声優・岡本信彦さんと山根綺さんが語る京都の魅力と学生への想い|京まふ2024おこしやす大使インタビュー
皆さん、“京まふ”を知っていますか?
“京まふ”とは“京都国際マンガ・アニメフェア”のことで、西日本最大級のマンガ・アニメ・ゲームのイベントです!
今年も『京まふ2024』が9月21日・22日の2日間にわたって開催されました。過去最大規模となる約70の企業・団体によるグッズ販売や展示のブースに加え、キャラカフェやコスプレエリアなどもありました。さらに、『京まふ2024』おこしやす大使に就任された声優の岡本信彦さん・山根綺(あや)さんが登場するステージなども行われ、35,730人が来場する大盛況の内に幕を閉じました。
今回は、そのおこしやす大使、岡本信彦さん・山根綺さんのお二人にインタビューをさせていただきました!
もくじ
京都のお気に入りは和菓子とパワースポット!?
お二人はお仕事でもプライベートでも京都によく来られると伺いましたが、京都で好きな場所、あるいはこれから行ってみたい場所はありますか?
岡本信彦さん(以下、岡本):僕は伏見稲荷と車折神社、この2つがとても好きです。
他には、『ぎおん徳屋』さんと『鍵善良房』さん(どちらも祇園にある和菓子屋さん)が大好きです。ぎおん徳屋のわらび餅と鍵善のくずきりがめちゃくちゃ好きですね。やっぱり和菓子や京菓子をいろいろと巡りたいなという欲があります。
知っているところにも行きつつ、新規開拓もしたいと思いますね。
車折神社は、たしか芸能関連の神社ですよね?
岡本: そうです、玉垣があるんですよ。僕の名前、“岡本信彦”が書かれた玉垣を神社に置かせてもらっています。今は、周りをVtuberの方々の玉垣に囲まれています。
他の人の名前を見るのも好きですし、車折神社に行った知り合いから「岡本さん見つけました」と連絡が来たりもします。
山根綺さん(以下、山根):私は神社巡りが好きで、よく御朱印を集めているんです。京都に遊びに来ると、八坂神社のような有名な場所から小さな神社まで訪れて、御朱印があれば記念に集めています。もう1冊目はいっぱいになって、今は2冊目の半分くらいまで来ました。
中でも、山奥にあって御利益があるといわれている貴船神社には、いつか行ってみたいと思っています。普段は八坂神社や伏見稲荷大社、安井金毘羅宮など、アクセスしやすい神社によく行きます。貴船神社は少し遠くて山奥にあるそうなので、行くのは大変そうなんです。
でも、最強のパワースポットとも言われているので、いつかそのパワーを感じに行きたいですね。
声優を志したきっかけ
お二人が声優という職業を志望したきっかけについて教えてください。
岡本:僕は大きく分けて2つあります。アニメが好きだったことと、家にマイクが置いてあったことですね。
親が、目が不自由な人向けの朗読をボランティアでしていて、録音機材などがいろいろあったということが大きくて、そこから声優という仕事を知りました。
山根:私は小学生の頃、今よりも声が高くて、クラスメイトにそのことを指摘されることがあったんです。それで、人前で話すのがすごく苦手になってしまいました。そのときに姉に相談したところ、「そういう声を活かしている声優さんがいるよ」と教えてもらって、初めて声優という職業があるんだと知りました。
もともとアニメは好きだったんですが、当時はキャラクターが喋っているとしか思っていなかったので、声優という職業を明確に意識したことはなかったんです。でも、声優について調べてみたとき、「声優になれたら自分の声を好きになれるかもしれないし、周りの人を見返せるかも」という気持ちが芽生えて、声優になりたいと思うようになりました。
声優という職業を本格的に目指し、勉強などをはじめたのはいつ頃からですか?
岡本:中学生だと思いますね。早かったんです。高校生のときには養成所や事務所にも入っていました。当時、男の子の中ではだいぶ早くて、養成所に行った段階では16歳とか17歳で、20代や30代の方、40歳を超える方々と接する機会も多かったというのも、人生の勉強になって良かったな、と今は思いますね。
学生生活との両立などは大変でしたか?
