【学生がつなぐ!京の社長バトン】「よーじや=あぶらとり紙」だけじゃない!驚きの進化の仕掛け人、國枝代表にインタビュー

皆さん、こんにちは!
京都に本社がある企業の社長にお話を伺う社長インタビュー企画第5弾。
今回お話を伺ったのは、今年で創業122年を迎えるよーじやグループの代表取締役、國枝昂代表です。
2019年に29歳という若さで代表に就任されてから、「よーじやと言えば、あぶらとり紙」のイメージを覆す数々の“挑戦”を続けられています。
もくじ
今の「よーじや」はあぶらとり紙だけじゃない!

実は今、「よーじや」が驚きの進化を遂げていることをご存じですか?
それを知るためのキーワードは以下の6つ!
#全国展開 #ライフスタイルブランド #十割そば #京都貢献 #ロゴ変更 #よじこ誕生
従来の「よーじや」のイメージからは想像がつかない、驚きのワードが並んでいますよね。
「よーじや」は「脱・観光依存」を掲げ、「みんなが喜ぶ京都にする」というスローガンのもと、京都の人々に愛される会社になるための挑戦を行っています。
例えば、スキンケア商品の全国販売、ライフスタイルブランドとしてショップとカフェを融合、オフィス街での「十割蕎麦専門店 10そば」の展開など。昨年末には、せいろ蒸しなど京都府の素材にこだわった「26(にーろく)ダイニング」を出店しました。2025年3月には、おなじみの手鏡に映る女性のロゴを刷新。新たにコーポレートキャラクター「よじこ」を誕生させるなど、大幅なリブランディングを行っています。
今回のインタビューでは、「なぜ飲食店を?」「なぜおなじみのロゴを変えたの?」など、気になる疑問を國枝代表に直接お伺いしてきました。
老舗ならではの葛藤や代表の人生観を赤裸々に語っていただいています。
あぶらとり紙の売上はおよそ15% 老舗企業「よーじや」の方針転換の背景

実は、「よーじや」は元々あぶらとり紙の会社ではなく、舞妓さんへの白粉などの舞台化粧道具の販売から始まり、「楊枝」(現在の歯ブラシ)で人気になった会社です。35年前のあぶらとり紙ブームをきっかけに、京都観光の定番みやげというイメージが定着しました。
―「脱・観光依存」を掲げておられますが、その狙いを教えてください。
あぶらとり紙ブームの結果得られたものは「知名度」です。一方で、地元の方々の支えを失ったと考えています。「あぶらとり紙でおなじみのよーじや」と言われていますが、近年あぶらとり紙を使う人は減少してきています。観光客に認知はあっても、地元の方々には観光客が行くお店だと思われているんです。観光客に応えられるブランドであり続けながらも、地元の方々からも必要とされるブランドでありたいという想いから「脱・観光依存」を掲げました。
-様々な変革を行う中で、大変だったことはありますか?
実態とイメージのギャップが大きいことです。周囲からは一生安泰だと思われていますが、現在、あぶらとり紙の売上は約15%で、売上における比重が減ってきているにも関わらず、イメージだけが残っています。近年は京都でも海外の会社のお店が増えていて、「京都で歴史があるお店だから」という理由だけで買おうとは思ってもらえない。あぶらとり紙屋でいてほしいという周囲の想いを守ろうとすればするほど従業員を守れないし、京都の経済発展にも貢献できない。それをみなさまに理解してもらう難しさがあり、課題です。
―原動力や想いをお聞かせください。
インバウンドが増えるにつれ、「京都ブランド」ではなく、「日本ブランド」としてまとめられてしまっていると感じています。「守る」というと聞こえがいいですが、「長く守らないといけない」は危険だと考えています。守るのは大切ですが、長く守った結果残るのは希少性だけ。私は「何のためによーじやというブランドを残していかないといけないか」ということを大切に考えています。
―「よーじや」の強みは何ですか?
最大の強みは「商品力」だと考えています。よく「よーじやの商品は安心できるよね」、と言っていただくことがあります。26(にーろく)ダイニングも、「よーじやさんなら安心できる」というお声を聞いたので、裏切らないようにしたいです。そして、「美しさ」を追求できることが「よーじや」の強みだと考えています。
-そもそも、なぜ「食」の事業を始めたのでしょうか?
実は、カフェは20 年以上前から、蕎麦屋は「よーじや」というブランド名を使わずに運営していたんです。このノウハウを活かして蕎麦屋を再始動することになった時、地元をターゲットに価格を抑えることにしました。今までの経験を活かしつつ、地元に受け入れられる「よーじや以外のブランド」を作ることで、イメージを変えたい。「よーじや」の強みは「美しさ」の追求です。食にもこだわることで、「内側からの美」のジャンルで社会に貢献できると考えています。十割そばは、麵類の中でも、蕎麦という少し珍しい領域で独自性を出せると考えました。
-若者・学生を意識した商品はありますか?
現在最も売上の高い商品は「ハンドクリーム」で、若者には「オードトワレ」が人気です。また 10代~20 代の方々の中には、カフェしか知らないという人もいます。10 年後にはあぶらとり紙を知らない人もいるかもしれません。あぶらとり紙の先入観に依存せず 30 年後を見据えて考えています。


