銀閣寺がご近所、そんな土地にやって来て
3年前、京都大学への進学を機に、京都へと移り住みました。
なぜ京都にある大学を選んだのか、そして、3年間の月日の中で感じた京都に住む魅力を、この記事でお伝えしたいと思います。
もくじ
新しい土地に住む楽しさ
小学生の時、出生地である東京から和歌山への引っ越しを経験しました。
関東から関西への大移動。引っ越して間もない頃は、当然戸惑いも多くありました。
しかし、和歌山では、東京に住み続けていれば出会えなかったであろう、多くのものや景色と出会うことができました。濃厚なうまみがくせになる和歌山ラーメンや、三段壁展望台からの素晴らしい眺望、爽やかな味わいの和歌山ポンチ、珍しくてかわいい、たわしストラップ……。
新しい土地に住むと、これほどまでに多くのものと出会え、新たな発見ができるのだと実感しました。
こうして新たな土地に住む楽しさを知り、「色々な土地に住んでみたい」と思うようになりました。
京都に惹かれた理由
色々な場所で生活してみたいと思っていた私にとって、大学進学は移住のチャンスでした。
引っ越しを経験したとはいうものの、住んだことがある場所は、東京と和歌山のみ。45道府県の中から、なぜ京都を選んだか。
その理由は、「独特の街並み」でした。
高校1年の夏に京都を訪れた時、まちを歩く中で、あることに衝撃を覚えました。
「あのスーパーのロゴがこの配色なのか」
いつも買い物している、あの見慣れているはずのスーパーのロゴが、見たことがない落ち着いた色合いで彩られているのです。
その他にも、古民家風のコンビニや、落ち着いた邦楽チックな電車の発着メロディーなど、様々な発見がありました。
現代化をしながらも、古都の景観や雰囲気を守る京都のまち。これほど珍しく、魅力的なまちは他にない、そう思いました。
このことがきっかけで、大学生活を京都で送りたいと強く思うようになりました。
そして、3年前の春、念願叶って京都での大学生活をスタートさせることができました。
「銀閣寺散策」の衝撃
銀閣寺。それは教科書に載っている歴史的な建物であり、旅行の行程の中の目的地の1つであり、どこか普段の生活からは遠い存在、そんなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
京都に引っ越してきたばかりの私もそう思っていました。
しかし、私が大学構内で見かけた、あるサークルの広告にはこう書かれていたのです。
「新歓イベント 銀閣寺散策」
銀閣寺を散策。京都に住むと、銀閣寺がこれほどまでに身近になるのか、と思いました。
実際、京都大学から銀閣寺までは、10分歩けば訪ねることができる距離です。本当にお散歩気分で銀閣寺に行くことができるのです。
この時、銀閣寺に限らず、京都に住んでいると多くの名所を気軽に訪れることができるということに改めて気がつきました。
「せっかく京都に住んでいるのだから、様々な場所を巡らなくてはもったいない」
そう思い、私は4年間の大学生活の中で多くの名所を巡ろうと心に決めました。
気軽に歴史とふれあい、学べるまち
京都に住んでいると、気軽に様々な名所を巡り、歴史を感じることができます。
最も印象に残っているのは、今年の1月に参加した下鴨神社の成人祭です。成人祭とは、平安装束を身にまとい、成人としての誓いを新たにする厳粛な儀式です。日本の伝統を肌で感じながら成人の誓いを行ったことは、かけがえのない経験となりました。
その他にも、休日にお寺を巡って御朱印を集めたり、授業の合間に葵祭を見に行ったり、また、春には複数の桜の名所で花見を楽しんだり、秋には紅葉のライトアップをいくつも見に行ったり……。
京都に来たからこそ出会えたものや景色は、あまりの多さに数えることができません。
高校1年の夏、京都のまちに惹かれ、京都の大学へ進学しようと決めて、本当に良かったと思っています。
便利でありながらも歴史を感じられるまち。歴史との心の距離が近いまち。
そんな京都で過ごす大学生活は、人生においてかけがえのない時間になると思います。
京都の大学に進学し、思い出に残る素敵な大学生活を送ってみませんか?
(京都大学 農学部 吉岡舞香)