一目惚れの出会い ―私と京都
私は中国からの留学生です。
中学生の時に偶然、日本のアニメを見ました。それから日本に興味を持って、独学で日本語を勉強し始めました。勉強の間に、日本の歌やドラマにもたくさん触れ、どんどん好きになりました。
そして知らず知らずの内に、「日本に行きたい!」という気持ちが湧いてきました。日本の文化も景色も人も、全部知りたい。そんな憧れから、私は日本の大学に入学しました。
もくじ
初めての出会い
私が初めて旅行で日本に来た時、いろいろな街の景色と雰囲気が心に刻まれました。賑やかな東京、情熱的な大阪、綺麗な北海道。しかし、日本の街の中で一番印象に残ったのは、京都でした。この街には、ある静かな美しさが隅々まで流れていたのです。
初めて京都に来たのは春。地元の友達に誘われて、鴨川に行きました。電車から降りて駅を出た時、目の前の景色に驚きました。川の両側に桜が海のように広がっているのです。涼しい風が軽く吹いて、ずっと憧れていたアニメでしか見られなかった風景が、確かにすぐ目の前にありました。桜が散る坂道、桜の花びらが浮かぶ川…。故郷の中国では、こうした景色を見る機会はありません。その美しい絶景にすごく感動しました。多分その時、京都に一目惚れしてしまったのです。
京都の美しさ 春夏秋冬
写真撮影が趣味の私にとって、京都はまるで天国のような場所です。京都には、いつでもいい写真を撮れる場所があります。
春は、京都御所、高台寺の桜。つぼみ、咲き始め、満開、散り始め、各段階の桜を観察しながら写真を撮るのがおもしろいです!夜桜はすこし撮りにくいけれど、ホワイトバランスとISO感度をちゃんと調節すればいい写真が撮れて、満足感が溢れてきます。
夏は、三千院、三室戸寺の紫陽花。古いお寺と梅雨と紫陽花、一見暗い雰囲気でも、そうした感覚を写真でうまく切り取れば、ある「寂しい美しさ」を感じられます。あとは祇園祭。浴衣を着て、友達と遊んで、美味しいものを食べて、とても楽しかったです!
秋は、醍醐寺、清水寺の紅葉。落ち葉の上を歩くとサラサラと綺麗な音がして、そんな中で写真を撮ることができるのも、秋という季節の良さだと感じます。
冬は、金閣寺、伏見稲荷大社の雪。金色の寺と白い雪が太陽の光を浴びて、眩しくてすごく綺麗です。伏見稲荷大社の千本鳥居に雪が積もると、鳥居の赤と雪の白が重なって、まさに京都ならではの景色だと思います!
京都には四季折々の魅力があって、ここで過ごす毎日が楽しいですし、明日への期待もいっぱいです!
京都の匂い 古典と伝統
私は歴史や伝統を感じられるものが好きなので、これも京都が私を惹きつける理由の一つです。京都の街は今と昔の要素がうまく融合していて、都市の便利さを感じられると同時に、歴史や伝統文化も体験できます!
花見小路通を歩き、周りの建物や着物姿で歩く人たちを見ているうちに、まるで時空を越えて古い時代に戻ったような気分になれます。
そして、お寺や神社もたくさん残っていて、それらの由来や物語を一つずつ読むと、とても楽しくて、歴史の流れを感じられます!
もちろん、建物だけではなく、茶道、華道、能、狂言などの伝統文化も京都独特の魅力です!
私は「京都に来てよかった」と本当に思います。
不安や焦りを感じた時、祇園に行って茶葉の匂いを嗅ぐと、心が静かになります。
また疲れている時、嵐電に乗って窓の外の風景に見入ったら、暗い気持ちも和らぎます。
そして天気が良い時は、友達と岡崎公園に花見に行って、桜に囲まれながら楽しくピクニックもできます!
この街には、まだ私が知らないおもしろさと物語がたくさん残っています。学生生活を送りながら、新しい発見をするのがとても楽しいです!
(同志社大学 理工学部 張岐林)