インタビュー

「若さを強みに、何だって挑戦できる」京都発JKバンド「丸竹夷」インタビュー

「若さを強みに、何だって挑戦できる」京都発JKバンド「丸竹夷」インタビュー
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京都では、数多くのアーティストが生まれてきました。そんな中、今注目を集めているのが、高校生バンド「丸竹夷(まるたけえびす)」です。軽音楽部での出会いをきっかけに結成された彼女たちは、結成からわずか半年でSNSを通じて大きな話題となり、多くの音楽ファンの心を掴みました。

今回は、そんな「丸竹夷」のメンバーに直接お話を伺い、バンドの成り立ちや楽曲制作へのこだわり、今後の展望についてお聞きしました。

丸竹夷とは

「同じ高校に通う、同学年のギター/ボーカルの「姫花」(ヒメカ)、ベースの「莉音」(リオン)、ドラムの「紅留美」(クルミ)からなる「丸竹夷」(マルタケエビス)。「姫花」と「莉音」が軽音楽部で出会い、同じクラスの「紅留美」に声をかけ、高校2年生の秋にクラスメイト3人でバンドを結成。
活動開始から半年も満たない2024年3月にCOMPLEXの「BE MY BABY」を学校で撮影したXでの投稿が1.6万RT、9万以上のいいね、布袋寅泰氏も反応しYahoo!ニュースにも掲載されるなど大バズりし、大きな話題となる。その後も高橋まこと氏やダイノジなどの著名人や、多数のメジャーレーベルからも注目され、さらに京都で行った路上ライブでも100人以上の集客を記録。
作詞・作曲もメンバーで担当、本人たちの資質とポテンシャルも非常に高い。そんな話題沸騰中の恐るべき現役女子高生のデビューが遂に決定!京都から世界に向けて、「丸竹夷」(マルタケエビス)の快進撃が始まる!」(丸竹夷HPより)

丸竹夷の生い立ち

−−丸竹夷というバンド名は、京都の人なら分かると思いますが、それ以外のファンの方はどう感じているのでしょうか?

姫花さん:漢字が読めないと言われることが多いです。「丸竹」までは読めても「夷」が読めないみたいで(笑)。京都の人には、京都のバンドだとすぐに分かってもらえるのですが、京都以外の方にはあまり馴染みがないみたいです。

 

−−丸竹夷というバンド名にした理由は何ですか? 

莉音さん:バンド名をみんなで考えていて、最初は「ピーチガール」っていう案も出ていました(笑)。
本や映画を見ながら良いフレーズを考えていたら、あるとき「丸竹夷」という言葉が思い浮かんだんです。京都らしくて良いなと思ったのと、京都を代表するバンドになりたいという想いを込めてこの名前にしました。

 

−−丸竹夷さんの楽曲は平成のロックバンドのような印象があるなと思ったのですが、影響を受けたアーティストはいらっしゃいますか?

姫花さん:私はBOØWYや布袋寅泰さんが好きで、平成っぽい、古い感じの曲が好きなんです。作曲は私がしているのもあって、丸竹夷の曲も影響されていると思います。

姫花さん

−−他のお二人はいかがですか?

紅留美さん:私は緑黄色社会さんなどの現代っぽい曲が好きですね。

莉音さん:私は歌詞がとても重要だと思っていて、カネコアヤノさんの書く歌詞が胸に刺さるのでいつも参考にさせていただいています。

高校生バンドとしての活動

−−高校生バンドとしてのご自身の強みは何ですか?

姫花さん:やっぱりJKっていう存在自体が強みですね。あとは若いからいろんなことに挑戦できるということは強みだと思います。

 

−−高校生バンドとしての活動で、大変なことはありますか?

莉音さん:平日は毎日学校があって、その後に練習したりSNSを運用していたりするので、それらの両立が大変です。

 

−−紅留美さんはバンド活動で生活していくことを、お父さんに涙ながらに説得されたそうですね。

姫花さん:紅留美のお父さんが厳しくて、バンドをやっている事自体言っていなかったんです。でも活動していく中でどうしても言わないといけないタイミングがあったので、三人で紅留美の家に行ってお願いしました。「娘さんをください」みたいな感じで(笑)。

紅留美さん:父は芸能界のことをあまり理解してくれなくて、特に音楽の世界ってどういう社会なのかということを厳しく問われました。でも他の二人も一緒に説得してくれて、なんとか納得してくれました。

紅留美さん

 

−−COMPLEXの「BE MY BABY」を学校で撮影したXでの投稿が、1.6万RT、9万いいねという大バズリを見せましたが、その時の心境はいかがでしたか?

莉音さん:もともと、バズるように色々工夫して作戦を立てていたんです。

姫花さん:作戦通り!(笑)。やっぱり嬉しかったです。

 

−−布袋さんが反応されるのは予想されていましたか?

姫花さん:そうですね。布袋さんに届けようという想いで投稿したので。

 

−−SNSは全部自分たちで運用されているそうですが、バズらせるコツはあるのでしょうか?

姫花さん:Instagram、TikTok、Xと色々あるんですが、それぞれのユーザー層が違うのでバズらせ方も変わってきます。Xでは比較的年齢層が高めなので、B’z、COMPLEX、BOØWYといった話題は注目されやすいです。
逆にTikTokでは年齢層が低めなので、今流行りのものを取り上げて行くと良いと思います。

3人のこだわりとは……?

