【絶景】祇園祭•山鉾巡行を京都市役所の屋上から観たら、驚きの景色が広がっていた
夏の京都で一番熱いイベントといえば、祇園祭。
その中でも、山鉾が市内中心部を進む「山鉾巡行」は最大の見どころになっています。
2024年に開催された祇園祭では、そんな山鉾巡行を京都市役所の屋上から観覧するという取り組みが試験的に行われていました。
一体どんなようすだったんでしょうか?
もくじ
山鉾巡行って?
山鉾巡行は、祇園祭の中で、7月17日の前祭(さきまつり)と24日の後祭(あとまつり)に合わせて開催されるものです。この2日間では、八坂神社の3基の神輿と34基の山鉾が京都の街を進みます。
前祭では、地図上の赤いルートに沿って山鉾が進んでいきます。
そして、交差点で方向転換するときには「辻回し」を行います。
山鉾は前にしか進めないので、写真のように前輪の下に竹を敷き、その上を滑らせるようにして横から引っ張ることで向きを変えるんです。
山鉾の上に乗る音頭取りの合図で、曳き手が力一杯に引っ張る姿は圧巻で、辻回しが終わると観客から拍手が起こります。
河原町通を直進し、御池通に曲がるときには、京都市役所が面する河原町御池の交差点で辻回しを行います。
普段は多くの車が行き交う河原町御池の交差点を封鎖し、沿道が観客で埋め尽くされた中を、23基の山鉾が進みます。
今回京都市が企画したイベントは、前祭の山鉾巡行に合わせて開催されました。
普段は市民の憩いの場になっている市役所の屋上庭園が、このときは観覧席に様変わりしました。交差点を見下ろせる絶好のロケーションで、迫力ある辻回しを見ることができます。
実は誰でも入れる、屋上庭園
そもそも、市役所の屋上なんて入れるの?と思われた方もいるかもしれません。
実は、京都市では市民の憩いの場になるように、屋上を庭園として整備して開放しているんです。
以前は、安全面から山鉾巡行の時期には閉鎖していましたが、屋上庭園をもっと多くの方に知ってもらいたいということで、今回試験的に解放してイベントを開催したそうです。
屋上庭園のほか、庁舎の中にもフリースペースとして開放されているスペースがあり、市民の方が自由にくつろげるようになっていました。
いざ、巡行スタート!
私たち広報部員4名も、屋上から山鉾巡行を鑑賞しました。屋上へ入ってみると想像以上の広さにびっくり。こんな場所があるなんて知りませんでした。今回のイベントの参加者は100名ほど。彼らは高い倍率の抽選で選ばれし強運の持ち主です。
山鉾巡行が始まるまでは、辻回しを観るベストポジションを求めて広い屋上を探索します。
みんな手すりにつかまって、今か今かと山鉾の到着を待ちます。
そうこうしているうちに囃子の音が聞こえ始めました。そして数分後、ついに山鉾の到着です!
山鉾の煌びやかさはもちろんですが、それを動かす人の多さに圧倒されました。多いものだと、1つの鉾で40人以上が曳いていることも。京都の伝統行事に携わる人々の想いが伝わってきますね。
観覧客を見渡すと、それほど日本人の姿が見当たりません。海外からの観光客が多い印象です。また、祇園祭に行った友人の話を聞いても、宵山の露店には行った人は多いけれど、山鉾巡行の話題が上がることは一度もありませんでした。
しかし、山鉾巡行には重要な役割があるんです。
前祭で行う山鉾巡行は、町中の穢れを祓い、八坂神社の神様を神輿で町にお迎えするというもの。そして後祭での山鉾巡行では、再度穢れを祓い神様を八坂神社にお返しするという役割です。
と言いながら、私もこの記事を執筆するまでは全く知りませんでした(笑)。しかし、祭りを行う意図や想いを知ることで、その伝統行事により愛着を感じられた気がします!
さいごに
今回、祇園祭・山鉾巡行の一番の見どころである辻回しを、特等席で鑑賞することができました。
「市民の方に使っていただくことによって、庁舎の本当の価値が出てくる。親しんでもらえる開かれた庁舎でありたい」
京都市・庁舎管理課の片木課長は、このように話してくれました。
きれいに整備され、屋上庭園以外にも魅力がたくさん詰まっている市役所庁舎に、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
また、今後は祇園祭以外のイベントでも屋上庭園を活用するかもしれないとのことなので、それも楽しみにしたいと思います!
祇園祭の楽しみ方を紹介した記事はこちら!
祇園祭と同じく京都三大祭の一つ、時代祭に関する記事はこちら!
文・写真:同志社大学法学部 足立隼太郎
文:同志社大学法学部 原田愛菜
取材:京都女子大学文学部 吉田妃那
取材:佛教大学歴史学部 直江和宣