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京都で開催「モネ 睡蓮のとき」開会式に参加しました!

京都で開催「モネ 睡蓮のとき」開会式に参加しました!
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「印象派の巨匠クロード・モネ。日本初公開作品7点を含むおよそ50点が春の京都に集う、究極のモネ展。大画面の〈睡蓮〉に包まれた、風景の中へ。」

2025年3月7日から6月8日まで、京都市京セラ美術館にて「モネ 睡蓮のとき」が開催されています。上野の国立西洋美術館では約80万人を動員し、大きな話題を集めたこの展覧会。開幕前の3月6日に記者内覧会が行われ、京都学生広報部も取材に参加しました。今回は内覧会での模様と展覧会の作品を一部紹介します。

「モネ 睡蓮のとき」について

まずは今回の展覧会の概要を紹介します。1874年にパリで開かれた第1回印象派展から150年となる、記念すべきこの年に開催される本展は、印象派を代表する画家、クロード・モネ晩年の制作に焦点をあてたものです。

モネの晩年は、最愛の家族の死や自身の眼の病、第一次世界大戦といった多くの困難に直面した時代でもありました。そのような中で彼の最たる創造の源となったのが、ジヴェルニーの自邸の庭に造られた睡蓮の池に、周囲の木々や空、光が一体となって映し出されるその水面でした。そして、この主題を描いた巨大なカンヴァスによって部屋の壁面を覆いつくす“大装飾画”の構想が、最期のときにいたるまでモネの心を占めることになります。本展の中心となるのは、この試行錯誤の過程で生み出された、2mを超える大画面の〈睡蓮〉の数々です。

本展では、世界最大級のモネ・コレクションを誇るパリのマルモッタン・モネ美術館より、日本初公開作品を7点含む、厳選されたおよそ50点が来日しています。さらに、日本国内に所蔵される名画も加えた、国内外のモネの名作が一同に集結する充実のラインナップとなっており、日本では過去最大規模となる〈睡蓮〉が集う貴重な機会です。

展覧会の内容を一部紹介

 

まず、受付で音声ガイドを受け取ります。本展では、石田ゆり子さんが担当しています。(音声ガイド貸出料金1台650円税込)

【日本初公開】クロード・モネ 《ジヴェルニー近くのセーヌ川支流、日の出》 1897年 マルモッタン・モネ美術館、パリ(エフリュシ・ド・ロチルド邸、サン=ジャン=キャップ=フェラより寄託)

第1章の部屋ではセーヌ河の風景が描かれたものが多く展示されていました。本作品では、光と朝霧に包まれた風景が、青、紫、深緑、ばら色からなるやわらかな色彩の調和のうちに表されます。

【日本初公開】クロード・モネ 《藤》 1919-1920頃 マルモッタン・モネ美術館、パリ

第2章の部屋では藤やアガパンサスを中心とした花々が部屋を彩ります。大の園芸愛好家であったモネは庭を色彩豊かな花々で彩りました。その中でも藤は、池に架けられた太鼓橋の藤棚に這っていました。本作は非常に大きい帯状装飾で、ひときわ明るい色彩と伸びやかなストロークによって描かれています。

監修者シルヴィ・カルリエ氏による作品の紹介

マルモッタン・モネ美術館 コレクション部長のシルヴィ・カルリエさんが、展示室第3章の作品について直接紹介してくださいました。この第3章の部屋は、パリのオランジュリー美術館の睡蓮の大装飾画が展示されているオーバルの部屋を意識して作られたそうです。

クロード・モネ 《睡蓮》 1916-1919頃 マルモッタン・モネ美術館、パリ

1914年から1920年にかけて制作された作品の多くに柳が描かれました。最初のバージョンでは本作品にみられるように、画面の隅に池の土手が描かれ、柳の幹や枝がそのシルエットを浮かび上がらせ、反映が静かな水面にくっきりと際立つ力強い垂直と柔らかな垂れ下がりを画面全体に描かれています。その後、柳の幹や枝の実体と池の土手は徐々に描かれなくなり、モネは水に漂う空間のビジョンを描くようになります。実像と反映との区別が見分けることが難しい表現となりました。

