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学生目線のきものと帯のデザインが一堂に会す、きものコンペ審査会・入賞作品展示を取材!

皆さんは「きもの」に対してどのようなイメージを持っていますか?
「成人式で着る特別なもの」、「日本の文化を象徴するもの」…など多くの事柄を連想する魅力的なものですよね。一方で、「敷居が高い」、「着るのに手間がかかりそう」と想像する方もいらっしゃるのではないでしょうか。

きものコンペとは?

このたび、4年ぶりに「THE COMPE きものと帯」(通称:きものコンペ)が実施されました。きものコンペとは、京都の基幹産業である和装の振興と共に、きもの等の制作やデザインに携わる人材育成及び大学のまち京都・学生のまち京都の推進に寄与することを目的に行われる大会のことで、京都市内の学校に通う学生が、きものや帯のデザイン画を考えて応募することができます。
この記事では、きものコンペの審査会と入賞作品展示会の様子や、入選者のインタビューをご紹介します!

前回4年前に行われたきものコンペの記事はこちら→

いざ審査会へ!

私たちは入賞作品展示会に先立ち、各賞を決める審査会を見学させていただき、審査の雰囲気や流れを感じることができました。

三越百貨店のショッピングバッグをデザインしグッドデザイン賞を受賞したことで知られる、染色家で、重要無形文化財友禅保持者の森口邦彦氏をはじめ、行政、和装産業の各団体、日本画家など各分野から選ばれた方々が審査員となり、真剣に協議を重ねられておられました。

出品作品においては、ルールを踏襲しながら大学生の目線で現代の世相を反映したものや、野菜が随所に散りばめられたもの、お太鼓の部分にリボンをデザインしたもの、さらには有名な歌手の曲からインスパイアされたものなど独創的な出品作品が多く、学生それぞれが考えたテーマを自由にきものや帯に表現されていたのが印象的でした。

入賞・入選ポイント

きものコンペ事務局の方によると、入選・入賞のポイントは「着ても飾っても美しいもの」
「きものは、帯・帯揚げ・帯締めの色などの組み合わせを変えると無限に楽しめますよ。」と話されていました。

結果は…。

93点の応募作品から、一次審査を経て選ばれた入選作品は37点。二次審査委員によって京都市長賞ほか、8点の入賞作品が選考されました。最初の投票によって選ばれた10点の作品の中からまず、京都市長賞の選考が行われました。無記名投票の後、さらに決戦投票により4対3の僅差で、嵯峨美術大学の井上仁唯奈(いのうえ にいな )さんの作品「Orbit(軌道)」が京都市長賞に選ばれました。

森口邦彦審査委員長は最優秀作品について「まず現代の世相を反映して男女兼用であること。さらにこのデザインは材料、技法によってさまざまに変化する可能性がある。例えば派手な舞台衣装にも可能であり、その展開が面白い。今日の呉服業界にない可能性を秘めたデザインである。」と評価されました。

入選者にインタビュー!

審査会に続き、きものコンペの入賞作品展示会が、京都産業会館ホール(京都経済センター2階)にて11月28日~11月30日の3日間行われました。展示会では、最優秀賞、優秀賞をはじめとする入賞・入選作品を37点展示し、素敵なデザインが施された多くの作品を見ることができました!

今回、偶然にも入選作品「白昼夢」「夢境」の制作者である、京都美術工芸大学の小阪奈菜葉(こさかななは )さんにお会いし、作品の制作過程など貴重なお話を聞くことができました。

――作品はどれくらいの期間で作成し、完成させたのですか?
実は、1日で作成しました(笑)。徹夜で、なんとなくどんな感じのデザインにしようかなと考えていた時にふと思いついたデザインを描いてみました。

――このデザインは、どのようにして描いたのですか?
ソフトを使って描きました。普段から、ソフトを使ってデザインをしています。

――デザインをしていて楽しいですか?
昔から絵を描くのが好きで、遊び感覚でやっているので楽しいです!

きものコンペを取材して感じたこと

きものコンペの取材を通して、きもの・帯のデザインの多彩さや表現方法など面白い視点を知ることができ、楽しかったです!また、着物=古風というイメージが打破され、自由なデザインが溢れる展示会でした。

筆者自身、これまできものの着付けを習うほか、様々な角度からきものに触れてきたため、着る機会は多いのですが、入賞作品や審査会の様子を拝見したことで、きものを楽しみたいという思いがまた一段と強くなりました!

きものコンペの授賞式は、3月28日(木)14時から京都産業会館ホールで行われ、職人さんたちの手によって製品化された最優秀賞作品が披露されるほか、各賞の授賞式、市長賞のきもの実制作工程紹介などが行われます。また、京都市長賞の実制作品は、ホテルグランヴィア京都にて3月29日(金)~4月3日(水)まで展示される予定です。そちらも取材しますので、お楽しみにしてください!

きものコンペについて詳しくはこちらをご覧ください↓
https://design.kyoto/KIMONO/kimono_2023/index.html

(取材・文 京都女子大学 現代社会学部 菅尾彩夏)
(取材・文 大谷大学 文学部 清水愛結)
(取材・ 同志社大学文学部 井本真悠子)

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