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大学院入試体験記(文系編)

大学院入試体験記(文系編)
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みなさんは“大学院”にどういったイメージをお持ちでしょうか。

もしかしたら理系の大学院をイメージされるかもしれません。文系大学の場合は、多くの学生が就職を選択するので、進学を考えている人にとっては大学院入試の情報は入手しにくいと感じたり、「そもそもどんな所なの?」と疑問でいっぱいになるかと思います。

そこでこの記事では、文系の大学院とその入学試験について紹介します!

(歴史学を専攻する筆者の体験をもとにしていますので、他の分野とは異なる部分も多いかと思いますが、ご了承ください!!)

 

1.大学院ってどんなところ?

改めて説明しますと、大学院とは、修士課程が2年、博士課程が3年あり、修士・博士どちらも大学院入試に合格する必要があります。修了するときにはそれぞれ修士論文・博士論文を提出しなければなりません。

大学院では、学部の頃よりも専門的に学問を深めることができ、学生は研究者に準じる存在として扱われます。具体的には、学会の運営や学部生への指導補助、実地調査などに携わることになります。こうした機会が増えると他大学の先生や研究機関の方との交流ができ、研究の最前線に立ち会うこともあります。どれも貴重な体験ばかりで、大学院に進学する醍醐味の1つもここにあります!

もちろん大学院での生活において中心となるのは、最初にも述べました自身の学問を深めることです。自分が興味を持ったことをとことん突き詰める経験は何物にも代えがたいです!研究者や専門職になりたい方はもちろんですが、やりたい学問がある方は進路の1つとして考えてみるのも良いかも知れません……。

 

2.文系の大学院入試

私が受けた歴史学系の大学院入試は、冬期1回のみ実施の大学と、夏期(秋期)と冬期2回実施の大学がありました。基本的に夏期・冬期共に筆記試験の科目は専門と外国語でした。

外部(所属大学以外)の大学院を受験する場合は、これに加えて研究計画書や卒論要旨、あるいは卒業論文そのものを提出する必要があります(研究計画書や卒業論文の提出が求められる理由としては、受験者がどういった研究をしているのか、これからする予定なのかを事前に知るためです)。内部(所属大学から大学院へ)進学の場合は、そもそも卒業するために卒業論文を提出しなければならないので、入試の際にもう一度提出する必要はありません。しかし、論文の内容も大きな考査対象になりますので、そのことも意識して良いものを書かなければ、卒業はできても進学はできなかった、ということになりかねないので注意が必要になります……。

筆記試験には専門試験と外国語(英語)試験があり、特に専門試験は分野によって大きく異なると思われます。私の場合ですと、歴史学の中でもさらに細分化された分野(江戸時代など)の問題を選択して解いていく形式でした。問題数自体は少なく、論述2題と資料読解1題が出題されました。英語の試験では、英文の全文訳が2題出題され、いずれも長文ほどの長さはありませんが、難易度の高い単語が見られました。

最後に面接(口頭試問)です。私の場合は内部進学ですので外部の場合とはまた違うかもしれませんが、卒業論文について教員からの質疑に答えることが中心になります。これもしっかりとした卒業論文を書けていることが重要になってきます。

 

3.試験対策、何をするべき?

先ほど見てきました大学院入試にどう対策していくか、特に筆記試験について私の体験を踏まえてご紹介していきます。まず英語と専門試験に共通するのは、過去問を中心に取り組むのが重要だということです。

英語試験では大学入試よりも専門的な文章が出題されますが、その文章の内容は専門科目に関連したものになっています。私の場合ですと、歴史や考古学、文化をテーマとした英文が出されました。そのため過去問を解いていくと、何度も登場する単語に出くわすので、内容の傾向がわかるようになっていきました。通常の単語帳を読むのも大事ですが、過去問でわからなかった特殊な単語を集めて復習すれば、専門分野で使われる英単語の習得を効率的に進めることができます。

次に専門試験ですが、こちらも過去問を見てどういった問題が出題されるか傾向を最初に把握する必要があります。私の場合ですと、論述では「研究史を踏まえて」という問題の出され方が多かったので、歴史そのものの勉強に加えて史学史(歴史学研究の歴史)についても並行して勉強しました。

資料読解については、4回生までの積み重ねが重要になってきます。私は古文書の“崩し字”と言われる昔の字で書かれた文書の読解を試験で解いたのですが、直前の勉強のみでは到底読めるものではありません。時間をかけて慣れていくしか方法が無いのです。同じ専門試験でも対策の仕方に大きな差があることに注意しなければなりません。

 

4.おわりに

少し珍しい文系大学院と入試についてのお話でした!文系は特に専攻によって入試から研究生活に至るまで全然違うことがあるので、興味を持たれた方は、まずご自身の大学の院について調べてみるのもいいかもしれません!

 

理系の体験記はこちら!→→→→→https://kotocollege.jp/archives/27627

 

(京都府立大学大学院 文学研究科 原田宗周)

この記事を書いた学生

原田宗周

原田宗周

京都府立大学 大学院 文学研究科

歴史が好き過ぎて京都に来ました!