若者が考えるデザインで新しい世界へ、きものコンペ授賞式を取材!
2024年3月28日、「THE COMPE きものと帯」(通称:きものコンペ)の授賞式が京都産業会館ホール(京都経済センター2階)にて行われました。
きものコンペは、京都の基幹産業である和装の振興とともに、デザインや「きもの・帯」の制作に携わる人材育成と「大学のまち京都・学生のまち京都」の推進に寄与することを目的として行われました。京都市内にキャンパスを置く学校に通う学生が、きものや帯のデザイン画を考えて応募することができます。
この記事では、授賞式の様子や受賞者のインタビューを紹介します。
きものコンペの審査会、授賞式の記事はこちらから
もくじ
授賞式の会場へ!
会場ではきものを着た受賞者や来賓の方々が参列されていて、緊張感もあり華やかな雰囲気でした。また、京都市長賞を受賞したデザインをもとに、副賞として同作品を製品化したきものが展示されていました。
「京都でしかできないコンペ」
授賞式では、京都産業会館理事長のご挨拶、来賓のご紹介のあと、入賞者の表彰が行われました。
次に森口邦彦実行委員長より、講評がありました。森口氏はきものコンペの開催経緯について、「若者が生み出す新しいアイデアがきものや帯の世界に刺激を与えると考え、京都でしかできないコンペを行いたいという思いがあった」と述べられました。
また作品については「夢のあるデザインが多かった」と評価され、「若い人には新しい表現にチャレンジしてほしい」と話されました。
その後、京都市産業観光局長の祝辞、きものの実制作工程が紹介されました。
受賞者にインタビュー
授賞式の終了後には和やかな雰囲気の中、審査員と受賞者の交流会が開かれました。
交流会で、最優秀賞である京都市長賞を受賞された井上仁唯奈(いのうえ にいな)さんにお話を伺いましたので紹介します。
――授賞式を終えられた感想を聞かせてください。
とても緊張しましたが、審査員の方々から応援のお言葉をいただき、嬉しく思います。
――完成した作品を見てどのように感じられましたか?
職人さんともお会いし、制作過程も見せていただきました。制作中は、自分が考えたデザインが実際に形になると思うと不思議な気持ちでした。
――職人さんと相談しながら制作されたのですね。
はい。職人さんがデザインを見て光沢のある生地を選んでくださるなど、一から制作していただきました。また、実際にきものを着るとき帯の下になる部分は隠れるので、模様の位置を調整しました。
来年もこのコンペに挑戦したいです!
作品を近くで見ると、遠くからは見えなかった金の糸が組み込まれており、繊細な生地だと気付きました。緑と紫のグラデーションは、作品名にある「Orbit(軌道)」の世界観が感じられ、きれいでした。また、線の流れが美しくバランスが考えられていると思いました。
実際に着たときに、曲線がどの様に見えるのか、とても興味が湧きました。
さいごに
森口委員長がお話しされていたように、このきものコンペは「大学のまち京都・学生のまち京都」ならではだと感じました。
また、この取材を通してさらにきものを着る機会を持ち、和装文化を楽しみたいと思いました。みなさんも、これを機会にきものなどの和装文化に親しみを持っていただけたら幸いです。
お読みいただきありがとうございました。
(同志社大学 文学部 井本真悠子)