京都学生広報部員が芸人・おいでやす小田に京都愛をぶつけてみた
9月下旬。
心地のいい木漏れ日が差し込む無鄰菴で、京都にゆかりのある芸人・おいでやす小田さんと、京都に恋焦がれている京都学生広報部員が京都の魅力について語り合いました。
今回の対談は11月22日に本公演を迎える、京都学生広報部presents「祇園花月大学~秋のオープンキャンパス」というイベントにおいでやす小田さんが出演されるというご縁から実現したものです。
普段はいじられキャラで、切れ味のいいツッコミをされるおいでやす小田さんですが、今回は地元・京都について語るということでまじめな一面も垣間見えました。
はじめに、おいでやす小田さんのプロフィールをご紹介します。
プロフィール
<おいでやす小田さん>
吉本興業所属で、R-1ぐらんぷり決勝常連。今大注目の芸人さんです。
<京都学生広報部員・阿部拓海さん>
そして対談相手として白羽の矢が立った、京都に恋焦がれている京都学生広報部員の阿部さんは福島県出身。
中学校の修学旅行で京都に来た時から大学4回生となった今でも京都の街に魅了され続けています。
阿部さんの「京都に来た理由」について詳しく知りたい方はこちらから。
「修学旅行で京都に恋をした」
https://kotocollege.jp/archives/8913
※以下敬称略
もくじ
京都について語る前に…!
おいでやす小田:
どうして今回、阿部さんが対談相手に選ばれたのですか?
阿部:
僕の京都好きはたくさんの京都学生広報部員が知っているので、京都府文化観光大使にも任命されているおいでやす小田さんと、僕が語り合えば面白いんじゃないかと他の部員から今回の企画が提案されました!実は僕、京都検定3級を持っているんです!
おいでやす小田:
へぇ~!それはすごいですね!
京都検定って、例えばどんな問題が出題されるんですか?
阿部:
京都のことについて、幅広く出題されます。
ここ、無鄰菴に関する問題だと、「無鄰菴の持ち主は誰か?」とか、「無鄰菴の庭を作庭したのは誰か?」とか。
おいでやす小田:
結構マニアックな問題ですね。僕でも答えられるかあやしいです……。
阿部さんの語る京都への恋心。受け止めていけるかなぁ(笑)。
京都だからこそ一味違う夏の風物詩・祇園祭
阿部:
京都には僕の好きなものがたくさんありますが、その中でも特に祇園祭が好きで、京都に来てからは毎年祇園祭を見に行っています。
一人で訪れて、歩きながら気ままに写真を撮ることが多いです。
祭りや鉾の魅力を友達に伝えながら、隅々まで回ったこともあります。時にはあまりに熱中しすぎて友達とはぐれてしまったことも……。特にお気に入りなのは、傘の形をした綾傘鉾 (あやかさほこ)と、棒振り(赤い髪に白布で顔を覆い、150㎝ほどの長い棒を太鼓や笛に合わせて回し踊る者のこと)です。
おいでやす小田さんは学生時代、祇園祭には行かれていましたか?
おいでやす小田:
僕は南禅寺近くの湯豆腐屋と、木屋町の和食屋でのアルバイトを掛け持ちしていたので、忙しくてなかなか実際に楽しむことはできなかったのですが、近くを通ることはよくありました。それこそ毎年行われているので、当時は日常的なものだと思っておりあまり価値に気づくこともなく……。
大阪に出てから、すごい祭りだったと改めて気づくことができました。
阿部:
そうなんですね。
僕は、祇園祭が好きすぎて、祇園祭を楽しむ側としてだけでなく何か祇園祭に還元したいと思い 、「祇園祭ごみゼロ大作戦」という環境保全活動にゴミ拾いのボランティアとして参加したこともあります。
こういった学生ボランティアも含め、若者の活気があふれているのも「学生のまち」京都ならではの魅力だと思います。
「学生のまち」京都だからできるもの
おいでやす小田:
僕は、芸人になるために大阪に出てから京都のお寺に行く機会が増えました。そこで、いままで当たり前だと思っていた日常はとても価値のあるものだったと気づいたんです。
学生時代、湯豆腐屋でアルバイトをしていた経験って、当時は何でもないことだと思っていたのですが、今思い返すと京都らしさあふれるすごい場所でのアルバイトだったと思っています。
阿部さんは何かアルバイトはされていますか?
阿部:
僕は清水寺前の八つ橋屋でアルバイトをしています。
おいでやす小田:
へぇ~!それもとても京都らしい・京都でしかできないアルバイトですね。
阿部:
そうなんです。何か京都らしいアルバイトをしたいと思って働き始めて、もう2年以上そこでのアルバイトを続けています。
忙しいですが、やりがいのある楽しい仕事です。
実家に帰るときには、よくお土産に八つ橋を買っていきます。
おいでやす小田:
八つ橋は京都で一番有名なお土産で王道ですけど、やっぱり一番よろこんでいただけますよね!
