【歩くコミュ力】第15回京都学生祭典・実行委員長と井戸端会議【前編】
15回目の節目を迎える今年は、『京都学生祭典のキセキを感じる日』を本祭のテーマに、様々なジャンルで活動している学生たちが京都に集結し、祭典を創り上げます。
そんなわけで、今回は第15回京都学生祭典・実行委員長の喜馬 爽(きば さやか)さん、広報部の稲垣知沙(いながき ちさ)さんにお話を聞いてきました。京都学生祭典を「京都四大祭」に昇格(!?)させるという野望を抱く委員長は、別名「歩くコミュ力」だとか。彼女たちの人柄はもちろん、喜馬さんと私(池垣)が同い年ということもあってか、インタビューや対談というよりは井戸端会議のような雰囲気に(笑) 自慢のキレッキレのトークが炸裂します。
さらに今回は、京都学生祭典の紹介だけでなく、実行委員のお仕事内容や裏話、リーダーとして考えるあれこれについても掘り下げて質問。インタビューから垣間見える、喜馬さんの「リーダーとしての素質」にも注目です。将来イベントづくりをしたい人、何かのリーダーになりたい人にも大変おすすめの記事です! まずは前編、「京都学生祭典とは何ぞや?」について話します! どうぞ!
趣味は「おしゃべり」。どんな人とでもすぐに親しく接することの出来るコミュニケーション能力をお持ちの、笑顔がすてきな方です。
そもそも「京都学生祭典」って?
まずは、学生祭典を知らない人もいると思うんやけど――というか、わたしも今まであまり知らなくて、学生祭典について予習してきたんやけどね。一言でいうとどういうお祭りなんですか?
喜馬さん(以下「喜馬」):一言でいうと、「オール・京都」の祭り。京都の大学に通ってる学生が(お祭りを)創って、それをサポートしてくれるのが京都の地域、企業、行政、大学自体……「オール・京都で出来てまっせ★」っていう、「京都100%感」が強みなんです。
池垣:なるほど。ざっくりいうと、活動の大きな柱として本祭(今年度は10月8日(日)に岡崎プロムナード一帯で開催、昨年度の様子はこちら→https://kotocollege.jp/archives/3765)があって、その周囲に交流事業みたいなほかの活動があるんだよね?
喜馬:めっちゃ調べてる(笑) その通り。
池垣:今回は、その中でも今週末に控えてる本祭についての話を詳しく聞きたいんやけど、「本祭」=「京炎 そでふれ!のお祭り」なんですか?
喜馬:知名度が高いからおどり中心の祭りやと思われがちやけど、実はオールジャンルのお祭り。音楽コンテストの参加者からはメジャーデビューしたバンドも出てるし。例えば、Chicago Poodleは『名探偵コナン』の主題歌にも抜擢されたことがあって。
音楽コンテストの様子
池垣:ほんまに!? それと、びっくりしたのが、京都学生祭典が、さっき言ってた「京炎 そでふれ!」の生みの親やったこと。
喜馬:そうやねん! これは、第3回の時(12年前)に創られたおどりで、今までおどり継がれてる。
池垣:あと、会場がすごく広いのも特徴だよね。岡崎公園とか平安神宮の周辺一帯を貸し切り状態。これだけ広いと、来場者の規模がどれぐらいなのか気になる。
喜馬:去年の来場者が延べ12万人強で、大体毎年10万人以上は来てるかな。
池垣:1日で10万人か……! やっぱり人多いなって思う?
喜馬:うん、多いなって思う。学生祭典で一番注目されるのがグランドフィナーレなんやけど、盛り上がってる。「アツいな」っていうのが肌で感じられる。来場者カウンター、カチカチ押す人の指が止まらへんもん、指つっちゃいそう(笑) 今年は来場者15万人を目指してるんやけど、「いけるかな、きっといけるやろ!」って思ってる。
池垣:大丈夫、リーダーが信じれば、きっといけるよ(笑) さて、気を取り直して、学生祭典に毎年来てる人、今年初めて来る人それぞれに向けておすすめイベントを紹介してくれますか?
喜馬:目玉イベントはたくさんあるんやけど、毎年来てる人には「京炎みこし」をおすすめしたい! これが第5回(10年前)の京都学生祭典で作られて、神様じゃなくてみんなの思いが乗ってるって体なんやけど、私が今年、実行委員のなかで「京炎みこし」を専門的に担当する部署を新設して。このみこしが今年のオープニングとグランドフィナーレに出るんやけど、実はいろいろな「ワザ」を持ってる。
京炎みこし
池垣:えっ、みこしは誰が担ぐの?
