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京都のサイエンスな顔を見てみよう!〈最終回〉高性能翻訳アプリに超リアル立体映像!<span>―NICTユニバーサルコミュニケーション研究所編―</span>

観光だけではない、京都のサイエンスな顔をお見せするために取材に向かった「けいはんな学研都市」。

第1話では脳の研究、第2話ではアンドロイド・ERICA(※1)をご紹介しました。この最終回では、多言語翻訳やネット情報の分析、立体映像などの研究施設「NICT(情報通信研究機構)ユニバーサルコミュニケーション研究所」をご紹介します。
(※1  ERICAは、JST戦略的創造研究推進事業のERATO石黒共生ヒューマンロボットインストラクションプロジェクトにより開発されたものです)

東京オリンピックでも!?手軽に使える多言語翻訳アプリ

図2
最初にご紹介するのは、多言語音声翻訳技術。しゃべった言葉を選んだ言語に翻訳する技術です。これがスマートフォンのアプリでも使えるというのだから驚きです。

図3
スマートフォンでも簡単にダウンロードできる多言語音声アプリ「VoiceTra4U」。世界人口の95%に対応出来るほど、いろんな言語が入っています。アプリを開いたら、何語から何語に翻訳するかを決めましょう。

図4VoiceTra4U

 

図5編集

そしてマイクに向かって喋ると、設定した言語に翻訳してくれます!

上の図の①に、自分がアプリに向かって話した内容が表示されます。②はそれがベトナム語に翻訳されたもの。ここまでは従来の翻訳アプリと同じなのですが、③で「相手に自分の言った内容がどう伝わっているのか」という、“翻訳の翻訳”が表示されるのが特徴。

しかもこのアプリ、他社の翻訳アプリより翻訳ミスが少ないという調査結果が出ているそうです!2020年の東京オリンピックにも向けて、ショッピング・交通・医療などの場面で使えるよう、研究はつづいています。

私もダウンロードして使ってみたのですが、いろんな言語の勉強が楽しくなりそうです!
※「VoiceTra4U」は、2015年10月22日(木)に新バージョンが公開されました。固有名詞や固有表現が充実し、翻訳精度と操作性が向上したようです。

図6

http://voicetra.nict.go.jp/vt/

溢れるネット情報を整理する優れたシステム。災害時の情報共有にも!

図7
次に、紹介するのは情報分析システム。

図8
上の写真のモニターに映し出されているのが、規模情報分析システム「WISDOM X」です。
「京都で何がおいしいですか?」など、質問文で検索できることが大きな特徴。普通の検索サイトと違って、似た結果はまとめられていることもうれしいポイントです。

このシステムの研究では、権威のある意見を集めることではなく、多様な観点を知ること・想像できないような答えを見つけることを目標にされているそうです。

図9
そして今度は、対災害SNS情報分析システムの「DISAANA」。

WISDOM Xと似ていますが、災害に関する質問の答えをTwitterから拾ってくるところが特徴です。「炊き出しの場所」などを検索すると地図でも表示してくれて便利!
情報があいまいになりがちなSNSが対象なので情報が矛盾してしまうこともありますが、そういった問題にも対応しているそうです。

3Dメガネいらず!360°どの方向からでも見られる立体映像。

図10
最後は、超臨場感映像研究室についてご紹介します!

映像を二次元だけでなく、三次元のデータとして送り合おうという研究です。

立体映像と言えば、最近では専用メガネで楽しむ3D映画でしょうか。ここではそんなメガネ無しで、周囲360°の立体映像を見られるような「fVisiOn(エフ・ビジョン)」と呼ばれる研究を行っています。

図11
表面がガラスの机に映し出された立体映像がこちら!机の一部が明るくなり、車が浮かび上がりました。机に映像を表示するための装置が埋め込まれているので、机の上に飛び出して見えるという仕組みだそうです。

ところで奥に鏡がありますよね。なんだか不思議じゃないですか?
通常の3D映像は鏡に映らないのですが、この装置の映像はものがある光の状態を再現しているので、鏡に映るのです。自然すぎて、言われるまで気がつきませんでしたがスゴイ技術ですよね。

図12
写真のこの円錐型のものが実はスクリーン。机の下にこれが入っています。

釣り糸を巻いてつくられており、約2日費やしたそうです。研究者の方も「これをつくるのが1番大変だった」とおっしゃっていました。
こういった映像技術が発達することによって、離れた場所でも同じ立体映像の情報を共有しコミュニケーションをとることができます。

将来的にはネットショッピングの商品を実物大の立体映像で見たり、ライブ会場でどこから見ても3Dの映像を楽しめるようになるかもしれませんね。

私たちの日常を変える、世界規模の研究を覗いてみませんか?

NICTの最新の研究、いかがだったでしょうか?

一見難しそうに感じられるかもしれませんが、私たちの身近なところで役立つ研究がなされています。

立体映像の研究が進めば、SF映画の中でしかありえないと思っていたことが現実になる日も遠くないかもしれないと感じました。
最後にお知らせ!

図13
『けいはんな情報通信フェア』

【日時】10月29日(木)~31日(土)

【場所】けいはんなプラザ / NICT / ATR

※ 入場無料・申し込み不要

【内容】

私たちが訪れたATRやNICT、そしてけいはんなプラザにおいて、最新の研究成果を紹介するイベントが開催されます。今回ご紹介したNICTの研究をはじめ、多くのデモンストレーションが用意されています。普段、簡単に入れない研究機関をこの機会に覗いてみてはいかがでしょうか?

私たちの生活がこれからどう便利になっていくのか、考えてみるのも面白いかもしれませんね。先端技術に触れるチャンスですよ!

(文:龍谷大学 文学部 北川優梨)
(写真:精華大学 ポピュラーカルチャー学部 米田真理子)

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