クロード・モネ 《睡蓮》 1916-1919頃 マルモッタン・モネ美術館、パリ

本展のポスターにも採用されている作品です。マルモッタン・モネ美術館所蔵のこの作品に描かれた白い雲は青い空や鮮やかなピンク色の睡蓮の花、そして枝垂れ柳の枝葉とのくっきりとしたコントラストをつくりだしています。

開会式の様子

開会式で登壇された主催者の方々の挨拶を一部抜粋させていただきます。

京都市京セラ美術館 館長 青木淳氏による挨拶

「今回はリニューアル後の北館・南館を使用した大規模なモネの展覧会です。今回は特にモネが晩年に描いた〈睡蓮〉のシリーズを中心に紹介しています。それらの作品では、睡蓮だけではなく、水と空気の境目である水面が描かれ、それは虚像と実像がとけあう世界といえると思います。みなさま、モネの絵がもっている力を感じ、その世界観を体感していただければ幸いです。」

読売テレビ代表取締役社長 松田陽三氏による挨拶

「日本文化を愛したモネと、モネを愛する日本のみなさまにとって究極の展覧会となっています。京都市京セラ美術館にも美しい日本庭園がございますが、モネもジヴェルニーで自ら丹精込めて庭を造りました。見るものを没入体験へと誘う本展は、映像ではなくモネの絵の中に没入できるかつてない内容となっております。体全体でモネを感じていただければ嬉しいです。」

シルヴィ・カルリエ氏(先述)による挨拶

「東京での開催も大変多くの方にご来場いただきました。今回、マルモッタン・モネ美術館所蔵、モネ晩年の作品と日本の美術館所蔵の作品を紹介しています。特に、モネがジヴェルニーの終の棲家で描いた睡蓮や柳など100点あまりのコレクションの中からおよそ50点をここで紹介します。作品をとおして、モネが愛した庭をゆっくりご堪能ください。」

京都展限定コラボグッズも

モネのいろどり琥珀糖
京都ならではのグッズでは、「鶴屋吉信」が手がけるブランド「IRODORI」の人気商品である琥珀糖が、「モネ 睡蓮のとき」京都展限定のオリジナルの風味・パッケージデザインで登場しています!しゃりっ・つるっとした繊細で独特な食感の琥珀糖は、 画材のパステルに見立てたスマートなスティック型で、ほのかに光を透かす質感にのせた淡く美しい色彩が、 本展覧会のメインともなっている〈睡蓮〉を想わせます。本商品は、通常商品にはない「抹茶」風味が入った限定のセットとなっています。

モネ 3種のオリジナルブレンドハーブティー
京都西陣のハーブティー専門店『たま茶』と「モネ 睡蓮のとき」京都展がコラボしてお届けする京都限定ハーブティー!モネの作品にインスピレーションを得て、色彩豊かな花々とハーブをブレンドし、優雅な香りと味わいでその世界観を映し出しました。ジヴェルニーの庭やモネが生きた時代に思いを馳せ、くつろぎのひとときを楽しむことができます。

 

 

さいごに

内覧会では、監修者であるシルヴィさんから直接本展の魅力を伺うことができ作品への理解が深まりました。ぜひ皆さんもモネの晩年の思いに心を馳せながら作品をゆっくりと鑑賞してみてください!

展覧会詳細については公式サイトをご覧ください。

2024年に京都市京セラ美術館で開催されていた「村上隆 もののけ 京都」に関する記事はこちら。

(京都大学 農学部 福井里菜)

この記事を書いた学生

福井里菜

福井里菜

京都大学 農学部

京都のカフェと音楽が好きです