インタビュー

【自分のやりたいことって?】就活迷走23卒が染め職人に弟子入りした先輩に人生相談!

【自分のやりたいことって?】就活迷走23卒が染め職人に弟子入りした先輩に人生相談!
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やりたいことってなに?アドバイスをください!

こんにちは、文学部の田中です。私は来年就職活動をしなければならない大学三回生。
自分の人生を振り返りながら将来に向き合う時期に来ています。こうした時期は高校進学、大学受験など様々なタイミングで皆さんにも訪れていることでしょう。現に私も大迷走中です。
しかし、一人で悩んでいてもどうにもならないこともあるのでは、と考え相談相手を探すことにしました。
私と同じく将来に悩む皆さん!一緒に人生の先輩へ相談してみましょう!

就職活動をやめて染め職人に弟子入りした先輩

というわけで今回悩める学生の人生相談に乗ってくださるのが、立命館大学産業社会学部を卒業された越本大達さんです。越本さんは現在、京都の嵐山付近のエリアで染め職人として働かれていて、伝統的な染色技術を継承するだけでなく、職人の師匠とともに時代に合わせた様々な挑戦をされています。

しかし、私の知っていた先輩は、就活塾に行くぐらい就職活動で悩んでいたような?そんな先輩がなぜ大手企業、安定した職以外の選択肢を見つけることができたのだろうかと思い、お話を伺ってみることにしました!

――越本さん、本日はよろしくお願いいたします!まずは越本さんの就活遍歴をお伺いしたいです!

よろしくお願いします!僕はもともと社会科の教員を目指して、教職課程の授業を履修していました。ただ、授業や実習を行う中で、学校というコミュニティしか知らないまま子どもたちに社会科を教えることに違和感があって……。そこで、もっといろんな選択肢を探してみようということで、就職活動に切り替えることにしました。ただ、今まで就活を意識したこともなかったので、自分がどんな仕事に就きたいか分からなくて……。そこで、サークルの先輩が通っていたといううわさを聞きつけて、就活塾に行くことにしたんです。15万円、一年間分の受講料を払いましたね。

――15万!?思い切りましたね!

ですよね。別にお金があったわけではないので、断腸の思いで出しました(笑)。それが三回生の5月くらい。でも7月にはもう嫌になってました(笑)。というのも就活塾では、就職活動で大手企業などの面接に通るノウハウは教えてくれるけど、自分がどんな仕事に就きたいかというのは分からないんですね。そんな状況のまま就活指導をされる。この時の心情を僕の好きな野球に例えると、既に目標が設定されていて、こうバットを振りなさいという指導をされ続けるわけです。僕にはなぜ大手企業に入りたいのか。なぜ就活を頑張るのか。という理由が見つけられてなかったんです。そんなメンタルでは、就活塾のアドバイスが全く耳に入ってこなくて……。15万も払ったのに半年も経たずにやめました(泣)。

――その後はどうなったんですか?

自分のやりたいことってなんだろうと改めて考えるようになりました。そこで、いろんな人に話を聞きに行こうと100人ぐらいの社会人に働き方などの仕事に関わるインタビューしましたね。

――待ってください。100人の社会人ってどこで出会うんですか?

僕が就活をしていた時はまだコロナの影響がなかった時なので、大学の友達や元々入っていたボランティアサークルのつながりから、オフラインのイベントなどに参加して、お会いした方に片っ端から自分の悩みを相談していました。そうやって相談した方の紹介でまた新たな人に出会うという感じで、人に会って紹介してもらって、を繰り返していました。その中で四条烏丸にある「学び場 とびら」という多様な働き方や生き方について考えることのできる場所を紹介してもらいました。

――なるほど、その中でも特に印象的な出会いってありますか?

そうですね、一つは「学び場 とびら」の経営者の方にお会いできて、インターンをさせてもらえることになったんです。インターンって言っても、特定の業務を指示されることはありませんでした(笑)。ただ、とびらにはいろんな仕事をされている方が集まるので、そこでも僕は飛び込みで悩み相談をしていました。進路について悩んでいた僕にとってはとてもいい経験になりました。
もう一つはそこで出会った方に、出会いがしらアフリカ渡航に誘われて、アフリカに二週間行けたことですね(笑)。

――アフリカってそんな簡単に行けるんですか???

いや普通は行けないですよね(笑)。その方はアフリカで会社を経営されていたので、会社のあるトーゴ共和国の様子を一緒に見に行こうと誘ってもらいました。でも、トーゴに行くためには黄熱病のワクチン打たないといけなくて……。誘われたのは渡航の2週間前とかでしたから、2日ぐらい全国のクリニックに電話をかけ続けて、東京まで打ちに行ったり、お金がないからそのままヒッチハイクで京都に戻ったりしながら何とか行くことができました。

――ツッコミどころがありすぎて全部聞きたいんですけど……。まとめるとトーゴどうでした(笑)?

いろんな気づきを得た旅でした!トーゴはお金もモノも日本に比べたら少ない国。だからこそ人と人との関係性や個人のキャラクターが強調されて見えました。また、雨が降ったら仕事休むとか天気良いから昼寝するとか、就活に追われていて見落としていた“一日一日を楽しく生きよう”というシンプルなことを肌感覚で実感することができました。

あとは一緒にトーゴに行ってくれた方が本当に親身になって僕の話を聞いてくれて、僕の人生や価値観の話を聞いていろいろ突っ込んでくれるので、自分について見つめ直す機会になりました。そのおかげで、“自分のアクションで誰かにポジティブな影響を与えられるような人”という、自分がどんな人になりたいのかという方向性のようなものまで考えることができました。
そして、その方につないでもらって今の師匠に出会うことができたんです。

――アフリカで自己分析をやってきたんですね(笑)。お疲れ様でした!そしてついに今のお仕事に出会うわけですね!

はい、長い道のりでした(笑)。一緒にトーゴに行った方は、日本では京都で活動されていたので、アフリカから帰ってきてしばらくしたとき「京都の染色工房を見に行かないか」と連絡を頂き、見学に行きました。僕自身、染色ってなじみがなかったのですが、染め職人の仕事をしている様子や作品が本当にカッコよくて、染め職人の仕事に魅了されました。それが3回生の11月ごろかな。そこからいろいろあったし就活に戻ろうと思ったんですけど、工房で味わった感動が忘れられず、ここで働きたい!と思い、工房に足繁く通うようになりました。

工房に通ううちに、工房で染めた生地が日本だけでなく世界のハイブランドにも使用されていて、この工房の職人が流行の最先端で仕事をしているということを知りました。そんな生地が京都の住宅街にある小さい工房でできてるってすごくないですか?

でも一方で、アパレル業界の問題にも直面しました。染め職人の師匠は365日中362日働き漬けの生活を送っていました。いつもは家に帰るとやることがないからと言っていますが、これはファストファッションの流行などアパレル業界の構造的な問題から働かざるを得ないということも理由の一つとしてあると思います。こんな素晴らしい技術があるのに!という悔しさもあって。なにか貢献できないかと常に考えています。そんなこんなで師匠と共に工房で働くことに決めました。

次ページからはやりたいことを見つけるコツを教えちゃいます!

この記事を書いた学生

かれんちゃん

かれんちゃん

卒業生が執筆した記事はかれんが紹介しているよ!