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【1000年企業インタビュー vol.1】交流を創造する観光を ~株式会社ニシザワステイ・西さんインタビュー~

【1000年企業インタビュー vol.1】交流を創造する観光を ~株式会社ニシザワステイ・西さんインタビュー~
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はじめに

皆さん、こんにちは!
今回は、「これからの1000年を紡ぐ企業認定」に認定されている企業の魅力発信インタビュー企画の第一弾として、株式会社ニシザワステイ ( 以下ニシザワステイ ) の広報である西さんにインタビューしてきました。

旅行会社としてだけではなく、京都×観光を軸に今までにない全く新しい取り組みに挑戦し続ける魅力あふれるニシザワステイについて深掘りしていきたいと思います。
最後まで読み進めると、必ずあなたもニシザワステイのトリコになること間違いなしです!!

~これからの1000年を紡ぐ企業認定 魅力発信インタビューとは~
こちらのリンクに詳細が記載してあります。ぜひご覧ください!

株式会社ニシザワステイってどんな会社?

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2017年に設立されたニシザワステイ。名前だけ聞くとどんなことをしている会社なんだろう?と疑問がわくかもしれませんが、まずはニシザワステイの事業内容について簡単にご紹介します。

観光は交流を創造することであり、面白いものだということを京都という土地から伝えていきたい。京都の内と外をつなぐ入口でありたい、という思いのもと、ニシザワステイは主に4つの事業を展開しています。

1.SIGHTS KYOTO

築100年の元お茶屋をリノベーションした京町家を拠点とするSIGHTS KYOTO。ここはBarとコワーキングスペースが融合した場所であり、コの字型のカウンターを活用することで、地元客と観光客が分け隔てなく語り合い、お互いにリスペクトし合いながら交流を深めることが出来ます。

2.1/KYOTO(キョウトブンノイチ)

近年の観光スポットへ行き写真を撮るだけの表面的な観光ではなく、京都の本質や京都の心に触れて欲しいという思いが詰まったオリジナルツアー事業。京都の伝統を守りながらも新たな挑戦をし続ける人などとの対話を通して、京都の心や考え方をより深く知ってもらい、自分の人生にこの経験を取り入れてほしいと考え作られました。

3.KYOMACHIYA-SUITE RIKYU

京都らしさとこだわりが詰まった1日1組限定の宿泊施設。社長である西澤さん夫婦が目指す「世界一のホテルを作りたい。」という思いの原点となる宿泊事業です。

4.UPCYCLE LIFE HIGASHIYAMA

事業の拠点である東山区は、日本の中でも重要視されている伝統的なエリアであるにもかかわらず、人口減少が著しく日本トップレベルで高齢化が進んでいます。そんな東山区を守りたいという思いから、行政と協力し、持続可能なまちづくりに向けた取り組みを行っています。

このように、京都での交流を創造することを大事にし、今までとは全く違う新しい観光の形を生み出しているニシザワステイ。京都という土地に誇りを持ち、大切にしている気持ちが事業からも伝わり、お話を聞くだけですごくワクワクしました。

〈 株式会社ニシザワステイ HP 〉

どんな時でも自分とまっすぐ向き合う ( インタビュー 1/3 )

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今回お話を伺ったのは、株式会社ニシザワステイ広報の西 麻理恵さん。
新卒で就職した人材系の会社に2年間勤めた後、オランダでワーキングホリデーを経験。帰国後、地元京都を拠点にフリーランスで活動していた際、ご縁がありニシザワステイで働くこととなったそうです。

広報では主にホームページ作成やSNS運用、記事の執筆、バナー作成などを担当しておられ、それに加えて通訳など様々なお仕事もしておられるとのこと。ニシザワステイに欠かせない存在であると感じました。海外経験が豊富で、太陽のような元気はつらつとしたカッコイイいい女性でした!