喜馬:学生と、募集した有志の人たち。その人たちが、みこしを担いで「ワザ」を披露するのが「京炎みこし」。実は、このみこしは全部学生と職人さんが作ってるねん! この金属の取っ手みたいな形の鳴鐶(なりかん)も、今年、学生が職人さんと一から作った。
中央部の金属部分が「鳴鐶」。
池垣:鳴鐶、初めて見た……! みこし作りは私も興味がある。私が思ってたよりも、学園祭みたいなお祭りとは違って日本古来の「祭り」の文化に根差してる感じがするね。そういう点は意識してる?
喜馬:そうそう、いつかは、今ある「京都三大祭」(葵祭、祇園祭、時代祭)に京都学生祭典を加えて、「京都四大祭」にすることを目指してるからね。それを見据えて、今年のテーマは「学生文化を創り出す」っていうものになってる。すごくない? ほかの三大祭は京都市民みんなが中心になって伝承してきたものやけど、そのなかに一つだけ、大学生が主役の祭りがある。これって、学生のまち、京都ならではすぎない?
池垣:なるほど、学生が何かを創り出す、っていう大きなテーマのなかで、「京都の祭り」っていう文化をモチーフにしてるわけか。
喜馬:そう。多分、京都学生祭典自体もそういうきっかけで作られたんじゃないかな。でも、京都市民みんなに認められるような「四大祭」にしようと思ったら、あと100年は続けなあかんかな(笑)
池垣:じゃあ、今年初めての人には何を勧めたいですか?
喜馬:それはやっぱり「京炎 そでふれ!」と「音楽」かな! 「京炎 そでふれ!」は、振りつけも衣装も「ザ・京都!」って感じ。手に持ってる四竹(よつだけ)は、もともと沖縄の楽器やけど、京都の乙訓(おとくに)地域の竹を使ってる。
「京炎 そでふれ!」の様子。おどり手それぞれが手に持っているのが「四竹」。
「おどり」はもともと楽しいものやけど、学生祭典のおどり手は、すっごい楽しそうに踊るねん! 私も見たとき、本当に感動した。そして、音楽(コンテスト)は、来場者の方の多くがきっと興味のあるものやから、自信を持って勧められる。でも、企画ひとつひとつ全部がおすすめやからなあ。初めての人は、とにかく空気感を楽しんで、学生の熱気を味わってほしいと思ってる。2年目からは、企画ひとつひとつを細かく見てほしいな。
池垣:長期的計画(笑)
喜馬:そう、そう。学生って、なんだか意味もないけど楽しい、っていう時があるやん。「なんやろう、この楽しさ?」っていうやつ。これが来場者の方々みんなに伝わったら、もう大成功! 運営してる私たちも楽しいから、「今のこの楽しさ、伝わって!!」っていうビラをみんなにばらまきたいぐらい……(笑)
池垣:ブルゾンちえみみたい(笑)
前編のインタビューはここまで!
ここまで読んでくれたみなさんは、「京都学生祭典」について、それぞれイメージをつかんでいただけたでしょうか? お祭りの楽しみ方は人それぞれ。「初めての人は、とにかく空気感を楽しんで」ほしいという喜馬さん。夏も過ぎて、気候的にも過ごしやすくなった京都で、あなただけの「お祭り騒ぎ」を探してみてください!
また、後編ではより盛り上がった雰囲気の中で、一大イベントをまとめる実行委員長ならではの裏話を聞いちゃいます! イベント運営に少しでも興味のある人、リーダーを目指す人、というかそれ以外の人も必見! ぜひご覧ください!
後編はこちら
第15回 京都学生祭典
本祭当日テーマ 「京都学生祭典のキセキを感じる日」
場所 : 平安神宮前・岡崎プロムナード一帯
(JR・近鉄「京都駅」から:市バス5・100系統「岡崎公園美術館・平安神宮前」下車すぐ, 阪急「四条河原町」から:市バス46 「岡崎公園美術館・平安神宮前」下車すぐ,地下鉄東西線「東山駅」から徒歩約10分)
(京都大学 文学部 池垣早苗)
(写真協力 山本奈未(京都女子大学 現代社会学科))