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こころのふるさとで過ごそうと

幼い頃の思い出、きょうとから京都へ

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幼いころ、私はよく父の外出に付いて回ってばかりいました。移動手段は主に父が運転する車に私が同乗し て、これといった理由も目的も無く、ただ父を追いかけて。車窓から望む風景や車を降りて歩いて回る街並み等がとても新鮮で、自分の知らない道や場所を覚えていくことが楽しかったのだと思います。

私がはじめて「きょうと」を訪れたときもその一環でした。その日は五山の送り火で、昼過ぎから人や車の往来が激しく、またうだるような猛暑であったことも憶えています。送り火の点火までだいぶ時間に余裕があったこともあり、私は父に連れられて大きな通りを歩きました。道脇には様々なお店が軒を連ねており、その間を色んな人が縫うようにすれ違って行く。そんな光景が私の幼心にひどく楽しく感じられ、同時に何ともふしぎな思いに駆られて、後に見た送り火の様子より色濃く記憶に焼き付けられました。おそらく、その時に「きょうと」の潜在的な魅力に惹きつけられていたのだと思います。ちなみに、その通りが新京極通や寺町通周辺のことであったと知ったのは、だいぶ後になってのことです。

地元である大阪府北東部の高校に入学するに伴い、自然と電車の利用頻度が増えてからしばらくして、はじめて私は「きょうと」が想像していたよりもずっと近くにあったのだ ということを知りました。その感動たるや絶大なもので、「父の手を借りずにここまで来れるようになったんだ」と少し感慨深くもなりました。以降、私は幼いころに見たあの「きょうと」を曖昧模糊としたものではなく確固たるイメージ、「京都」に昇華させようと、高1 の5月あたりから月に2~3度のペースで市内とその近辺を散策するようになりました。その延長線上に、京都の大学へ進学するという選択肢があったので、現在通っている大学へと進学することを決意しました。

空想の世界を追体験したくて

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京都を観光しようと考えたとき、具体的にはどういったことをイメージされますか?私がパッと思いついたものだと、寺社仏閣巡り、ショッピング、またはスイーツ巡りをされる方も多いのではないでしょうか。その他にも、これぞ定番といったものや自分だけの楽しみ方があるという風に各人各様であるかと思います。さて、ここでは私の、どちらかというと後者寄りの楽しみ方をご紹介させていただこうかと思います。

突然ですが、明治~大正、昭和初期を生きた作家である梶井基次郎(かじいもとじろう)はご存知でしょうか。彼の代表作と評される『檸檬』。このタイトルを耳にしたら、そういえば聞いたことがあるかもという方も多くいらっしゃるのではないかと思います。現在では、高校・大学で、授業での教材として取り扱われている学校も多いようで、私も高3の頃に学習しました。

この作品、実は舞台となっているのが現在の寺町通、新京極通、京都市役所周辺で、作中の中盤より登場する「丸善」というお店も(さすがに昔のままというわけではありませんが)現在、河原町三条にある京都BAL(バル)内にて営業を行っています。併設されているカフェでは可愛らしい檸檬ケーキも提供されているようなので、気になった方はぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

あああ

店内に展示している『檸檬』コーナーの一角

何度も何度も京都を散策していくうちに私は自分の知見だけではなく、誰かの体験に基づいた京都についても知りたいと考えるようになり、京都を舞台にした小説や映像作品等に手を伸ばすようになりました。『檸檬』を読んだのもそれがきっかけです。その他にも、より私たちの世代に人気の高い 京都が舞台の作品を挙げるならば、森見登美彦氏の『有頂天家族』をはじめとする「たぬき」シリーズ他、岡崎琢磨氏の「珈琲店タレーランの事件簿」シリーズ、万城目学氏の『鴨川ホルモー』、宇治が舞台で京都アニメーションによりアニメ化もされた武田綾乃氏の「響け!ユーフォニアム」シリーズ等々、膨大な数の作品が存在しています。当初は先述した通り、京都をより深く学ぶためにと作品群を手にしていたのですが、だんだんと作品の世界観を追体験することのおもしろさに魅了されていました。もちろん、人によりけりだとは思いますが、私にとってこれは何ものにも代えがたい魅力にあふれた体験で、まるで自分が物語の世界に迷い込んだような感覚を味わえるのです。しかも、これは京都を舞台にした作品があればあるほど、それだけオリジナルの、自分だけの京都を体験できるわけで、言うならば半永久的に味がコロコロと変わる妙味のあめ玉を舐め続けているような感覚を楽しむことができるのです。

誰のものでもない自分だけの…

あくまで一例として、私の京都の楽しみ方 、いかがでしたでしょうか。この街は不思議なもので、捉え方が少しでも異なると他のそれとは全く違う、異世界となったように見えてくる特性があると私は考えています。その特性を少しでも、京都学生広報部サイト「コトカレ」を媒介にして読者の方々に体験していただけるような記事をお届けできるよう努めて参ります。あなたもぜひ、一度京都まで足を運んでみて、誰のものでもない自分だけの「京都」を探してみてはいかがでしょうか。

 

(龍谷大学 法学部 牟田神東拓也)

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