インタビュー

コンテンポラリーなバンド?大阪発大学生バンドkohamoの魅力とは

コンテンポラリーなバンド?大阪発大学生バンドkohamoの魅力とは
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京都にはたくさんのライブハウスがあることをご存知ですか?
京都を代表するライブハウスの1つ、KYOTO MUSEのオープン35周年を記念して、「Flying colors」という公演が行われました。
今回は、トップバッターとしてライブを盛り上げた、大阪発大学生バンド、kohamoについてお伝えします!
kohamoは、Vo.三浦海輝、Gt.木ノ瀬大葵、Gt.森本奏音、Ba.中森颯からなる、2024年に結成されたばかりの、注目の4ピースバンドです!

kohamo公式サイトはこちら↓

kohamo公式YouTubeはこちら↓

ライブの様子

Maverick Mom、chef’s、KI_ENといったアーティストが集結した今回の公演で、トップパッターとして出演したkohamo。

登場から場の空気を一瞬で掴み、会場は一気にkohamoの色に。
全身に刺さってくるような音楽を浴び、思わず引き込まれてしまう世界観に圧倒された30分でした。
これぞライブハウスの醍醐味!と言えるような熱気の中で、kohamoの歌が真っ直ぐ届いてきました。

kohamoの皆さんにインタビュー!

ライブ終演後、熱気も冷めやらぬまま、kohamoの皆さんにインタビューを行いました。

―――まず、皆さんの自己紹介をお願いします。

Vo.三浦:Vo.の三浦海輝です。好きな食べ物はお寿司です。
Gt.森本:Gt.の森本奏音です。好きな食べ物はオムライスです。
Gt.木ノ瀬:Gt.の木ノ瀬大葵です。好きな食べ物は味噌汁です。
Ba.中森:Ba.の中森颯です。好きな食べ物はうどんです。

―――ありがとうございます!早速ですが、今日のセットリストで意識したことはありますか?

今回のセットリストはこちら↓
1.How to
2.Nika
3.tritone
4.strobo
5.School bag
6.Gungu

Vo.三浦:今日の1曲目にありますが、最近はHow toを最初に披露することが多いですね。個人的にハマっているということもありますし、ライブの入りとして「掴み」にいけるので。
初めにアップテンポの曲を入れて、どんどん僕らの世界観に落とし込んでいくという狙いもあります。
あと、元々4曲目の予定を「暮らし」から「ストロボ」という曲に変更しました。
「ストロボ」は僕が高校生の時に作った曲で、対バン相手との関係と「KYOTO MUSE」という会場を考慮して選択しました。

Gt.木ノ瀬:久々にやったね。

Vo.三浦:うん。僕らがコピーバンドをしていた時の思い出の曲なんです。「ストロボ」自体の背景が「KYOTO MUSE」というわけではないんですが、僕以外はコピーバンド時代にここに立っていました。

―――普段のライブで気をつけている事を教えてください。

Gt.木ノ瀬:近いところだけじゃなくて、遠くの後ろ側にいるお客さんにも届けるために、目線とかは気を遣っています。「音を届けたい」という思いでライブしています。
Gt.森本:僕的には、バンドの主役であるボーカルが動きやすいように前のスペースを開けてあげるとか、邪魔にならないように気をつけています。
Ba.中森:僕は、ギターとボーカルの3人とは違って、ちょっと引いた位置で斜めを向いているのがデフォルトです。横を向いて弾く時と斜めを向いて弾く時をしっかり区別することを意識しています。
Vo.三浦:僕的には、最初にお客さんをポップな感じで掴んでから、だんだん自分のやりたいようにお客さんを引きずり込んでいけるように工夫してライブを考えて、セットリストを組んだりしています。

―――ステージ上で、お客さんの方を向いて微笑んでいることが多いなと思いました。皆さんお客さんの反応を見ているのでしょうか?

Gt.森本:一番重要やな。
Gt.木ノ瀬:うん、めっちゃ見えてる。
Vo.三浦:それこそお客さん少ない時はめっちゃ緊張するよね。
今日とかはお客さんがいっぱいいてくださったからやりやすかったですし、一人一人の反応を見て、表情とかを特に気にしています。目が合ったら僕らもテンション上がりますし。前のお客さんは楽しみたいと思って前にきてくれていると思いますが、後ろにいる人が盛り上がってくれていると、「届いてるな」と感じて余計ノってきたりします。

(Vo.三浦海輝さん)

―――kohamoの楽曲は三浦さんと木ノ瀬さんが担当されていると聞きました。お2人の楽曲作成時のインスピレーションは、どこから受けていますか?