僕も京都土産としてメジャーなものを買っていきます。
内から感じる日常の京都
阿部:
京都の中で、お気に入りの場所はありますか。
おいでやす小田:
学生時代よく行っていたのは、鞍馬寺や鞍馬温泉です。
それからアルバイト先の近くにあった南禅寺もお気に入りです。
庭園や三門を拝観するなら拝観料が必要ですが、学生時代はお金がなかったので、広い境内を散策することで、南禅寺の雰囲気を満喫していました。
「京都」というと、世界的にも有名な観光スポットが多くあり、そちらに目がいきがちですが、実は穴場のスポットや無料で楽しめるスポットも数多くあるんです。
京都の大学生として過ごしながら、自分だけのお気に入りスポットを探していくのも、楽しいと思いますよ。
また寺社仏閣だけではなく歴史ある街並みを歩いているだけでも楽しいですよね。
京都は「街」全体が観光地でもあると思っています。
阿部さんは、どこがお気に入りですか?
阿部:
僕はやっぱり京都タワーですね!
旅行先や帰省から京都に戻ってきたときに京都タワーが見えると、「京都に戻ってきたな~」ってホッとするんですよ。
それに京都タワーに登れば京都市街が一望できて、京都観光の定番である寺社仏閣とはまた違った楽しみ方もできますし……。
おいでやす小田:
確かに京都タワーもいいですね!
阿部:
おいでやす小田さんは京都で生まれ育ったということですが、子供の頃の京都の思い出は何かありますか?
おいでやす小田:
実は父が山菜取りの名人だったのでつくしとかいろいろなものを山に採りに行っていました。
今でも印象に残っているのは、8歳の頃の銀杏取りに行った時のことです。
銀杏は大人になった今でこそ、その良さが理解できるんですが、小さな頃は独特の苦みが苦手で……。
ひどい嵐が来ているときに父に無理やり山まで連れていかれて、泣きながら袋に銀杏を詰めていました(笑)。
他にも、家のすぐ近くの木に、前の日の夜にはちみつを塗っておいて、クワガタやカブトムシをたくさん捕まえていました。
クワガタは捕まえるのが難しいんですけど、カブトムシは一回で20匹くらい捕まえたこともあります。
さらに6月になると上賀茂神社周辺の川辺では蛍が飛んでいるので、夏の初めになると見に行っていました。
阿部:
えっ!それは初めて知りました!蛍は今でも見られるんですか?
おいでやす小田:
もちろん見られますよ。今でもその時期に実家に帰ったときは見に行っています。
美しさを維持するために人間の手を加えながらも、自然と街が共存しているところも、京都ならではの魅力かもしれません。
京都=大好きなものを集めた「ジオラマの街」
阿部:
僕は京都の「街」そのものがとても好きなんです。自転車でどこにでも行ける気軽さがとても魅力だと思っています。
おいでやす小田:
わかります。京都は街そのものがいい意味でコンパクトですよね。
中心部に学校・観光スポット・繁華街を兼ね備えていながら、山が近くにあったりして自然を身近に感じることもできる。
阿部:
そうそう、そうなんです!
観光地として、日本中・世界中の観光客から人気がありながら、住みやすい街でもあるのは京都ならではだと思います。
では、小田さんにとって特に魅力的な場所ってありますか?
おいでやす小田 :
鴨川かなぁ。すぐそばに繁華街の河原町がありながら、春には河川敷では美しい桜を眺められますよね。
昔から、京都の桜や紅葉は美しいと絶賛されていますが、実際に目にするとその言葉以上に魅力的なものだと思っています。
仕事柄、いろんな都市を訪れることが多いのですが、こんな街は日本中探しても京都だけです。
僕にとって京都は、自分の好きなところを集めた「ジオラマの街」みたいなものです。
だから僕は京都のことがとても好きなんだと思います。
さいごに
いかがでしたか?
京都の大学に通いはじめておよそ半年の私も、京都に愛のあるお二人の話を聞いて、京都の知られざる魅力を改めて知ることができました。また、行ってみたいスポットや、自転車を走らせながら見てみたい風景がたくさん増えました。
観光するもよし。暮らしてみるのもよし。
外から見ても内から見ても、魅力を兼ね備えている京都に、皆さんもぜひ一度足を運んでみてくださいね!
今回、お話を伺った、おいでやす小田さんが出演する
京都学生広報部presents「祇園花月大学~秋のオープンキャンパス」 は、
11月22日(金)開催です!ぜひよしもと祇園花月に足をお運びください!
また「コトカレ」では、プロジェクトの進捗状況を随時更新中です。
こちらもぜひチェックしてみてくださいね!
https://kotocollege.jp/archives/15370
今回の対談場所を提供いただいた無鄰菴についてはこちらの記事でご紹介しています。
「京都市キャンパス文化パートナーズ制度を使って、お得に京都の歴史を学ぼう!」
https://kotocollege.jp/archives/14935
無鄰菴の方式HPはこちらからどうぞ!
https://murin-an.jp/
(文章:京都女子大学 現代社会学部 高岡英里華)
(写真:立命館大学 文学部 山下杏子)
(取材協力:京都外国語大学 外国語学部 阿部拓海)
(取材場所:無鄰菴)