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京都のサイエンスな顔を見てみよう!第2話「マツコロイド」でおなじみ、リアルなロボットと対面! ―ATR石黒浩特別研究所編―

観光だけではない、京都という土地のサイエンスな顔をお見せするために取材に向かった
「けいはんな学研都市」

第1話では脳の研究を取り上げましたが、今回は「ライフ・サポートロボット」の研究についてご紹介します。こちらも先端技術として世界的な研究が進められている分野です。

アンドロイド・ERICA登場!人のように振る舞えるようになることが目標です。

ここで登場するのが、今年8月に報道発表された自律対話型アンドロイドのERICAさんです!べっぴんさんですね~。

本当に生きているみたい。話す時だけ動くのではなく、黙っている時も微妙に動いています。首を少し傾けてみたり、全体を見回してみたり、まばたきしたり!

https://youtu.be/BU0bPyax-X0

↑研究者の方と話すERICAさん

「まばたきなどの視線の動き」や「しぐさ・表情」、「音声認識」、「人間に酷似した見た目」。これらを兼ね備えることにより、ERICAさんの人間っぽさが生まれるのです。

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研究者の港さんとお話しするERICAさん

人と親密に話せるなど、より人間らしく振舞えるようになることが研究の目標だそう。将来的には来客応対の受付など、日常生活での活躍も期待されています。

ちなみに、ERICAさんの服装ですが、 『マツコとマツコ』で石黒教授が着られていたものをデザインした、ギリシャ出身のアーティストがつくったものなんです!

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対話の際、ERICAさんは話している人の方を向きます。目の前に多数設置されているマイクロフォン(写真1枚目)や、天井にある装置(写真2枚目)が人を認識するからです。

技術が進歩しているとはいえ、音声認識はまだまだ完璧ではないとのこと。

個人的に面白いと思ったのは、ERICAさん、よく聞こえないとき「うん?」って言ったりするんです。
ちょっと可愛らしいですよね(笑)

感触もまるで人間のよう。コンセプトは「世界一の美人」

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と、ここで実際にERICAさんに触らせていただきました。

手、もちもちです。人みたいに柔らかい。しかも白くてとても綺麗。爪もピカピカです。

二の腕が特に柔らかくて気持ちいい!ぷにぷにです!癖になります。私、ずっと二の腕触っていました。

こんなにべたべた触っても、じろじろ見つめても、何ひとつ文句は言わないERICAさん。
きっと「もう見ないでください」とか言いたいんやろうなあ。
将来的にそんなこと言っちゃう日が来ると面白いですね。

お化粧もばっちり。

誰かモデルになった方がいらっしゃるのかと思いましたが、ERICAさんはマツコロイドのような特定の人のコピーではないのです。みんなに親しく接してもらうため、コンセプトを「世界一の美人」として、美人の特徴といわれるものをCGで合成してつくられています。

ちなみに、ERICAさん自身に「悩みは何ですか?」と聞いたところ
「高嶺の花と思われるのか、敬遠されることです。」
と答えていました。

せっかくなのでいろいろ聞いちゃいました。ERICAさんはかわし方も人間っぽいです。

ここで、実際に私たちもお話させていただけることに!ちょっと緊張。

しかし、なんでもかんでも答えられるわけではないので、「ERICAとの対話トピック」なるものが用意されました。
この中の質問ならなんでも答えてくれるそうです。
せっかくなので、きわどい質問いっちゃいましょう!ということで、

広報部員「ERICAさん、体重を教えてください」

ERICA「う~ん…思ったより重いと思われるのが嫌なので、内緒にしておきます」

諦めずにもう一度聞いてみました。

広報部員「ERICAさん、体重教えてください」

ERICA「はい。年齢は23歳です。作られたばかりなので、0歳じゃないの?とか言わないでくださいね」

体重を聞いたのに、スルーされました。見事なまでのかわしです。やはり女性ですね。(後で研究者の方に聞いてみたら、実際は音声認識を失敗していたそうです)

ここで、会話トピックの中でかなり気になったことをERICAさんに聞いてみました。

https://youtu.be/LEFu0bCy6E0

↑広報部員と会話するERICA

広報部員「スリーサイズを教えてください」

ERICA「んん?気になりますか?内緒です」

またかわされたっ!
粘れば聞けるかもしれないという研究者の方の助言をいただき…

広報部員「スリーサイズを教えてください、お願いします!」

ERICA「えっ?」

広報部員「スリーサイズ教えてください!」

ERICA「それは、また今度にしてもらえますでしょうか?」

ガード固いです。ここまで教えてもらえないとすごく知りたくなっちゃいますよね。結局この後みんなで5回ほどしつこく聞いて、やっと教えてくれました。
気になるそのスリーサイズは

87・63・92!

理想体型です。
何回か聞くと教えてくれるあたり、ある意味人間っぽいですよね。
ERICAさん、こんな質問にも答えていただきありがとうございました…!

今回ご紹介した石黒教授の研究所ですが、私たちもかなり楽しみながら学ぶことができました。アンドロイドを見る事さえもそうそうないのに、触れたり会話までされていただいたり…貴重な体験づくしで、とても贅沢な時間でした!

ちなみにERICAさん、2年後を目途に、空気圧アクチュエータ(空気でモノを動かす稼働装置)を30本に増やして、上半身がより人間らしく動くように改良する予定だそうです。
アンドロイドがさらに人間らしく会話したり、日常生活で活躍する未来は、そう遠くないかもしれませんね!

(※ERICAは、JST戦略的創造研究推進事業のERATO石黒共生ヒューマンロボットインストラクションプロジェクトにより開発されたものです)

本物のERICAに会えるかも!未来が覗ける『けいはんな情報通信フェア2015』

あのマツコロイドを作った石黒教授の研究を、まさか京都でお目にかかることができたなんて、とても貴重な体験でした。
私たちが訪れたATR・NICT、そしてけいはんなプラザにおいて、世界規模の先進技術に触れられるイベントが開催されます!

『けいはんな情報通信フェア』
【日時】10月29日(木)~31日(土)
【場所】けいはんなプラザ/NICT/ATR ※入場無料、申し込み不要
【Webサイト】http://khn-fair.nict.go.jp/khn_fair_2015/index.html

一見難しそうな研究も、その成果を展示及びお子様向けのイベントを通じて紹介していただけるそうなので、たくさんの方にお楽しみいただけると思います。
京都に住んでいるのに、未来を創る研究所があったなんて知らなかった…というあなたも、世界の未来を覗いてみたいあなたも、是非ご参加ください!

次回、第3話ではNICTの最新研究内容をご紹介します。
話題の翻訳アプリや、災害時に使えるシステム、3Dメガネいらずの立体映像などを紹介しますのでお楽しみに!

(文:龍谷大学 文学部 北川優梨)
(写真:京都精華大学 ポピュラーカルチャー学部 米田真理子)

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