Vo.三浦:僕の場合は、最近のJ-POPの傾向は常に追いつつも、それだけだと二番煎じになってしまうので、自分の心情、気分、あとはハマっている洋楽とか、昔の曲とかを入れたりしながら作っています。あと、音楽じゃないものを音楽として起こすことに挑戦したいです。
例えば、「机」という概念を音楽として表現するにはどうしたらいいかな?とかですね。そういうことを考えながらやっています。

―――なるほど。

Gt.木ノ瀬:僕は、制作の過程では、流行を分析したり洋楽の要素を取り入れたり、気持ちを反映させたりしているので、(Vo.三浦と)似ているかなと思います。
最近面白いなと感じているのは、制作する場所を変えてみると、新しい感性をセーブできることです。家だけじゃなくて、カフェに行ったり公園に行ったり、いろんなとこで作るようにしています。
Vo.三浦:気分変わるしね。
Gt.木ノ瀬:そうそう。
それが自分のマインドとか、作りたいものとか、思い浮かんだものに対してのアプローチとかにも影響を与えているので、最近よくやっています。

(Gt.木ノ瀬大葵さん)

―――森本さんと中森さんは、三浦さんと木ノ瀬さんが作った楽曲を聞いてどんな反応をするのでしょうか?

Ba.中森:良いか悪いか決めるのは2人(Vo.三浦、Gt.木ノ瀬)なんですけど、送られてきたものを聞いて、感想などは必ず伝えるようにしています。
Gt.森本:デモの段階で僕らがうーんって思っていても、編曲でめちゃめちゃよくなることもあるので。
Vo.三浦:うーんって思っているものは大体使われへんし、いけるって思ったものはある程度一致するというか、僕らがいいって思っているものが近いっていうのはあると思います。
Ba.中森:みんな同じものがいいと思っているから、送られてきてあんま納得せえへんのもないよな。

(Ba.中森颯さん)

「コンテンポラリーなバンド」とは?

―――「コンテンポラリーなバンド」というコンセプトを掲げて活動していますが、具体的にはどういうことなのでしょうか?

Vo.三浦:楽曲の話になるんですけど、最近の曲や最新の流行を常に取り入れつつも、「今」よりももっと新しいもの生み出そうとしています。
既存のものから、僕らの芯とかを足していって、コンテンポラリーな新しいものにする感じです。
今あるものとは別物で、それが新しく見えるような音楽を作っていきたい、という意味で、これらを一言でまとめて表現しています。
わかりにくいと言われることもありますが、結成当時から変わっていませんし、僕らも気に入っています。

Gt.木ノ瀬:さっき海輝(Vo.三浦)も言っていたけど、流行りの曲を追いかけるだけだと面白くないってずっと思っていて。昔からいい曲って要素が一貫していて、そういう古典的というか美味しい部分は、僕が音に乗せて、海輝(Vo.三浦)が言葉に乗せて伝えられたらいいなって思っています。
それが「コンテンポラリーなバンド」になればよりいいかなって。
Vo.三浦:コンテンポラリーダンスって結構無茶苦茶やないですか。そんな感じで、何をしてもいいと思っています。
Gt.木ノ瀬:結構実験的な音楽をしているかもしれないですね。
Vo.三浦:J-POPっていう存在自体がコンテンポラリーなものだと思っていて、僕らはその日本のポップスを更新する人でありたいです。
Gt.木ノ瀬:米津玄師さんとかはJ-POPの概念を変えたと思っているんですけど、僕らもそうなりたくて。
Vo.三浦:「これってkohamoっぽくて、新しくて、J-POPの基盤になったよね」みたいなものを確立していきたいです。

オーケストラ隊を率いたツアーをしたい

―――kohamoとして活動を初めて1年と10ヶ月ですが、活動の中で一番印象に残っていることは何ですか?

