ちょっと歩けば観光に。そんな町並みが好きです!
もくじ
ぜんぜん京都を知らなかった私
私は、中学校入学と同時に東京から京都に引っ越してきました。大学も京都に残ると決めたのは高校に進学してからのことです。
きっかけは、所属していたJRC部(国際交流やボランティアなど青少年赤十字の活動をする部活動)で全国の代表が集まる研修に参加したことです。この研修は、主にリーダーシップについて学ぶものだったのですが、この時、他府県から見た「京都」というものを知ることが出来ました。期間中、他の参加者と交流する中で
「いつでも金閣寺を見られるね」
だとか
「清水寺に何回くらい行ったことある?」
など、こんなやり取りがあったのですが、正直私は困りました。観光地によっては行ったことがなかったり、他府県の子の方が訪れた回数が多かったりしたからです。聞いたことのない観光地もありました。ひょっとしたら、私より彼らのほうが京都に詳しいのではないかと思ったほどです。他の参加者の子から、
「なんで近くにたくさん観光地があるのに行かないの?」
と言われました。京都に住んでいながら京都についてあまりよく知らない、というのはすごくもったいないことだと思いました。
登下校も「観光」に
研修を終えた私は、もっと京都を知りたい、体感したい、と思うようになりました。そこで、下校の際に京都のいろいろな場所を散策し始めました。最初に驚いたのは、平安神宮や二条城、八坂神社といった有名な観光地が自分の家から歩いていくことのできる距離にあったことです。観光名所に囲まれながら日常を過ごしていた事実にその時まで気づきませんでした。時間にゆとりのある日には、複数の観光地をハシゴして眺めながら帰宅する、なんてこともありました。また、至る所に特徴的な造りの洋館などが見られるのも魅力的に感じました。日によっては10㎞以上歩いていたかもしれません。京都は、歩いて散策するのにとても適した町だと思います。少し歩けば、歴史や風情といったものを感じることができます。引っ越してきてから数年を経て、ようやく京都に親しみを感じ始めたのです。
やっと気づくことのできた京都の魅力をこの先も味わいたいと思い、京都に残り大学へ進学することを決めました。
サークルに入らない、という選択 「観光」とつながる毎日
私は、大学で「サークル」と呼ばれる団体には所属していません。そんな私の学生生活のキーワードのひとつが、「観光」です。課外活動では、観光案内所でボランティア、週末には周遊型の観光バスの添乗員のアルバイト、という日々を送っています。海外から来たお客さんとお話して、相手の国について伺ったり、日本のことを紹介したりするのはとても良い刺激になります。アルバイト以外でも、道端やバス停など、至る所で海外の方と接する機会が得られます。また、海外ではなく国内の旅行者との交流も同様に興味深いです。観光案内をしている立場ですが、お話ししているうちに、反対に旅行者の方の地元について、名所をおすすめしていただく、なんてこともしばしばあります。
こんな風に、「観光」を通じてたくさんの方と接し刺激を受けながら学生生活を送っています
自分を見つけられる町、「京都」
京都に住み始めて8年目の私ですが、今でも日常に新たな発見をすることがあります。家の近くの道に石碑があったり、意外なところに趣のある小道を見つけたり。住み慣れてなお、新鮮さを感じることのできる町だと思います。少し考え事をしたいときなどは、決まって京都の町を歩いています。「学生のまち」と言われる京都ですが、大学生としての大切な時間を過ごし、自分を見つけ、将来を考えていくのに適した町だと思います。みなさんも、京都で将来につながる学生生活を過ごしてみてはいかがでしょうか。
(立命館大学 産業社会学部 岡嶋望)