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「自分がわからない」人たちへ伝えたい私の大学生活

中高生の皆さんは「25歳になったとき、何をしていますか?」と尋ねられたら、どのように答えますか。

私が中学生や高校生だった頃は、自分のやりたいことや得意なことがわからなくて、将来について考えても、「ただ何となく働いて過ごしている」といった非常にぼんやりとしたものが思い浮かぶだけで、具体的なイメージができませんでした。そのため、これといった理由がないまま大学へと進み、現在に至るまで大学生活を過ごしてきたわけですが、はたして今の私は先程の問いに対してどのような答えを出せるのでしょうか。

大学に入って見つけた私

大学に入ってからも私は、ただ漠然とした日々を過ごしていました。サークルやバイト、講義に旅行と忙しいながらも楽しい毎日でしたが、あるとき、自分の中身が空っぽで何もないことに気づきました。それは私が周りの環境だけで形成されていることを意味していて、いつ日常風景に溶け込んで消えてしまってもおかしくないような存在であることを思い知り、そのことに不安を覚えました。

このような心境から、自分の存在意義を問うようになり、私という存在を形成している「何か」が、私の中にもあるのではないかと考えるようになりました。

私はその「何か」を知るために、とにかく何でもいいからやってみようと、目に入った一つの活動をはじめてみました。内容は新入生が受講する対話型授業のサポートでしたが、ここでは人と話す機会が多かったので、様々な人の中身を垣間見ることができました。

しばらくして入った学生団体の活動では、初めてチラシのデザインに関わることになりました。そこで、デザインを考えることの思ってもみなかった楽しさに気づきました。このデザインに関することは今の私を説明する上で欠かせない重要な要素となっています。その後もチャレンジを続けて、何かを作り出すことや企画することを通じて、たくさんの新しい経験をしました。

そうして、空っぽで何もないと思っていた自分の中身が少しずつ見え始めてきました。見えてきたそれは過去の自分の行動や選択の理由に重なるものがあり、新たに私の中へと注がれたものではなく、私の中に隠れていたものでした。

股のぞき台から天橋立をのぞく大学生

また、幸運にも、とある90分間の講義の中で、シンギュラリティという自分の求知心を掻きたてる非常に興味深い話を聞くことができました。それは私に、今までの考え方を一変させるような衝撃を与えてくれました。

2045年に人工知能が人類の知性を超え、指数関数的に進歩していた科学技術がその速度をさらに加速させ、予測できないほど急速に発展するといった話でした。

そんな興味をそそるシンギュラリティの話の中で、このときの私の考え方に多大なる影響を与えたのが、今後10年から20年ほどで、今ある仕事の多くがロボットに奪われていく、そして近い未来、働かなくてもいい世界がやってくると予測されていることです。このように人の生活や生き方がめまぐるしく移り変わる未来の社会を知ったことで、将来を長期的な視点で考えるようになり、人生観が大きく変わりました。

このことをきっかけに自分が関心をもった講義を受けるようになり、知りたいことや考えてみたいことが、見えてくるようになりました。こうして知った自分の関心事や人生観も今の私を説明する上では欠かせない要素の1つとなっています。

さて、そんな今の私ですが、冒頭の問いに対しては、まだはっきりと答えられそうにはありません。ただ、以前とは違って、具体的なイメージがいくつか浮かんでいます。

自分の知りたい知識に囲まれた職場で働いている私、大学院に行って自分の好きな分野の勉強をしている私、自分が興味をもった制度を実施している国を巡っている私…。

私の中にある私の特徴ともいえるものが見えてきたことによって、このような将来を思い描くことができるようになりました。

 

機会・可能性・発見が無限に潜む大学生活

空を飛ぶトンビ

こうして振り返ってみると、現在に至るまでの大学生活は自分を知る日々であったように思います。やってみようと思ったことにチャレンジして自分を知る、関心をもった講義を受けて自分を知る、そんな印象です。本当に、大学生活というものは自分の意識1つでいくらでも変わるということを実感しました。

自分の中の潜在的な部分というものは、それが必要になったときにしか姿を現さないと思っています。大学では新しいことにチャレンジする機会がたくさんあるので、わからない自分を知るにはうってつけの環境です。大学生活の中で、いかに自分を知ることができたか、それによって将来のイメージもまた違った見え方をすると思います

 

(京都産業大学 法学部 大鳥井悠真)

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