第151回「都をどり」大ざらえ(公開リハーサル)に行ってきました!

2025年4月1日から4月30日の間、祇園甲部歌舞練場で都をどりが開催されています。開幕に先駆けて、3月31日に大ざらえを観劇しました。大ざらえとは、本番直前の最終リハーサルで、習礼(しゅらい)とも呼ばれます。都をどり初体験の大学生が、当日の様子をご紹介します!
今年の都をどりの記者発表会・衣裳発表会の様子を取材した記事があります。観覧前にぜひご覧ください!
また、去年の大ざらえの記事もあります。今年との違いを知りたい方はぜひご覧ください!
もくじ
舞妓さんへの囲み取材
公演が行われる前に、井上八千代お家元と舞妓さんへの囲み取材が行われ、意気込みや見どころについて語っていただきました。

佳つ若(かつわか)さんは今回が初舞台。嬉しさと緊張どちらもある状態とおっしゃっていたことが印象的です。見どころについては総をどりの動きが揃っているところで、また自身が気をつけることとして体に力が入りすぎないようにすることを挙げられていました。
柚子葉(ゆずは)さんは今回が4回目ですが2回目までは新型コロナウイルスの影響を受けて練習など制限が多かったそうです 。意気込みについて、人一倍嬉しかった初舞台の気持ちを忘れず、毎日感謝の気持ちを持って頑張っていきたいとおっしゃっていました。また、見どころについて、総をどりの際、舞妓さんが掲げるうちわの高さが揃っていることに注目してほしいとおっしゃっていました。
また、佳つ若さんの隣に位置するポスターは今年の第151回公演のものです。都をどりのポスターは、時代を代表する日本画家の方々が毎年制作しています。今年のポスターは、昨年に引き続き諫山 宝樹氏が祇園甲部の舞妓さんを描かれました。諫山氏は2024年大河ドラマ『光る君へ』で衣装デザインを担当されました。
いよいよ公演開始!今年の演目は?
都をどりは毎年テーマが変わりますが、今年の公演の演題は「都(みやこの)風情(ふぜい)四季(しきの)彩(いろどり)」で、全8景で構成されています。次の大きな節目である創始200年に向けて、今一度原点に立ち返り、京都の名所とその由緒に目を向け、都の豊かな歴史と文化を巡る構成にしているとのこと。

舞台は「ヨーイヤサァー」の掛け声で幕開けを告げ、揃いの明るい浅葱色の着物で一斉に登場する総をどりから始まりました。始まった瞬間、芸妓・舞妓さんの動きが非常に揃っていることに驚きました。柚子葉さんもおっしゃっていましたが、一人一人身長が異なる中で、掲げるうちわの高さがきれいに揃っていて圧巻でした。通常はお座敷でしかお会いできない芸妓・舞妓さんですが、都をどりでは誰でも鑑賞することができるのも、魅力の一つです。
また、芸妓・舞妓さんの動きと唄・三味線・鼓・笛の息がぴったりで、全てが合わさり華やかで洗練された舞の世界が繰り広げられていました。一度も幕を下ろすことがない中で行われる舞台転換は思いもよらない箇所が動くので、目が離せませんでした。

第1景から第8景まで、京都の見慣れた場所が舞台となっています。五条橋では、牛若丸と弁慶の勝負の様子、清水寺では紅葉を背景に季節の趣を感じることができる優雅な舞が披露されていました。実際に訪れたことのある場所も多く、親近感を覚えるとともにまた現地をに訪れたいと思いました。特に第8景の「平安神宮桜雲」では平安神宮の満開の桜を背景に、出演者全員が登場し華やかなフィナーレを迎え、圧巻でした。
最後に
今回都をどりを観覧するのは初めてでしたが、京都のよさを再発見でき、1時間の公演があっという間でした。また囲み取材では自身と同世代である舞妓さんのお話を聞き、刺激を受けました。京都の春の風物詩である都をどり。春に京都を訪れる方も、京都在住の方にもぜひ毎年観ていただきたいです。
祇園甲部「都をどり」公式HPはこちら
(京都大学 農学部 福井里菜)