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平安神宮の神主さんにインタビュー!

修学旅行で京都に来た際の定番スポットのひとつ、平安神宮。
今回、この平安神宮で奉職されている神主さんと巫女さんにインタビューをさせていただきました。
まずは平安神宮の神主さんである権禰宜(ごんねぎ)の生嶌和顕(いくしま かずあき)さんに聞いてみたことをご紹介していきます!
(巫女さんへのインタビュー編は来週16日(月)公開予定です!)

平安神宮について

平安神宮は、平安遷都を行った第50代桓武天皇と、幕末期の動乱を生きた第121代孝明天皇が御祭神であるお社です。

平安遷都1100年を記念して明治28(1895)年に創建されました。
全国に16社ある勅祭社(ちょくさいしゃ)のうちのひとつでもあり、また、毎年行われている例祭の際には勅使(ちょくし)が派遣されるなど、皇室とのゆかりも深い場所です。

現在では、修学旅行や結婚式などでも多くの人が訪れています。

神主になったきっかけ

­――神主さんになられたきっかけはなんですか?

家が神社で、両親がともに神主だった影響で、自分がやりたいというよりも、ならないといけないという気持ちで、この道に進むことを決意しました。そして大学で神主の資格を取って、平安神宮に奉職しました。

――平安神宮と家の神社の二つに奉職されているのですか?

はい。神主によってもいろいろなケースがあるのですが、私の場合は、平安神宮で働きつつ、お休みをいただきながら京都市内にある家の神社を切り盛りしています。ですので、普段は家の神社の社務所に住んでいます。平安神宮もそうですが、神社には総代(そうだい)さんといって町内の役員の方々がいらっしゃって、家の神社は総代さんにお願いしてお守りしていただいております。

その仕事内容とは

――神主さんの一日のスケジュールはどんな感じですか?

まず社務所の地下にある潔斎所(けっさいじょ)でお湯につかり身を清めてから、朝拝(ちょうはい)をし、本殿で御祭神にお参りをした後に境内の清掃を行います。昔よく言われたことなんですが、「神主はまず境内をきれいに清掃することが大事」とされているので、身も心も整えています。

平安神宮には25名の神主がいて、それぞれの部署に分かれて16時30分まで業務を行います。

――神主のお仕事のなかでいちばん大変なことはなんですか?

神主になる前から「神主は力仕事だ」と言われていて、やっぱりさまざまな荷物を運ぶ重労働がありますし、それが大変ですね。

――たとえばどういったものを運ばれるんですか?

なんでも運びますね。例えば5年前の大型台風の際には境内の木などが倒れましたし、その処理は大変でしたね。

――部署ごとに分かれて業務が行われているとのことですが、どのような体制になっているんですか?

私が所属しているのが管財部というところで、お守りの発注や、平安神宮内の蔵にある書物の管理などを担当しています。

他には、祭祀部といって祭りのことを行う部署があります。それこそ御祈祷の仕事がメインですね。さらには広報活動などを行う総務部や会計を担う財務部、そして講務部という時代祭などを担当する部署もあります。一般的な企業と同じように、数年ごとに部署異動があります。

――御祈祷(ごきとう)というのはどういったことをされるんですか?

御祈祷というのは厄除け祈願や病気平癒、さらには車の安全祈願などを、祝詞(のりと)を読んで神様にお願いしています。
御祈祷することで病気や交通事故などに必ず遭わなくなるというわけではないですが、していただいた方の心の安泰を後押ししたいという気持ちでやっております。

参拝について

――近年、海外からの観光客が多くなってきましたが、参拝マナーを守ってもらうにもご苦労が多いのではないかと思います。

もちろん、賽銭を納めて手を合わせるものだと認識してくださっている方もいますが、参拝ルールの説明に関しては言葉の違いもありますし、単なる観光地として来られる方も多数おられると思いますし、そういった方々への工夫をどうするのかは、これからの課題だと思いますね。

神社というものは、神様にお詣りをしていただく場所なので、これからの課題として、外国の方にも、必ず手を合わせてもらえるようにしていきたいです。

お守りも単なる記念品としか見られていない場合もあるんですが、お守りというのは身を守るものなんだという認識を持ってもらうように発信していきたいですね。
修学旅行生にも、やはり外国の方と同じように、神様に手を合わせるといったお参り作法は守っていただきたいです。

おわりに

実際に神主の方に貴重なお話を聞くことができ、伝統を守っておられる姿を知ることができました。
この記事をきっかけに平安神宮と神主さんのお仕事についてより身近に感じてもらえたら嬉しいです。

インタビューを受けてくださった生嶌さん、ありがとうございました!

 

 

(取材・文:佛教大学 歴史学部 直江和宣)
(取材:同志社大学 文学部 井本真悠子)

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