インタビュー

須藤蓮さんの初監督作品『逆光』への想いと京都との繋がりに迫る!

須藤蓮さんの初監督作品『逆光』への想いと京都との繋がりに迫る!
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皆さんこんにちは!突然ですが、『逆光』という映画をご存知ですか?

この映画を作られた映画監督兼俳優の須藤蓮さんは、過去に京都を舞台にした映画に出演し、その作品が「出町座」で公開されたという経緯があります。そのご縁もあって、自身初監督作品の『逆光』が京都の出町座で公開されました。

須藤さんは公開期間、京都に滞在して映画の宣伝活動をされていました。今回は、映画制作に至った経緯や東京の大学生でもある須藤さんから見る「京都の魅力」や学生へのアドバイスなど、盛りだくさんな内容をお伺いしました。

是非、ご覧ください!

須藤蓮さんプロフィール

1996年生まれ 東京都出身 映画監督 俳優

[出演作品]

2018年 NHK BS プレミアム『ワンダーウォール』

2019年 連続テレビ小説『なつぞら』

2019年 大河ドラマ『いだてん〜東京オリンピック噺〜』など

[監督作品]

2021年 自主映画『逆光』

逆光のホームページはこちらから

https://gyakkofilm.com

須藤蓮さんのSNSはこちらから

https://mobile.twitter.com/rensudo7

https://www.instagram.com/rensudo__7/

以前コトカレで須藤さんに取材した記事はこちらから

「夢を追う学生へ:女優・成海璃子さん、俳優・須藤蓮さん、三村和敬さんにインタビュー」

須藤監督の映画への熱い思い

――映画『逆光』を撮影したきっかけを教えてください。

コロナ禍で、家の周りを散歩するくらいしかできなくなった時期に作ろうと思った映画なんですよ。コロナで自分の仕事が無くなってしまい、休学中だった大学に復学してずっとパソコンで授業を受けていたけど、ずっと画面を見るばかり。

外に出たら怒られる時代だったじゃないですか。だから、毎日パソコン見て、ニュース見て、Twitter見て……。今でこそ、だんだん自粛が解除されてきたけど、あの時は新型コロナウイルス感染症という病気がどんな病気なのか、感染したらどうなるのか分からないという状況で本当に先が見えず、みんなストレスを溜めていた。僕も皆さんと同じ状況で、元気がなかったときに自分自身を元気にしたくて作った作品です。

――そういう思いがあったんですね。

だから、その時の自分が見たい作品・映像というのをすごく意識して作りました。それに、コロナ禍で何か一つでもアクションを起こせたら、見せられたら何か変わるんじゃないか。「コロナ禍でもやれることがあるかもしれない」と思ってくれる人がいるかもしれない。それで、「映画を作ろう!」と思って作りました。

――映画「逆光」のシーンで注目してもらいたいところはありますか?

70年代の尾道を舞台にした映画なんですけど、注目してほしいのは、“音”や“色づかい”、あとは“風”とか“温度”かな。コロナ禍で五感が鈍り「日差しが綺麗だな」とも思えない状況だったので、なるべく五感が研ぎすまされるようなものづくりを目指しました。“聞こえてくる音の気持ちよさ”や“解放感”、“湿度”だったり、“感情の動き”だったり。些細なことだけど、そういう感覚を感じ取ってくれたら嬉しいです。

――撮影でこだわったポイントはありますか?

尾道は瀬戸内海に光が反射し、光の存在感がとても強いんですよ。だから、どうしたら観客に“光の筋”を言語化せずに伝えられるのかや「このシーンは晴れていないといけない」など光の使い方をものすごく意識していました。それなのに、撮影の時に台風が来ていて……。天気予報は一週間ずっと曇りや雨で「もう駄目だ」と思っていたんですけど、運よく前日に晴れて撮影日和になりました。

――尾道の方との交流はありましたか?

以前出演した『ワンダーウォール』という作品を初めて上映してくださったのが尾道の映画祭で、それを機に尾道に知り合いができました。尾道は映画に対して寛容な街で、僕が「映画を撮りたいんです」と言ったら応援してくれる方がいたんです。この映画をどこで撮るか、ロケ地を選んでもらったり、設営を手伝ってもらったり。本当に何から何まで地元の方たちの力を借りて映画を作りました。

――今回の映画は監督をされながら俳優としても出演されていますが、両方を経験したからこそ気づいた点はありますか?

監督をすることで“見え方”と“その人の中で起きていること”の両方を感じ取ることができました。例えば、ただ遠くから歩いてくるシーンがあるとして、「こういう風に通って、ここで止まればいいだろう」という単純なことだけを考えて芝居をすると、演技を見ている相手にそのときの感情が伝わってしまいます。だから、「この距離で真剣に芝居しても意味あるのかな?」と、一見無意味と思えてしまうような効率の悪さに、実はすごく意味があったということに気づくことができました。

次ページ:須藤さんが感じる京都の魅力・そして監督としてのこだわりとは――?

この記事を書いた学生

梅垣舞央香

梅垣舞央香

龍谷大学 政策学部

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