そんな西さんが、どのようにしてニシザワステイで働くことになったのか。
またどんなところに仕事の魅力を感じておられるのか。
たっぷりお話を聞いてきました!

ーどんな幼少期を過ごされていたのでしょうか?
6歳まではアメリカで暮らしていたのですが、日本に帰ってきてからは自分のアイデンティティがよく分からなくなって、日本語も英語もどちらも中途半端で、うまく話せない感覚があって、自信を持ってしゃべることができなかったんです。
そんな中で救いになったのが、絵や写真といった言語に頼らない表現でした。
言葉で伝えられないことも、絵や写真ならできる。そこに安心感があったんです。今でも 表現することにこだわりを持っているのは、幼少期に「表面で判断されるのが嫌だ」「どうすれば本当の思いを正確に伝えられるのか」と悩み続けた経験が根底にあるからだと思います。

ー幼いころから海外との関わりがあった西さんですが、ワーキングホリデーなどの海外に行くタイミングはどのように決められたのでしょうか?
学生のときから、就職して数年働いたらまた海外に行こうと漠然と決めてはいましたが、年齢に課されるプレッシャーや社会人経験の年数を考えて、25歳になったら仕事を辞めて海外に行こうと決めました。
最初から「ここで一生働く」という気持ちではなく、「ここで得た力が将来につながる」と考えていました。
実際に働いてみると、朝から深夜まで忙しく、「生きている実感がない」と感じるようになりました。23、24歳という大切な時期をこのまま過ごしていいのかと悩み、大学時代から好きだった海外への思いが再び強くなりました。
そこで「25歳になったら海外に行く」と決意したんです。1年行っても帰国すればまだ26、27歳。30歳前後になると結婚やキャリアのプレッシャーが強くなるので、25歳ならまだ自由に選べると考えました。

この思いは会社にも早めに伝えていました。
部長や上司に「25歳になったら海外に行きます」と宣言しておくと、会社も前提を理解したうえでキャリアを考えてくれる。やりたいことを隠して働くのは一番つらいので、私はオープンにするスタンスを大事にしてきました。

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ーやりたいことがありながらも、就活の選択をしたのはなぜですか?
就職を選んだ理由は一番に「その方が自分の力になる」と思ったからです。
会社って、ある意味で成長のためのパッケージが整っている場所。自分より優秀な人がいて、いろいろ学ばせてもらえて、しかも給料も貰える。新卒にとってはすごくお得な環境だと思ったんです。

もう一つは、自分の言葉に説得力を持ちたかったから。
英語に関しても、帰国子女だからできるんでしょ?と言われるのが悔しくて、努力や経験を積んだ上で「こういうことをしてきました」と言える方が堂々とできると思ったんです。
就活せずに、大学生の時にやっていた活動に力を入れていたらどうなっていたんだろう、という思いもあります。でも、就職したからこそ得られた経験が自分を大きく高めてくれたのも事実で、それは本当に良かったと思っています。

ー西さんのお話を聞いていて、行動力の高さに驚いたのですが、その行動力の源は何ですか?
そうですね。大きな原動力になっているのは、「時間を無駄にしたくない」という気持ちです。
オランダにワーキングホリデーで行ったとき、本来は3か月で下りるはずのビザが5か月もかかり、その間は仕事もできず貯金で生活を続けるしかありませんでした。ただ待つだけの時間が本当にもったいなく、せっかく異国に来たのに落ち込んで過ごすのは嫌だと思ったんです。
そこで「どうすればこの時間をもっとハッピーにできるか」と考え、丁度オランダの家を引き払うタイミングがあったので、憧れていたポルトガルで1ヶ月間ボランティアをしながら過ごすことにしました。
実際に行ってみると、人々は陽気でまるで家族のように受け入れてくれて、「できたこと」はしっかり褒めてくれます。そんな環境だからこそモチベーションが高まり、自信が湧いてくるのを実感しました。