−−これまでいくつか楽曲を発表されていますが、それぞれ一番思い出に残っている曲や、おすすめの曲を教えてください。

姫花さん:私は「サキホコレ‼︎」です。3人で最初に作った曲なので、すごく思い入れがあります。3人で一緒に歌うパートもあるし、大切な楽曲ですね。私は普段、歌詞を作ることが少なかったので、歌詞作りで苦戦したのもいい思い出です(笑)。

紅留美さん:私はデビュー曲の「はむはむGX(ギャラクシー)」がやっぱり一番印象に残っています。MV(ミュージックビデオ)もみんなで頑張って撮影したので、すごく思い出深いですね。

莉音さん:私は「まねきねこ」ですね。この曲は童歌「丸竹夷」の歌詞をそのまま取り入れていたり、曲の途中でメンバーの暴露話も入れたりしているんですよ。丸竹夷らしさが一番出ている曲だと思います。

莉音さん

−−楽曲を制作する際に、こだわっている点や気をつけていることはありますか?

姫花さん:私はキャッチーさを重視しています。「サキホコレ‼︎」のサビのメロディは、ドレミファソラシドと上がっていくようにして、誰でも覚えやすく、1回聴いただけで口ずさめるようにしました。あとは、自分が歌っていて気持ちいいかどうかも大事にしています。歌っていて気持ちよくないと、聴いている人にも伝わらないので。

莉音さん:私は作詞するとき、「誰に向けて届けるか」を意識するようにしています。日々思ったことをノートにメモしておいて、そこから歌詞にすることもあります。やっぱり歌詞に嘘はつきたくないので、日常で感じたことを曲にしたいと思っています。

 

−−3月にリリースされるアルバムについて、どんな作品になっているか教えてください。

姫花さん:初めてのアルバムなので、今の私たちのすべてが詰まった作品になっています。タイトルも「丸竹夷」で、ありのままの私たちを表現しています。特にリード曲は、時間をかけて制作しました。

 

−−そのリード曲にはどんな思いが込められているんですか?

姫花さん:「ビキリ18(ビキリエイティーン)」という曲なんですが、お母さんへの感謝の気持ちを込めた曲になっています。普段たくさん支えてもらっているので、それを形にしたくて。アルバム全体としても、いつもお世話になっている人たちへのプレゼントのような意味合いを込めました。

−−3月にはワンマンライブも控えていますが、意気込みを教えてください。

姫花さん:とにかく、来てくれたお客さんを楽しませることが一番ですね!
練習の中では、どうすればもっと楽しんでもらえるか、3人で試行錯誤しています。お客さんに最高のライブを届けたいっていう思いが強くて、3人でバチバチすることもあるんですけど(笑)。

 

−−来場する方々にメッセージをお願いします!

姫花さん:「丸竹夷の世界へようこそ!」と言いたいです。
私たちは、ライブでこそ魅力を発揮するバンドなので、ぜひ生のステージを観に来てほしいです!

今後の丸竹夷は?

−−バンドとして、今後の目標はありますか?

姫花さん:フェスに出たいですね。今年の夏には、どこかのフェスに出演する目標を立てて頑張っています!
あとは、もっといろんな場所でライブを開催したいです。今は京都・東京・大阪が中心ですが、全国で地方公演もやりたいです。

 

−−特に行ってみたい場所は?

姫花さん:沖縄ですね!これは私たちが沖縄でレジャーを楽しみたいっていう気持ちもあるんですけど(笑)。
三線を使ったパフォーマンスなど、今までとは違った新しい挑戦もしてみたいです。

 

−−みなさんと同年代の高校生の中には、進路や自分の人生に悩んでいる人も多いと思います。そういった方にメッセージをお願いします。

姫花さん:迷わずに、やりたいことをやるべきだと思います。私は元々専門学校に行こうと思っていましたが、やっぱり本当にやりたいことをやろうと思って、この道を選びました。後悔するくらいなら、とりあえず挑戦してみることが大事だと思います。

紅留美さん:受験とかで大変な時期だと思うけど、何事も諦めずに取り組んでほしいですね。日々生活していく中で、しんどいと思うこともあるかもしれないんですけど、やりたいと思ったことは、それを突き詰めて最後までやれるといいな、と思います。

莉音さん:私は「これがやりたい!」と思うものがなかなか見つかりませんでしたが、バンドを始めたことで初めて「これがやりたい!」と思えるものに出会いました。だからこそ、まずは何でも挑戦してみることが大事だと思います。

さいごに

今回のインタビューを通して、丸竹夷の3人が持つ熱意や音楽へのこだわり、そして高校生ならではの挑戦する姿勢を感じることができました。同世代の高校生だけでなく、多くの世代の人にとって刺激になるのではないでしょうか。

3月には待望のファーストアルバムのリリース、そしてワンマンライブが控えています。勢いを増し続ける「丸竹夷」のこれからに、ますます目が離せません!

 

「丸竹夷」公式HPはこちら!

ワンマンライブの情報はこちら!

 

 

(写真・文:同志社大学法学部 足立隼太郎)

(文:大谷大学文学部 宇野ヒカル)

この記事を書いた学生

足立隼太郎

足立隼太郎

同志社大学 法学部

好きなもの:唐揚げ、牡蠣
嫌いなもの:イントロに入るまでが長すぎるMV