大河ドラマ『べらぼう』(NHK•2025年)京都で撮影!主演・横浜流星さんが語る見どころとは?
(アイキャッチ写真提供:NHK)
2024年6月21日、大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~(つたじゅうえいがのゆめばなし)』(NHK)の京都ロケ取材会と京都府庁への表敬訪問が行われました!たくさんの報道陣に混ざって、学生広報部の部員が取材に参加してきましたので、その模様をお伝えします!
大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』について
(提供:NHK)
2025年の大河ドラマは、江戸時代中期に喜多川歌麿や葛飾北斎といった浮世絵師や作家などの個性豊かな才能を見いだした“江戸のメディア王”蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)の生涯を描きます。
主演は、これまでも数々の映画やドラマで活躍されてきた横浜流星さんです!
大河ドラマは、吉高由里子さん演じる紫式部が主人公の『光る君へ』を現在放送中で、来年の『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』は64作目になります。毎年、およそ一年をかけて毎週日曜日の20:00から放送され、さまざまな時代の人物の生涯を描いてきました。
そのなかでも本作では、田沼意次による田沼時代や松平定信による寛政の改革(日本史の授業で習って覚えている人もいるはず……!) で知られる江戸時代中期が大河ドラマで初めて描かれます。
今年の5月27日から関東近郊で収録が始まり、横浜流星さんは6月15日に、ここ京都でクランクインしました。
もくじ
収録シーンを見学
(提供:NHK)
この日は、右京区太秦にある松竹京都撮影所にて、第1回シーンの収録が行われていました。横浜流星さん演じる蔦屋重三郎が、唐丸(渡邉斗翔さん)という少年と一緒に江戸市中を歩くシーンです。
前日からこの日の早朝にかけて雨が降っていたため、スタッフの方々が、ぬかるんだ地面をバーナーで乾かすなどして現場を整えていました。そこに横浜流星さんが登場!カメラマンさんはじめ、多くのスタッフの方々に囲まれながら何度もリハーサルを行なってから本番を迎えている様子を、この目でしっかりと見学させていただきました。
緊張感漂う現場のなか、真剣な表情で演技に向かわれているため、私たち部員も、手に汗握りながら拝見していましたが、やっぱり生でみるととてもかっこよかったです!
(提供:NHK)
今回の京都ロケは、この松竹京都撮影所のほかに、東本願寺(下京区)、智積院(ちしゃくいん/東山区)、随心院(ずいしんいん/山科区)などでも行われました。
そこでの撮影では主演の横浜流星さんのほかに、田沼意次役の渡辺謙さん、田沼意知役の宮沢氷魚さん、花の井役の小芝風花さんなども参加されたとのことです!
花の井(小芝風花さん)
(提供:NHK)
田沼意次(渡辺謙さん)・意知(宮沢氷魚さん)
(提供:NHK)
田沼意次(渡辺謙さん)
(提供:NHK)
撮影所での取材会
(提供:NHK)
収録の見学が行われた後、横浜流星さんと制作統括の藤並英樹チーフ・プロデューサーによる会見が行われ、報道陣からのたくさんの質問に回答されていました。その様子をお伝えします!
(冒頭のあいさつ)
藤並英樹さん(以下、藤並):“放送100年”(※日本でラジオ放送が始まったのが1925年)を迎える年の大河ドラマですので、数々の時代劇を撮影してきた京都で撮影できることをたいへん嬉しく思っております。
横浜流星さん(以下、横浜):クランクインから一週間経ちましたが、まだ探りながら、京都という空気がきれいで自然に囲まれた場所にいながら、蔦重(つたじゅう)として今生きています。
これから一年半、蔦重とともに成長していけたらいいな、と思っています。
―大河ドラマならではの、難しさや楽しさは?
横浜:久々のドラマ出演なので、まず撮影スピードに驚いていますね。このスピードにちゃんとついていきながら、蔦重として生きていかねばと思っています。
(ドラマの撮影は)やっぱりスケールが大きいと感じますね。舞台で宮本武蔵を演じたこともあって、時代劇自体の出演経験はありますが、テレビドラマでは初めてなので、監督(演出)や所作指導の方と話して、一緒に作っていっていますね。
―演じる蔦重はどんな人物?
横浜:飛びぬけて明るいですね。度胸や責任感もあるんですけど、ダサさもあるので、すごく人間臭い男だと思っています。
性格は共感できるところもたくさんありますが、表面的なところは自分と正反対なので、そこはもう朝からエンジン全開で演じています。
―どういったところが蔦重と正反対な部分なのか?
横浜:底抜けの明るさですね。あんなに顔の表情がころころ変わるタイプではないので、そういう部分は違いますね。彼自身まっすぐな男なので、みなさんに愛してもらいたいですね。
(提供:NHK)
―蔦重の魅力的な部分は?