Vo.三浦:最初、僕らは十代白書っていうイベントに出るために組んだんですけど、その時のライブは今でも鮮明に覚えています。
いいライブをしたかどうかは別として、あそこでいろんな意見をもらった始まりのライブとしてすごく印象的です。
お客さんもいっぱいいましたし、忘れることはないなと思います。

Gt.森本:もう無くなってしまったんですけど、去年の12月に味園ユニバースでライブしたことです。
味園ユニバースがいい箱ですごく好きなんですけど、今年無くなるのかと思って残念で。
今年出られたらいいなとは思っていたんですけど、大きい箱だし心のどこかで味園ユニバースに出るのは無理やろなって思っていました。
でも、オーディションを経て12月に出られることになって、すごく嬉しかったです。

(Gt.森本奏音さん)

Gt.木ノ瀬:僕はイナズマロックフェスに出た時です。
野外の夏フェスのようなステージに立ちたいっていう僕の夢があって、叶うのはもっと先のことになると思っていました。
でもイナズマロックフェスに出ることが決まって、ステージに立ったら、目の前に開けた空と大勢のお客さんと琵琶湖が広がっていて、気持ちよかったです。
Vo.三浦:めちゃめちゃ気持ちよかったねあれは。
Ba.中森:うんうん。
Gt.森本:嬉しかったし。

Ba.中森:僕は1回目の自主企画ですね。初めてkohamoが企画したイベントで、関大前のTHRホールっていうところでやりました。
高校生の時に僕と海輝(Vo.三浦)でコピーバンドイベントを勝手にやろうとして開催したことがあったんですけど、大赤字だったんです。
でもバンドを結成して活動をして、いろんなインディーズのバンドに来ていただいてイベントを開催することができました。
いっぱいお客さんも来てくれて楽しかったし、嬉しかったです。
友達と仲良くやっていたものが、こうしてバンドとしてお客さんを呼べるようになったっていうのがすごく印象的でした。

―――これからのバンドとしての目標はなんですか?

Vo.三浦:管楽器とか弦楽器とかオーケストラとかの楽曲が好きなので、そういう楽器隊を何十人も連れてライブするのにすごく憧れるんです。
ホールでオーケストラ隊を率いた別アレンジのツアーを、全国で何ヶ所もできるようなアーティストになりたいです。
そこに行くためには、もっと上にいかないといけないと思っているので、これを見据えた上で成長していきたいです。

―――次に目指す目標を教えてください。

Vo.三浦:来年アルバムを出したいなと思っています。
そのために、また自分たちが納得できるようないい曲をつくるのが直近の目標ですね。
それこそ新しいJ-POPだと思うものをきちんと作りたいです。
よく言っていることなんですけど、日本に「こういうのどうですか」「こういうJ-POP新しいと思うんですけど」って提案しているつもりなんです。
そういう自分たちが納得できるアルバムを作って、見てくれる人を増やしていって、やりたい箱をしっかりと埋めていくっていうのが来年の目標になると思います。

―――最後に、この記事を読んでいる読者に向けて、kohamoの魅力を伝えてください。

Gt.森本:kohamoの曲って、一曲くらいは刺さると思うんです。
どれか一曲でも刺さってくれたら嬉しいです。
Ba.中森:そうですね、一曲刺さってくれたら、なんか違うなと思った他の曲もちょっと違う曲に聞こえるんじゃないかなと思います。
Gt.木ノ瀬:一曲だけ好きだからライブ行こうっていう感じでもいいと思っているんです。
Vo.三浦:一曲刺さったら他の曲も聴いてもらって、その上でkohamoとは何なのかを皆さんに考えてみて欲しいです。

kohamoとしてJ-POPの最先端を生み出す、そんな彼らの強い意志と絆が垣間見えた取材でした。
日本の音楽シーンの新たな基盤を築くべく、彼らの挑戦は続きます。
まだ始まったばかりのkohamoの歴史をどのように紡いでいくのか、今後の活躍から目が離せません。

(取材・文 同志社大学 文化情報学部 齊藤夏帆)
(取材・撮影 大谷大学 文学部 宇野ヒカル)

この記事を書いた学生

齊藤夏帆

齊藤夏帆

同志社大学 文化情報学部

かほじゃなくてなつほです。主食は音楽。