THE ORAL CIGARETTES あきらかにあきらさんからのエール ―不安を抱える新入生へー
新入生の皆さんご入学おめでとうございます!
本来であれば、これからの新生活に憧れや期待を抱く時期。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、これから始まるキャンパスライフに楽しみよりも不安な気持ちを抱いている人が多いのではないでしょうか。
私たち京都学生広報部では新入生の皆さんに何かエールを届けることができないかと考えていたところ、以前に取材させていただいた「THE ORAL CIGARETTES」のあきらかにあきらさん(Ba / Cho)に、改めてお話を伺う機会をいただきました。
前回のインタビューとはうってかわってオンラインでの実施となりましたが、学生時代、そしてコロナ禍で思うことなどについて深いお話を伺うことができました。
それでは、あきらさんからのエール、ご覧ください。
強い決意をして入学した大学生活
――本日はよろしくお願いします。まず、京都大学に進学が決まった時の心境について教えていただきたいです。
自分の中で努力した日々が実り、京都大学に決まって率直に嬉しい気持ちと、ずっと奈良に住んでいたので奈良を離れて京都という新しい場所に行くことへの不安な気持ちが入り混ざっていました。
自分が実際に大学に通うことをシュミレーションして京都のどこに遊びに行こうかな、とか考えていましたね。みんなが大学入学前に持つワクワクと不安とを、自分も同じように抱えていたと思います。
――大学が始まって苦労したことはありますか?
友達づくりと地元離れにとても苦労しましたね。地元でバンドを組もうと決めていたので、サークルには入らないと決めていました。
新歓で「タダ飯が食えるらしい」と聞いてそれはいいなと思ったんですけど(笑)。バンドへの思いが強く、部活とかサークルの勧誘も頑なに断り続けていました。
そうすると友達を作る機会がなくなってしまって……。最初は全然友達ができませんでしたね。
また、自分は大学の周りの人よりも劣っているという感覚があって。なんとか合格はしたものの、周りのみんなは賢くて、それに比べて自分はバンドもしていて中途半端だし、という自信のなさがありました。
だから授業が終わればすぐに奈良へ帰って「早くバンドのメンバーに会いたい」と思ってしまい、奈良から離れられませんでした。
――大学生活を経て、やっておくといいなと思うことがあれば教えていただきたいです。
大学で離れ離れになっても仲良くしている高校や地元の友達っていうのは一生の仲になると思うので、もし地元を離れていてもその人たちを大切にしてほしいなと思います。
また、僕の周りには、なんとなく学生生活を送って、周りが就職するから自分も就職して、やっと自分が本当にやりたいことを見つけた時に「もっと早くからやっておけばよかった」と言っている人がたくさんいます。
大学では遊ぶことも必要だけど、遊んでばかりだといざという時に焦ってしまうし、楽しいだけじゃない大学生活を送って欲しいですね。特に、自分自身を見つめ直す時間にして欲しいです。
――大学生活の中で得たもので、今も大切にしていることはありますか?
大学生の時に京都の古くからある、頑固なおかみさんが一人で切り盛りしてるような大衆居酒屋でバイトをしていたんです。それまで怒られることがあまりなかったんですけど、そのバイトではめっちゃ怒られました。
「テキパキしろ」とか「大胆にやれ」とか、時には真逆のことを言われて。
言われた時は理不尽でムカついたんですけど、その人にはその人の正義があって、みんな別の生き方をしてるんだな、社会っていろんな人がいるんだなって思いました。
そういう大人って大学内だけではなかなか出会えないし、今ではそうした年の離れた人と地元で飲むことが多くて(笑)。
先生や先輩だけじゃない様々な大人に出会えたのはとてもいい経験でした。
また、学生時代に様々な大人と出会えたことで、自分自身にウソをつかなくなったというか……。誰かに見られているから「かっこつける」のではなくて、常に自分のスタンスでいたいなと。ありのままでもダサくない自分でいたいなと思うようになりました。
自分が本当に好きなものはなにか
――入学した頃から卒業しても音楽を続けていこうと考えていましたか?
いや、全く。
入学した時は、音楽もやるけれどそんなうまくいくはずないし、狭き門やし、と思っていました。でも人と一緒も嫌やからサークルに入らなくて尖ってました。今から思うと未熟でしたね。
大学の友達には「就職した方がいい」、「今逃したらいい会社行けへんで」、「売れるかわからんで」と笑われたり、現実を突き付けてくる人が多かったし、僕も将来について決め切れていませんでした。
続けていこうと決めたのは留年した時かな。親に理由を聞かれて、自分にとって大切なものは何かを考え直したんです。
この時僕たちは、すでに西日本を中心に小さなライブハウスでライブをしていたので、お客さんの前で演奏できた時とか、友達のバンドなど音楽好きな仲間に出会えた時がすごく楽しくて、これが自分の喜びだ!と。
親に“自分は音楽をやっている時が一番楽しい”って言語化したことで、自分は本当に音楽が好きなんだと気づくことができましたね。この時に自分の進むべき道が開けたと感じました。
不思議なことに、あの頃の僕は一人になると不安で自信なんてないけれど、メンバーといると根拠のない自信が出てきて目の前のことに挑戦することができました。
それにメンバーといると、「俺ら最強やん、まだまだいける」って鼓舞し合って自信が湧いてきたし、絶対勝てる、これからやと思ってましたね。
就職するんじゃなくて音楽を続けていこうと決意できたのも、自分の喜びを学生生活の中で見つけられたからだと思います。
大学の友達の中で「音楽続けるの応援してる」と言ってくれた人とは今でも仲良いし、今もずっと自分の味方でいてくれています。
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