横浜:責任感があるところですかね。第1回では、吉原を良くしたいと思って一人で奮闘するんですけど、誰も聞いてくれないんですよね。そんなときに出る行動がありまして……。
ふつうの人だったらできないようなことですが、その行動力を持っているんですよね。それは自分も演じる上で大事にしたい部分だし、彼の行動に見習うところは多いですね。
藤並:無鉄砲で向こう見ずな行動力ではなくて、ちゃんと後々商人になっていくのにつながるような、頭を使って行動をしている点は、脚本家の森下さんや横浜さんと話して大事にしていますね。
―蔦重を演じる上で、彼自身についての小説や、同時代の画家の作品も現在残っているが、そういったものには触れられたのか?
藤並:クランクイン前には、美術考証をしていただいている東京国立博物館の松嶋雅人さんにいろいろとレクチャーをしていただいて、この時代の美術や書物などを学ばせてもらっています。
横浜:そういった学びを参考にしつつも、脚本家の森下佳子さんが描く世界観の蔦重を大事に、台本を読み込んで自分にしか出せない蔦重を出していけたらと思っています。
―作中で蔦重が話していた江戸ことばのようなものはどうやって習得した?
藤並:厳密には江戸ことばではなく、今回の大河ドラマで方言は使わないようにはしていますが、「それだと上方(かみがた/※今の京都・大阪近辺を指す)のニュアンスになってしまう」なんてこともあるので、江戸ことば指導の先生に多少のレクチャーは受けました。
―撮影がはじまって“べらぼう”なことはあった?
横浜:火事のシーンですかね。火事から逃げるんですけども、この暑いなかやるのがめちゃくちゃ“べらぼう”だなと感じました。きつかったですね。でもそのおかげで、必死さが無意識に出たので助かりましたね。
―今まで大河ドラマで描かれてこなかった江戸の平和な時代を生きる、武士ではない男性が主人公であるこの作品で、見どころはどこか?
藤並:大河ドラマではこの時代を描くのは初めてなんですが、この蔦重が生きた時代は、たとえば『大岡越前』や『遠山の金さん』など日本の時代劇で描かれてきた時代だと思いますし、町人が主人公の時代劇もお茶の間で観られてきた作品は多いので、時代劇のファンの方には楽しんでいただけると思います。
横浜:初めてだからこそ、そこに挑戦できるのはうれしいですし、お話をいただいた時がちょうどコロナ禍で、エンタメをもっと豊かにしたいと思いましたし、観てくださる方の心が豊かに明るくなればと思い、全力で務めています。
―時代劇に身を置く面白さは?
横浜:すべてが新鮮なので、考えさせられることが多くて、しぐさとかも今と違って興味深いです。知らない部分を知ることができるのが、自分にとってすごく楽しいことですね。これからも楽しみながら乗り越えていきたいです。
―なぜ京都で撮影することになった?
藤並:智積院や東本願寺など、時代劇を撮影するに相応しい神社仏閣がたくさんありますし、この松竹撮影所のように、これまで時代劇の制作に携わってこられたスタッフの方々のお力も借りて、そしてこうした場所も借りて、大河ドラマを制作したいと思いました。
京都府庁への表敬訪問
(左:横浜流星さん、中:西脇京都府知事、右:藤並英樹さん)
その日の夕方には、横浜流星さんが京都府庁を表敬訪問され、西脇京都府知事と面会されました。
報道陣や私たち広報部員は、冒頭の記念撮影のみ参加可能だったため短い時間ではありましたが、松竹撮影所で役を演じているときはまた違った横浜流星さんの姿を間近で見ることができ、部員みな感激していました!
おわりに
この大河ドラマの舞台は江戸(現在の東京)ですが、京都の寺院や、今回見学させてもらったように太秦撮影所でも撮影が行われているというのが、京都に住む大学生としてもとてもうれしいです。
一昔前に比べて時代劇の数が減っていても、その伝統を守り続けている太秦で大河ドラマの撮影が行われるということで、2023年5月には文化庁が京都に移転しましたが、まさに京都が芸術文化発展の中心地としての役割を果たしていると思いました。
- 大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』は、
NHK総合ほかにて、2025年1月5日(日)に放送開始を予定しています。
京都で撮影されたところにも注目しながら、ドラマを観るのが楽しみです!
番組詳細についてはNHKドラマ公式サイトもご覧ください!↓
今年放送中の大河ドラマ『光る君へ』パブリックビューイングに関する記事はこちら↓
2023年に文化庁にインタビューした記事はこちら↓
(取材・文 佛教大学 歴史学部 直江和宣)
(取材・撮影 同志社大学 法学部 足立隼太郎)
(取材・撮影 京都府立大学 公共政策学部 遠藤彩花)
(取材 同志社大学 法学部 原田愛菜)
(取材 立命館大学 産業社会学部 井上日菜里)
(取材 龍谷大学 政策学部 梅垣舞央香)