岡本:養成所は週1回のコースだったんです。そもそも親からは、アルバイトをして学費を返すように言われていたので、週4回のコースだと、高すぎて返せないので、アルバイトをしながら週1回のコースに通っていました。
山根:私は高校を卒業してから、声優の専門学校に進みました。18歳のときに声優の勉強を始めて、2年間勉強したあと、今の事務所に所属しました。
親が医者だったこともあり、大学に行ってほしいという期待もあって、いろいろ難しかったんです。
でも結局、私はやっぱり声優がやりたいという気持ちが強くて「大学に行きながら声優を目指すのはダメなの?」って聞かれたんですけど、私は1つのことに集中しないと両立はできないタイプだと思ったので、「声優の道に進みたい!」と言いました。
岡本:すごいですね。まず、その家系でエンタメの道に進むという選択をして、実現しようと行動してるところがすごい。
山根:エンタメとは真逆の家系で、家族の中で芸能界に縁がある人は誰もいませんでした。
だけど、やっぱり私はこの世界に進みたかったので、いろんなものを手放して、背水の陣でここに来ました。
岡本:すごい、僕は真逆かもしれないです。親からは「絶対に大学を出ろ」と言われて、大学を卒業しました。
でも、すごくイジられましたね。大学1年生の時はもうアニメの仕事をしていたので、「声優っぽいこと言ってよ」みたいなフリはいっぱいありました。
山根:人それぞれいろんな人生がありますね。
「好きなものがある時点で素敵なこと」「たくさん失敗してほしい」
最後に、夢や目標に向かって頑張っている学生に向けて、メッセージをお願いします。
岡本:僕は、今は事務所を運営していることもあって強く思うのが、好きなものがある時点でとても素敵なことだということです。「好き」という力は本当に無限のエネルギーを持つと思っています。
ネットなどでもよく言われている攻略本の話があります。
たとえば、自分の親世代に好きなゲームの攻略本を渡しても、おそらくあまり読まないか、読んだとしてもそれは「勉強」のように感じてしまうと思います。だから、楽しさというよりは苦しさを感じながら読んでしまうんです。でも、子どもたちはそれが好きだから、攻略本も積極的に読み込みます。自分が好きだからこそ、攻略法をもっと知りたいし、さらに自分なりのプレイスタイルや攻略法を見つけたくなるんです。
そして、この好きなパワーというのはどのジャンルにも活かせると思っていて、もちろんアニメもそうですし、役者もそうですし、絵を描くのもそうだと思います。全てにおいて好きなものというのは強みになるので、この好きなものをどんどん大きくして、そして全力で目指してもらえたら嬉しいと思いますね。
僕は、なりたいものを1つに絞らなくても良いと思っています。目指している途中で「これもいいな」と思ったら、それもひとつの好きなこととして大切にしてほしいんです。引き出しに新しい「好き」をしまっていくような感覚です。最終的に、その好きなことや興味を深めながら手に職をつけられたら、自分も周りの人も幸せになれるんじゃないかな、と思います。だから、とにかく好きなものをたくさん見つけてもらえたら嬉しいですね。
山根:若い頃は、たくさんのことに挑戦して、間違えたり失敗したりすることが多いと思います。そして、そのときに「失敗しちゃった自分なんて……」と感じる瞬間が特に学生の頃は多いんじゃないでしょうか。でも、その失敗をどう捉えるかで、未来が大きく変わると思うんです。『今ここで学べて良かった』と前向きに捉えるかどうかが、鍵になるんです。
私は、「失敗」なんてないと思っています。失敗は、成功するために必要な経験なんだと考えれば、すべてが学びに変わるんです。
人間は、自分の感情を通じて学ぶ生き物だと思うので、たくさん間違えて、恥ずかしい思いをして、その感情から学ぶことが大事だと思います。
だからこそ、色々なことにチャレンジして、いっぱい失敗して、それを良い経験に変える体験を今のうちにたくさん積んでほしいですね。それが、素敵な未来への一歩になると思います。
さいごに
今回の取材では、お二人の京都のお気に入りのスポットから、声優という職業を志望されたきっかけまで幅広いお話を聞くことができました。
特に最後の学生さんへのメッセージでは私自身、心に響くことが多く本当にありがたいお話が聞けたと思います!
また、『京まふ』では今回インタビューさせていただいたお二人のような声優さんに会えるステージなどが企画されています。
気になった方は、ぜひ来年の『京まふ』に足を運んでみてください!
岡本信彦さんプロフィール
1986年10月24日生まれ B型 東京都出身
株式会社ラクーンドッグ代表取締役で所属声優。
Kiramuneレーベルでアーティストとしても活動中。
主な出演作は「青の祓魔師」奥村燐、「僕のヒーローアカデミア」爆豪勝己、
「ハイキュー!!」西谷夕、「鬼滅の刃」不死川玄弥、「葬送のフリーレン」ヒンメルなど。
山根綺さんプロフィール
2月4日生まれ 神奈川県出身
株式会社青二プロダクション所属
主な出演作は「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」巻町操、
「機動戦士ガンダム 水星の魔女」セセリア・ドート、「2.5次元の誘惑」753♡、
「姫様“拷問”の時間です」クロル、「Re:ゼロから始める異世界生活」リリアナ・マスカレードなど。
(取材・文:龍谷大学 文学部 福岡侑真)
(取材:立命館大学 文学部 吉田玲音)
(取材:立命館大学 文学部 小関萌嘉)