京都以外、考えていなかった自分
もくじ
京都から出るという考えなんて一切なかった
自分の進路を決める時、京都で生まれ育った私には、京都以外の大学に進学し、今まで自分が住んでいた場所以外で生活をするという考えは全くと言っていいほどありませんでした。
出たくない理由が「京都が好きでたまらないから」というわけでもない私。正直なところ金閣寺や銀閣寺にも行ったことがありません。自分が生まれてから過ごしてきた、京都の昔と今が混ざり合った雰囲気から出たくないという考えだけが強かったのです。
大学でなく京都で学ぶ
私は高校の時から歴史的な文化や美術に興味があったので、現在は歴史学科で日本史を学んでいます。
歴史を学ぶのに京都はとても適しているまちです。大学の近くに有名な寺社仏閣があるので、教科書に載っているような建造物に実際に行くことができ、大学の中に籠ってばかりでなく、外に出て歩き、見て学ぶことが出来ます。
突然ですが、三条大橋の「擬宝珠(ぎぼし)の刀傷」というのを知っていますか?
鴨川にかかる三条大橋の擬宝珠(橋の手すり分部についている金属の飾り)に、有名な池田屋事件で新選組と志士が争った時の刀傷が残されているという話があるんです。
京都では上の三条大橋のように、まちの中にも歴史に関するものが溢れているので、普段の生活の中で探してみるというのも大学生活の楽しみ方の一つです。
大学生になって行動を始めて京都の魅力を知る
京都から出たくないと言いながらも、京都について知らないことが多すぎる私。
知っていることよりも知らないことの方が多く、人に聞かれる「京都のおすすめの観光地ってどこ?」「このお寺どこにあるの?」といった言葉がとても苦手でした。
高校までは周りの人がほとんど京都出身だったのですが、みんな京都に関する深い知識はなく、自分たちの住むまちの魅力もあまり知らず、京都の良さというものがわかりませんでした。
大学に入学すると京都に憧れて来たという他府県出身の人が周りに多くなり、今まで知らなかった、他の人が持つ京都へ憧れる気持ちを知りました。
私自身も大学に入学してから、まちを歩いて見つけた寺社仏閣を訪れてみたり、修学旅行や学外授業で京都に来る生徒さんを案内する学生団体に入り、活動を始めたりしました。こんな風に行動範囲を広げることで、今まで見ることの出来なかった京都というまちの姿を見ることが出来ました。
今では「京都のおすすめの観光地ってどこ?」「このお寺どこにあるの?」と聞かれても怖くなくなりました。むしろ聞いてほしいくらいです。人に聞かれて自分が知らない場所であれば、調べてすぐに行く!という風にも成長しました。
京都には知れば知るほど不思議な魅力があり、毎日、様々な新しい事が生まれていて、そのたびに京都のまちは忙しく姿を変えていきます。また、色んな大学の学生が生活をしていて、たくさんの学生団体も存在しています。
飽きない毎日を過ごしながら学びたいという人には、とっておきの場所だと思います。
(京都橘大学 文学部 樋掛彩乃)