベンゼン環の化学式を書きすぎて六角形を描くのが上手くなったことで、一度だけですが、幼いいとこに「すごいね!」って褒められてテンションが爆上がりしました笑」
こういうのもいいですね!
「楽しい」方へ考える
いかがでしたか?中学や高校の勉強が意外なところで役立っていることが分かっていただけると嬉しいです。
学校で学んだことが職業の場で直接役立つかは人それぞれだと思いますが、少なくとも「大学」という場では直接的に、すごく役に立つと思います。自分自身も何度も救われました。
高校までの学習は「生活の中にある負担」といった感覚が強いと思いますが、大学に入ると自分から「学んで、問う」学びが増えていくと思います。
これはおそらく「自立」の一つで、一人の「個人」として自立していく先に「やりたいこと」「知りたいこと」が生まれ、そこから深い学びや就職活動・進学といった人生の選択にもつながっていくのだと思います。
学校の授業・部活・日常生活と忙しい中で先のことを考えることは難しいと思いますが、せっかくなら周囲に強制される「勉強」として捉えるよりも、皆さんの志望校の「学び」が今から始まっていると考えるのも一手ではないでしょうか。
自分の興味や生き方について考え、自分で行動することは自立への大きな一歩だと思います。何より、楽しいことが増えると思いますよ!
皆さんの前途が明るいことを祈っています!
(同志社大学 社会学部 西野洋史)