ロゴ変更は苦渋の決断?「よじこ」誕生の真相

-なぜロゴを変更することにしたのですか?また、「よじこ」はどのようにして生まれたのでしょうか?
「よーじや」のロゴを変更することは、私にとって苦渋の決断でした。そのままで良いなら変えたくはなかったです。ただ、前のロゴをそのまま使っていくと何も変わらない。変えたいことが伝わらないと感じ、思い切って変えました。そしていざロゴを新しくすると、想像以上に関心が集まりました。「よじこ」については、新しいキャラクターをどうするべきか、とても悩みましたが、今までのロゴを想起させるデザインを意識するということに決めました。また、「よーじや」のイメージを変えるために、「敷居を低くする」ということにもこだわりました。そもそも以前のロゴは、創業時から使っていたものではありません。あぶらとり紙の表紙に載せていたものが、35年前のあぶらとり紙ブームで有名になり、結果的にいつの間にか会社のロゴになったのです。そのため、ブランドロゴを新しくして、これまでのロゴはあぶらとり紙の商品パッケージとして戻す形で残しました。新しい「よじこ」を宣伝隊長として、皆さんにはこれまでにはない新しいイメージを持っていただきたいと思っています。
「チャレンジし続けることから逃げたくない」自らの性格を強みにして突き進む國枝代表の人生観
-大学時代の学びや経験で、今の社長業で活かされていることはありますか?
実は私は浪人も留年も経験していて、社会に出るのが遅かったんです。そういう意味では順風満帆というわけではなく、挫折は案外味わっている方だと思います。
生きていてずっとしんどかったのは、「素直になれない自分」でした。世渡り上手な方が上手くいく側面もあると思うんですけど、自分は中途半端にあまのじゃく的な判断をすることが多くて。当時は、自分の意見や考えはあるけれど、それをやり切らないから自信が持てませんでした。でも、自分の特徴は、公認会計士試験に合格したこともそうですが、「何だかんだ諦めたことがないこと」なんです。エンジンがかかるのは遅いけれど、一度決めたことを突き詰めれば「自分は間違っていない」と年を経れば経るほど自信が持てるようになりました。
-大学時代に公認会計士という難関資格を目指したきっかけを教えていただきたいです。
公認会計士試験の特徴は、受験資格がないので誰に対してもフラットだということです。また、資格取得のために数千時間勉強するプロセスで、得られるものが必ずあると考えました。もし将来家業を継がなかったとしても、あるいは継ぐためにすぐに新卒で入った会社を辞めることになったとしても、身につけた知識はどこでもアウトプットできる、あらゆる状況を加味して自分にとって良いと思ったのが理由です。
-学生時代にやっておきたかったことなどはありますか?
他人の意見とか他人の目を気にしすぎて、自重した選択がいっぱいあったんですよね。それを全部やっておけばよかったなぁということの連続が大学生活でした。「自分がやりたいことを一つでも多くやっておくべきなのが学生時代」なんだろうなっていうのはすごく思います。
「自分は自分でいいんだ」と吹っ切れたきっかけ
