インタビュー

【自分のやりたいことって?】就活迷走23卒が染め職人に弟子入りした先輩に人生相談!

【自分のやりたいことって?】就活迷走23卒が染め職人に弟子入りした先輩に人生相談!
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やりたいことを見つけるコツを伝授します!


こちらは卒業式の時に撮られたお写真で左が越本さん、右がゼミの先生だそうです。

――ついに自分の納得できるお仕事に出会ったんですね!現在はどのようなことをされてるんですか?

僕の働いている「アート・ユニ」は洋服、インテリアに使う生地を染める染色委託加工業に属しています。住宅街の中にある町工場ですが、工房からデザイナーにデザインの企画をして、最終的にハイブランドの洋服に使われることもあるといったクオリティーの高い仕事なんです。僕はそういった生地制作の手伝いや、お客様の持ってきた服の染めなおしをして古い服をリメイクしたり、工房で子ども向けの染め物講座を企画したりしています。

――越本さんのSNSで拝見しましたが、卒業式にご自身が染めたスーツで出られたんですよね!とっても素敵でした!そのインスピレーションはどこから?

ありがとうございます!大学を卒業するということで、自分が悩みになやんだ就職活動と、これから頑張る染色の仕事をかけ合わせて何か表現をしたかったんです。そういったテーマからできたのがこのスーツですね。ただ、テーマが決まっても表現したいものを上手く表せない未熟さもあるので、今は日々の業務を大切にしながら様々な引き出しを増やしている最中です。

――働き始めても日々勉強なんですね。一方でお師匠さんとは50歳ほど年が離れているそうですね!就職活動でも様々な方との出会いがあったと思うんですが、越本さん流のコミュニケーション術ってありますか?

師匠が本当に人当たりのいい方なので、そこに救われてる部分が大きいですね。有難いです。
僕自身は“言われたらとりあえずやってみる、リアクションする”を意識してます。
例えば、仲良くなりたい人とか好きな人とLINEしてたらすぐ返したくなりますよね(笑)。その人の好きなものやハマってるものをおすすめされたらとりあえず触れてみて感想を伝えるとか。それが好きになれるかどうかはおいといて、大事なのって自分がその人に興味があるよってことを行動に移してアピールすることだと思うんです。自分の勧めたものについてほかの人が興味をもってくれるって多分誰でも嬉しいはず。紹介された本や、アーティストなど、とりあえず触れてみると自分の世界も広がるし、コミュニケーションにもつながると思います。

――なるほど、これは誰でも使えそうだけどすごく大事なスキルですよね!ありがとうございます。もう一つ、越本さんの強みはこれをやろう!と動ける行動力や積極性だと思います。それって元々持ってた力ですか?

いや、全然行動力があるほうだとは思っていません(笑)。行動に移すことができたのは、やっぱりそれだけ自分の進路に関して悩んでいたからですかね、15万円払って就活塾行ったり、急に誘われたアフリカ渡航についていこうとするくらいですから(笑)。それだけ自分の将来や進路について不安だったんだと思います。

――そうした不安は多くの学生が抱えていると思います。 “テストや面接を通して企業などに就職する”、“大手が一番”のような風潮の中で職人の道を目指すのは勇気のいる選択だったと思いますが、どのように決断されたのですか?

すごく悩みました。新卒カードを職人に使っていいのかな、とも思いました。
それでも、僕が決心できた理由が二つあります。

一つは自分が進路を決める時点で、こうなりたいっていう人生の方向性を見つけたことです。自分がどう生きたいか、どんな大人になりたいかをいろんな方に会ったり、話を聞いてもらったりすることで、その部分を明確にできました。仕事はその手段であり、職人は自分の理想像に向かえる仕事であると考えられたことが一番大きかったです。価値観は人生の中で変化していくものだとは思いますが、後悔したくなかったので、自分が悩みに悩んだその時の価値観を大切にしようとも思いました。

もう一つは、みんな一番心配なのってお金じゃないですか?福利厚生や給料をどれだけもらえるかを意識して仕事を選びがちですよね。僕もそこは心配でした。だから自分で自分の生活費を計算してみました。今の生活費や家賃、交際費など全部含めて毎月どのくらいで生活できるのかをメモとか取って考えたんです。毎月必要な生活費に具体性が出てくると、お金に対する不安も軽減できます。必要なお金で無理せずうまく生活していく方法は、インターネットで調べればいくらでも出てきますから、そういうところも参考にしていいと思います。

就活って自分のキャリアプランとか理想像とかも考えなくちゃいけないですけど、今の自分を顧みるためにもお金っていう現実的なものに目を向けると地に足付けて考えられるんじゃないかと思います。

――目から鱗でした。お金に不安を抱えて就活してるけど、今の自分に目を向けるって忘れがちですよね。貴重なアドバイスありがとうございます。
最後になりますが、いろんなことがあって自分の将来に不安しかない学生に向けて、自分のやりたいことを見つけられた越本さんからメッセージをお願いします。

無理はしなくていいかなと思っています。僕は将来に対する不安の中で行動を繰り返した結果、この仕事に出会えたので、行動に起こすことの大切さは重々理解しているつもりです。また、いろんな考えを必要としていたからこそ、素直に人のアドバイスを受け止めることができました。ただ、自分の気持ちが前向きでなかったり、必要性を感じていないのに行動に起こすとただ疲弊したり、人との関係性を悪くするだけだと思うので、そういう時は無理せず自分のコンディションを整えることに専念していいと思います。そういうわけにいかない時もありますが、意識して余白を作ると今まで見落としていたいろんなことに気付けると思います。就活中ってみんなが動いてる気がして自分も動かなきゃと思っちゃうので、意識して余白を作るぐらいがちょうどいいと思います。そうやって自分のペースで自分の進路に向き合ってほしいです。僕みたいに15万払ってすぐ就活塾辞めるような人もいますから、焦らずに身体に気をつけて頑張ってください!応援してます!

さいごに

越本さんへの人生相談いかがでしたか?「今の就活する人はほんまに大変やなぁ。しんどいよなぁ。」と真摯に質問に答えてくださる越本さんに私も励ましていただきました。
自分のやりたいことを見つけるのは難しく、見つけられてもそれがゴールになるわけではないかもしれません。それでも、自分について考える時間を作ることや、自分の周りの人にもらった自身の評価はきっとどんなところでも力になると思います。
私たちにとっては逆境のようなご時世ですが、幸いにもオンラインが発達しました。
自分がお世話になった方、尊敬している人に人生相談をしてみる良い機会かもしれません。

様々な場所で出会った言葉が皆さんのやりたいことへつながるように願いながら、私も頑張っていきます。

最後まで読んで下さりありがとうございました。

アート・ユニのInstagramはこちら

https://www.instagram.com/art__uni/

(立命館大学 文学部 田中陽奈子)

この記事を書いた学生

かれんちゃん

かれんちゃん

卒業生が執筆した記事はかれんが紹介しているよ!