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京都のサイエンスな顔を見てみよう!第1話 けいはんな学研都市を取材-ATR脳活動イメージングセンタ編―

皆さん、「けいはんな学研都市」って聞いたことありますか?

京都・大阪・奈良の三府県(それぞれ1文字とって京阪奈=けいはんな)にまたがって、緑豊かな丘陵に立地する研究施設がたくさん集まった街のことです。

寺社仏閣などの観光地があることで有名な京都ですが、それだけではないんです。
今回の取材の目的は、皆さんに京都のサイエンスな顔をお見せすること。

株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)と国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
にお邪魔し、最新の研究を見せていただきました。

ATRは脳情報通信やロボットの研究、NICTは情報分析システムや立体映像技術などを研究している施設です。どちらも世界レベルの先端技術を研究しており、既に身近なところで活用されているものもあります。

第1話と第2話でATR、第3話でNICTをご紹介します!

取材チーム、いざ京都のサイエンスシティへ!


京都駅(近鉄急行・橿原神宮前行き)→新祝園駅(約30分)
新祝園駅からはバスに乗り込み、「ATR」に向かいます。
新祝園→ATR前(約12分)

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到着。

さっそく、ATRの建物内へ。


世界に誇る成果をあげた研究者に贈られる、ATRフェローという称号をもらった研究者たちの掲示板。


ここにバラエティ番組『マツコとマツコ』のマツコロイドでおなじみ、石黒浩・大阪大学教授の写真が!そうです。今回は石黒教授の、アンドロイドの研究も見せていただきます。第二話でご紹介しますので、お楽しみに!

世界中から研究者が集まるATRってどんなところ?


ATRでは、ヨーロッパ・アジア・北米など世界中の研究者を集めて、世界レベルの先端技術を研究しています。一見難しそうに聞こえるかもしれませんが、研究の最終着地点は医療や日常生活の改善。これらの研究によって日常生活でも役立つ技術がたくさん生み出されているのです。

例えば脳で車イスをコントロールする研究。

これは手足が不自由な方や介護者の付き添いが必要な方でも自由にショッピングなどができるように、脳の情報、つまり人間の意図をくみ取って、その通りに動く車イスを作ろうという試みです。

 

知らない間に病気を治すこともできる?脳活動イメージングセンタの研究


はじめに訪れたのはATRの子会社であるATR-Promotionsにある「脳活動イメージングセンタ」(通称:BAIC)。ここでは脳がどのように活動しているのか、外部からの刺激が与えられたときに脳がどう変化するのかということを研究するための装置利用の支援をしています。

写真のこの機械は「fMRI」とよばれるもの。このドーナツ状の機械の中に入った被験者に写真や映像を見てもらったり、音楽を聴いてもらったりしながら脳の血流の動きを見るそうです。

では、これらの機械を使って具体的にどんな研究をしているのでしょうか。

 

これは、じゃんけんロボットの研究です。

被験者がグー・チョキ・パーの動きをすると、ロボットも少し遅れてその動きを真似します。被験者の脳の活動のパターンを分析して、それに基づきロボットを動かすことができるそう。これはホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパンとATRが共同で研究開発した成果で、現在盛んに行なわれているブレイン・マシン・インタフェース研究の先駆けとも言える成果だそうです。


これは、視覚野の分析。

文字を見せたとき、脳の活動情報からその文字をどれだけ再現できるか?という実験です。画面右側に文字らしいものが浮き出ていますね! 脳の動きを調べることで、実際に目で見ている文字がわかるんです! この研究の延長で夢の解読研究も進んでいるとのこと。

ところで、画面右上の「デコーディング」ってなんでしょう?


デコーディングとは、簡単に言うと脳の活動から情報を読み取ること。じゃんけんロボットや目で見ている文字の再現も、手を動かしたときや物を見たときに脳がどのように活動しているか、その活動情報を読み取ることで可能になるそうです。

わかったようなわからんような。この研究は、いったい、何に役立つのか…。
と思ってしまいますが、どうやらこの方法で病気を治せるかもしれないそうです!

それはどうして?


正木さん:「痛い!というとき、脳のどこかが活動しているのです。その活動を鎮めてやることができれば、痛みはそのうち自己的に治まっていくのではないかと考えている研究者がいます。脳の活動を見ることによって、痛みを和らげさせるように脳の回路を持っていく。うつ病などの精神疾患も、脳を分析して回路をかえてやれば、いずれ本人も意識していない間に病気を緩和することができるかもしれません。ATRで行なわれているそういう研究を我々はお手伝いしているのです。」

 

広報部員:「知らない間に治っているということですか?」

 

正木さん:「そのための検証が続けられています。実現したら素晴らしいでしょう?」

 

素晴らしいです!

うまくいけば、薬の量を減らして治療できるようになるかもしれません。もしかしたら、不治の病と呼ばれるものだって、この研究が進んでいけば治すことができるかもしれないですよね。

ATR内で行っている脳の研究は、外部の研究機関にも使っていただこうと、研究の相談やMRIの測定、分析までを一緒にやっていくような体制を整えているそうです。これまでも京都大学・大阪大学・早稲田大学・東京工業大学などの研究を実施した実績があるとのこと。京都の大学の研究者も利用しているんですね。

みなさんも研究を体験できるチャンス!『けいはんな情報通信フェア』へ行こう!

けいはんな、ATRの紹介、いかがでしたでしょうか?
正直こういった小難しい先端技術のことは、理系の人にしか関係ないと思っていましたが、実は医療に役立っていたり、私たちの普段の生活にも繋がっていたりするということがわかりました。京都にこんな世界レベルの先端技術を研究する施設があったなんて驚きです。皆さんにも京都のサイエンスな一面を知っていただけたら幸いです。

そこで!

『けいはんな情報通信フェア』

【日時】10月29日(木)~31日(土)

【場所】けいはんなプラザ / NICT / ATR

※ 入場無料・申し込み不要

【内容】

私たちが訪れたATRやNICT、そしてけいはんなプラザにおいて、最新の研究成果を紹介するイベントが開催されます。今回ご紹介した脳の研究をはじめ、多くのデモンストレーションが用意されています。普段、簡単に入れない研究機関をこの機会に覗いてみてはいかがでしょうか?子どもたち向けのイベントもあるので、たくさんの方にお楽しみいただけると思います。

私たちの生活がこれからどう便利になっていくのか、考えてみるのも面白いかもしれませんね。先端技術に触れるチャンスですよ!

次回、第2話では『マツコロイド』でもお馴染みの石黒浩教授の「アンドロイドの研究」をご紹介します!

この美人の正体は…?

 

(文:龍谷大学 文学部 北川優梨)
(写真:京都精華大学 ポピュラーカルチャー学部 米田真理子)

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