インタビュー

文化庁、春から京都へ!文化庁 地域文化創生本部事務局長にインタビュー

文化庁、春から京都へ!文化庁 地域文化創生本部事務局長にインタビュー
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文化庁 京都へ

京都市内のいたるところで、こう書かれたポスターを目にしたことがある人も多いのではないでしょうか?

文化庁は、芸術文化の振興と文化財の保存活用などを基本業務としている行政機関です。

2016年に文化庁の京都移転が決定してから7年、本日3月27日からいよいよ京都での業務が本格的にスタートしました!

移転場所は京都府庁に隣接する旧京都府警察本部本館で、改修・新設された新庁舎は昨年末に完成しています。

“明治維新以来最初の中央省庁移転”ともいわれている京都への移転事業。

私たちにとっては、京都の大学生として過ごしているこのタイミングに文化庁が京都にやってくるということで、ぜひこの機会にお話を伺いたい!

そう思い、このインタビューをさせていただくことにしました。

今回は、文化庁のこれからの新たな政策ニーズに対応した事務・事業を先行的に実施してこられた、文化庁 地域文化創生本部の髙田行紀事務局長にお話を伺いました。

 

※アイキャッチ画像引用元

京都市情報館 https://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/page/0000195679.html

 

 

取材場所について

今回お話を伺ったのは、東山区にある「文化庁 地域文化創生本部」。
これからの新たな政策ニーズに対応した事務・事業を先行的に実施するために2017年に設置された部署です。

※本取材は、令和5年2月27日に実施しました。東山区にある「文化庁 地域文化創生本部」は、文化庁の京都移転に伴い、現在は閉所しています。

 

京都に移転する理由

―なぜ京都に移転することになったのですか?

もともと首都機能移転に関する議論はずっとありましたが、2015年にその機運が大きく盛り上がり、地方公共団体に対して提案募集をかけました。そのときに京都府と京都市が文化庁の移転を提案されたことで、最終的に決定したという流れになります。
当時は安倍晋三内閣で、石破茂地方創生担当大臣のもと、単なる首都機能の移転ということだけではなく、
“地方創生”という観点からも、中央省庁の移転が必要だという機運が盛り上がった時期でした。そういった経緯で文化庁の京都移転が決まりました。
また、京都はもともと神社仏閣などの有形文化財が多いこともあり、これから文化行政を盛り上げていくうえで、京都に移転することによって“相乗効果”をもたらせるという観点もあったんじゃないかと思います。

 

―たとえば国会対応など東京の機関とやり取りする際に、京都に来られたことによって大変だったエピソードはありますか?

それはまたこれからかもしれないですね。
私たちは京都に来てもうすぐ6年経つわけですけども、場合によっては東京に行って政府などに向けて説明をしなければならないこともあったりします。
国会対応についての課題というのは前からわかっていたんですけどね(笑)。急に来て説明してほしいといわれても「最低でも(東京に行くのに)3、4時間かかります……。」という話ですからね。でもそこはコロナ禍によって、みんなオンラインに慣れてきたし、新しい柔軟な仕事のやり方をうまく活用していくしかないのかな、と。
今後は京都に観光客などが戻ってくるわけですから、いろんな課題が出てくるかもしれません。もちろん課題だけでなく良いこともあると思うし、そこはどううまくやっていくか、だと思いますね。

 

先日完成した文化庁新庁舎(上京区)

 

文化庁と京都のこれから

―今回の移転で京都はどのように変わっていくと思いますか?

都倉俊一文化庁長官は、「京都から文化を発信していくということが、グローバルな視点から見ても大きな意味がある」と言っています。具体的な例でいうと、国際会議を開催すると、東京よりも京都のほうが参加率がいいとかね(笑)。
東京で同じ文化のことを発信するよりも、京都から発信するほうが届きやすいことがあるんじゃないかと。
それとうまく連動して、京都府や京都市と連携してお互いの文化行政をより充実させていくことができると期待しています。

 

京都の学生に向けて

―文化の担い手として、京都の学生に期待されていることはありますか?

やっぱり京都って、他の地域よりもいろんな文化が集まっている地域だと思います。生活に文化が溶け込んでいるというのか、街を歩くと感じられるっていうのか。だから京都の学生ってすごく恵まれていると思うんですよ。意外と学生でいるときは気づかないかもしれませんが……。
京都で就職される人もいますが、半分以上は京都の外に行かれると思います。学生時代を京都で過ごしたという経験は、外に出たときに活きると思うし、そういった経験をうまく発信していただけるのは京都にいる学生じゃないかと思うので、京都の学生には、まさに日本文化の広報大使だと期待していいんじゃないでしょうかね(笑)。

 

おわりに

文化庁の京都への移転によって、これから日本の文化が京都を拠点に世界へ発信されていく機会がますます増えていくのではないでしょうか。京都の大学生として、今まで以上に日本の文化を大切にしながら、未来につなげていくことができるよう、自分ができることに取り組んでいきたいと思います。

 

(取材・文)
佛教大学 歴史学部 直江和宣
同志社大学 法学部 足立隼太郎

(取材協力)
文化庁 地域文化創生本部
ホームページ
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/chiho/sosei_honbu/index.html

この記事を書いた学生

直江和宣

直江和宣

佛教大学 歴史学部

船岡山から京都市内を眺めるのが好きです。