20代の頃、ユーチューブで「人間はタイプが4つある」という話に出会ったんです。「例えば、パーティーが好きな人はパーティーで活躍できる。逆にパーティーが苦手な人はパーティーが好きになれない。だからパーティーじゃないところで自分の活動を見出すべきだ」という内容でした。その動画が多分永遠に自分の中で死ぬまで記憶に残ると思います。この動画をきっかけに「自分は自分でいいんだな」と思えて、すごく生きるのが楽になりました。それ以来、他者のことを気にしなくなり、むしろ「自分の意見を持つこと」こそが自分の強み、優位性だと思えるようになったんです。若いうちにそれに気付いて、挫折や自分の性格を前提に物事が進められるようになったのは良かったと思います。
-座右の銘はありますか。
「正直であること」です。
心の中で思っていても、口に出して言えないことって、大人になればなるほど出てくると思っていて。だからこそ私は、自分が思っていることを言える状態を続けたいと思っているんですね。自分のモチベーションややりたいことに嘘をつかないことが、結果的に新しい挑戦やイノベーションに繋がると信じています。
-経営者としての目標をお伺いしたいです。
経営者は責任を取る立場なので、責任を取り続ける怖さがあるんですけど、チャレンジし続けることから逃げたくないなと思っています。もちろん、チャレンジするっていうのはリスクを取るっていう意味でもあるので、リターンが得られない可能性もあります。でも、最初から挑戦しない安定志向になったら、自分がこの立場にいる必要がないと思うんです。失敗しようが成功しようが挑戦し続けることに、自分が価値を見出したいと思っています。自分の根底にある思いは、「京都に貢献できるかどうか」なので、その目標を掲げていること自体が、自分がいる価値だと思っています。自分が挑戦し続ける限りは、それを達成すること、少しでも近づくことを目指していきたいです。経営者として責任を取り続けることや挑戦し続ける気持ちは、何歳になっても持っていないといけないなという気持ちでやっていますね。
-最後に学生へのメッセージをお願いします。
「人の意見を聞きすぎないこと」を大切にしてほしいです。
親や先生のアドバイスは、背中を押してくれる大切なものですが、技術革新とかも含めてあらゆるものが変わっている中で、それが今の時代の「正解」とは限りません。「自分の人生の責任を取れるのは自分だけ」という前提でいくと、「自分自身はこうあるべき」という譲らない部分を1つでも多く持つことが大事ですし、モチベーションを持つことが重要だと思います。自分の意見を持つことを大事にしてほしいですし、早い段階から丸くなりすぎないでほしいです。
さいごに
老舗の看板を背負いながらも、「正直」な姿勢で挑戦を続ける國枝代表。
会社としての課題を冷静に認識しつつ、常に20年、30 年先を見据えてお話しされていた点が印象的でした。
また、ありのままの自分で突き進む強さ、自分の意見を持つことの大切さを学ぶことができました。
p.s.

インタビュー後、取材班で「よーじや 四条河原町店」に行きました!パスタやパフェ、ロールケーキなどメニューが充実していて、選ぶだけでワクワクしました。
デザートには期間限定で「よじこ」の顔がデザインされていて、とても可愛くて美味しかったです!
入り口にはスキンケア商品や「よじこ」グッズがたくさん売られていて、取材班も皆で「よじこのステッカー」を購入しました!
皆さんもぜひ、進化を続ける「よーじや」に足を運んでみてください!
(同志社大学 商学部 村上紗都)
(同志社大学 文学部 井本真悠子)

