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しぶしぶ来た京都

母の一言

私が初めて京都に来たのは、家族旅行でしぶしぶ連れて来られた小学生の時でした。
「ディズニーランドしか行きたくない!!」と当時駄々をこねまくってた私ですが、母の「1人で留守番したいの?」という鶴の一声で“しょうがなく” ついていったことを覚えています。

幼いころから父の影響で大河ドラマや歴史番組を見ていたので、京都に対しての知識は少しだけ持っていた私。
テレビで見たことのある銀閣寺、私の知っているお城とは形が違う二条城、普通の街並みの中にそびえ立つ洋館。
目を惹くものが密集していて、テーマパークのような非日常的な空間に心を奪われるまで時間はかかりませんでした。

中学生の時に、森見登美彦さんの小説でその洋館が「東華菜館」という中華料理店であることを知り、くまがい杏子さんのマンガ「あやかし緋扇(ひせん)」を読んで京都にお気に入りの場所ができ、ガイドブックでおいしそうなものを眺め、高校の部活では茶の世界に浸りました。

都会、こわい

さて、中高生の間に見事に“京都好き”ができあがった私。
念願の京都で過ごした1年を振り返ってみると、正直全く京都を楽しめていないことに気がつきました。
まず田舎者の私は京都という都会の暮らしに慣れるのにえらく時間がかかりました。
「先に来た電車に乗れば先に目的地に着くだろ」理論が通用しないなど、今でも悩まされることがあります。

それに加えて初めての一人暮らしはというと、いつまでも寝ていられるし、こわいもの見たさにへんてこりんな料理を作っても誰にも怒られないのでパラダイス!
料理に睡眠、課題にドラマに友達との長電話……。
いろんなことに没頭している間に「月2で行きたいとこ行くぞ!」と初期に立てていた計画はあっけなく崩れてしまいました。

日常と非日常

じゃあ1人で引きこもって無意味に過ごしてるんか?と聞かれるとそうとも言えないのが京都のすごいところ。
地元ではなかなかお目にかかれない立派なお寺や神社を横目にスーパーへ行き、10年前テーマパークの一部だと思った東華菜館のそばを通って河原町までおでかけします。

さらに、紅葉が見ごろの季節に「大学の授業」で清水寺を何回も散策することができました。
このように、テレビや小説の中だけの世界だった京都が自分の徒歩圏内、それも日常の中にあるんです。
そんな訳で、すっかりあの時の新鮮なキラキラした目はどこかにいってしまいました。


(早起きできた日には人っ子ひとりいない清水寺界隈を我が物顔で散策できちゃったりもします。)

そんなキラキラおめめが復活するのは友達と旅するとき。
移動距離も交通費も時間もたいしてかかってないのに、友達と嵐山や二条城などの観光 スポットやおしゃれなカフェで楽しむ時間は、旅行しているような気分になります。

特に地元の友達が京都へ遊びに来てくれたときは
「これ知ってる知ってる!!」「あー!ここらへん修学旅行で来た!!」とおしゃべりするので気持ちは“京都で暮らす学生”から一気に“観光客”へ。友達と歩くとその景色は一変します。

普段「今日はシャケ買って、焼きそばがいくらか確認して……」など考え事をしながら歩いているため見落としていたかわいいお店を、友達と散策すると見つけたりするんですよね。

京都で生活するということ

このように1年間ぼけーっと生活してきたわけですが、私にとって京都という土地は
“日常でもあり、非日常を味わうことができるテーマパークでもある”そんな場所です。
目的地までの道のりを変えるだけで、テレビで見たことのあるお店や歴史を感じる荘厳な建物、おいしそうな香りのする料理屋さんと簡単に出会うことができます。

贅沢にも“我が物顔で清水寺を散策できる”と書きましたが、そんな妄想テーマパークの中に住める学生生活ももうすぐ折り返し。
今年こそついつい怠けちゃうからだに鞭打って、少し範囲を広げて徒歩観光から
バスや電車を使った新しい京都のお気に入りスポットを探す旅に出かけたいと思っています。

テーマパークを日常に。
こんな京都での大学生活、みなさんもいかがでしょうか?

京都を深く知った森見登美彦さんのインタビュー記事はコチラ


私の好きなカフェのひとつ喫茶ソワレの記事はコチラ

京都女子大学 文学部 浅田奈和香

 

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