“いいグレーになろう!”「嘘八百 京町ロワイヤル」公開記念インタビュー
2018年、世間をあっとにぎわせたお宝エンターテインメント『嘘八百』が舞台を京都に変えて戻ってきた! 今回は映画公開記念ということで出演者の中井貴一さん、佐々木蔵之介さん、広末涼子さんに京都での思い出やキャラクターの魅力をたっぷりうかがいました。学生へ向けたメッセージもいただいたので、ぜひ最後まで見てくださいね。
『映画 嘘八百 京町ロワイヤル』って??
舞台は京都。目は利くけどさえないままの古美術商の小池則夫(中井貴一)と、腕は立つのに未だくすぶったままの陶芸家、野田佐輔(佐々木蔵之介)が“骨董コンビ”を組んで、父の形見を騙し取られた着物美人(広末涼子)を助けるため、大物相手に一発逆転の大勝負を仕掛ける!痛快・お宝コメディ!です。
なお、この映画のように、京都ではたくさんの映画のロケが行われており、なんと、学生でも、エキストラとして映画に出演することができます!私も参加したことがありますが、京都ならではで、とても貴重な体験でしたよ!
エキストラ募集の詳細は以下のページ(京都市ボランティア・エキストラ登録制度)から。
https://ja.kyoto.travel/support/extra/
もくじ
京都での撮影の思い出
――撮影期間は20日というタイトなスケジュールでしたが京都の印象や思い出のシーンは?
佐々木蔵之介さん(以下、佐々木):京都で時代劇の撮影は今までにもありましたが、現代劇は新鮮でした。エキストラの方がとても身近で、ちょっと忘れていた関西のノリも思い出しましたね。体で刻むような感覚の関西弁は、関西人と関西の土地でやるからこそできる芝居であって東京で撮影するのとは違ってきますね。あと改めて京都の冬はとにかく寒いです(笑)。
中井貴一さん(以下、中井):トイレもないような所での撮影にもなりましたが、向かいのお店の方のご厚意で暖をとらせていただいたり、トイレを拝借させていただいたり。ほぼ自主製作に近い映画の撮り方をさせていただいて(笑)。そういった撮影の日々が思い出です。『嘘八百』は関西ありきの映画ですね。
広末涼子さん(以下、広末):エキストラの方々がとても協力的で、「古美術 獺(かわうそ)」のある街並みも素敵でした。クライマックスの渉成園ではドタバタ劇を繰り広げていますが、落ち着いて見てみると、とても”和”を感じる空間で、京都らしさに溢れる印象深い場所でした。
広末さんが語る、主演バディの関係性、キャスト陣の魅力
広末:中井さんと佐々木さんは掛け合いがすごく自然で、息もぴったりなので、アドリブではないかと皆さんおっしゃいますが、ほぼないです。テンポ感やリズム感、スピーディーさがこのバディの魅力です。
でも坂田師匠(出演者の坂田利夫さん)がいらっしゃる場面はほぼアドリブです(笑)。
ここは「嘘八百」の役者人の見せどころで、どう進めていくか、結束力の強さが垣間見えるシーンになっています(笑)この臨場感が舞台に立っているような緊張感とおもしろさがあります。
中井:僕はいずれそこを(坂田師匠)を目指したい(笑)。
佐々木:坂田師匠こそがお宝でしたね!身近にいましたよ(笑)。
中高生・大学生に向けたメッセージ
――大人のイメージがある古美術を扱った作品ですが、中高生や大学生に向けてはどんなことを伝えたいですか?
佐々木:「大人だな」って思われるかもしれないけど、実際、劇中の骨董コンビはそんな大人に見えなくって、普段話していることすらも子供っぽい。こんな年になっても夢を見てくすぶり続けている、そういうおっさんたちを応援してほしいという反面、こうなっちゃいけないな!と教訓にしてほしいとも思う映画です(笑)。
中井:時代は少し違うけど僕自身も子供時代があって、中高生、大学生、社会人を経験して、価値観や考え方ってあまり変わらないなと。人間って核の部分が変わらないで成長していくもので、僕自身も夢を持って生きている。何かをやり続けていく中に夢が生まれてきたりする。この二人も実はずっと阿呆くさいことをやっているけど、やり続けているから夢が生まれている二人。
若い人は何かをすぐやめて次に行くことを繰り返す人も多いけど、続けていることの中に夢が生まれるから続けていってほしいな。
広末:中高生は子供ですが、大人と同じように考え、話ができる立場でもあります。ウチの長男が「これ面白いから見たほうがいいよ」と勧めてくれる、自分では選ばないような映画を見てみると、確かに面白いです。それと同じように、この「嘘八百」もきっと面白いと感じてくれると思います。ハリウッド映画みたいに宇宙を相手にするような壮大な物語ではありませんが、日本の喜劇やエンターテインメントだと思える作品です。「大人の映画」だと思わないで、ぜひ若い方にも見ていただきたいと思います。
中井:登場人物全員グレー。世の中ってほぼグレーで生きている人たちが多いからみんなでいいグレーになろう!!それが社会だって感じる映画です。
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