私にとって成長につながるのは、常に新しい挑戦で、それはとても幸せな時間でもあります。
根底にあるのは「自分を嫌いになりたくない」という思い。自分の選択を誇れるものにし、正解にしたい。そのために落ち込むことがあっても、「どう行動すれば変えられるか」を常に考えて動き続けています。

交流があるからこそ見えてくるもの ( インタビュー 2/3 )

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ー観光を仕事にしていて、「大変だな」「難しいな」と思うことはありますか?
京都に来てくださる方は観光客であっても地元客であっても、みんな1人の人として会話をすれば境界線がなくなり、「交流が観光を面白くしている」と実感できます。ただ、一歩この場から外にでると、私たちが与えられる影響には限界があると感じます。
SNSなどで「観光客が迷惑」といった投稿やニュースが出ると、そのイメージが一瞬で広がってしまう。本当はそれがほんの一部のケースであって、ほとんどの観光客はすごくリスペクトを持って京都を訪れているのに、その姿がなかなか伝わらないんです。
実際にここに来てもらえたら、観光客に対するイメージは変えられるかもしれません。
でも、ここを知らなかったり、そもそもこうした取り組みをしている会社や場所があることを、京都の住民や日本の方々に知ってもらうのが難しい。そこに大きな課題を感じています。

ーニシザワステイで働いていて「面白いな」と思うことはありますか?
この場所で色々な交流が生まれているのを目にしたり、地元の方から「ここは唯一無二の場所だよね」と言っていただけたりすると、すごく嬉しいです。
「観光」って言葉の意味がすごく広いと思うんですが、ただ観光スポットを巡ることだけではなくて、もっと深い意味があると思っています。
例えば、”海外旅行者” と “地元の人” だけではなく、ここでは普段なら関わることのない日本人同士の交流も生まれます。
私たちの思う観光の本質とは、偶発的な出会いの中から気付きや刺激を得られること。そういった交流が、実際ここで毎日生まれていること自体にとても面白さを感じています。

経験は人生を豊かにする ( インタビュー 3/3 )

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ー大学生へのアドバイスをお願いします!
20代前半はとにかく体力があって、失うものはほとんどありません。だから、得られるものは全部得て欲しいと思います。
今の大学生は圧倒的に情報が多く、SNSなどで他人の経験を見て「行かなくても大体分かる」「やらなくてもこう言われるんだな」と思いやすい。でも、それは本当にもったいないです。とにかく行動力を出し惜しみせず、実際に自分で行って体験して欲しいです!

そして大事なのは、自己肯定感を高めてくれる人を周りに置くこと。友達に引きずられず、自分を後押ししてくれる人との関係を大事にすればもっと伸びていけると思います。

~西さんから学生へのメッセージ~
とにかく学生の間はいっぱい経験をして、自分と向き合って、自分を知ってほしいです
たくさん経験をすれば、自分が何が好きか嫌いか、何が得意か苦手か、何に怒りを感じ何に燃えるのか見えてきます。そうすれば自ずと自己分析や就職活動もしやすくなるし、進路も選びやすくなるので、足を動かして手を動かしてたくさんいろいろな景色を見ると上手くいくと思っています。

おわりに

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今回は株式会社ニシザワステイ広報の西さんにインタビューをしました。
京都×観光の今までにはない新しい風を吹かせているニシザワステイさん。この思いが一歩ずつでも広がり、京都の本質や京都の心がこれからも守り抜かれていってほしいなと感じました。この歴史ある京都の地で、学生生活を過ごせるという貴重な時間に思いをはせ、私も西さんのように日々の経験を大切にできる人になりたいです!

(取材・文 龍谷大学 政策学部 大神芽吹
(取材 京都女子大学 現代社会学部 竹原亜月)
(写真 立命館大学 文学部 小関萌嘉)

この記事を書いた学生

大神 芽吹

大神 芽吹

龍谷大学 政策学部

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