インタビュー

走る格闘技!?京都カバディサークル“鴨ディ”にインタビュー

走る格闘技!?京都カバディサークル“鴨ディ”にインタビュー
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大学生になると、これまでとは違うスポーツに挑戦する人も多いと思います。そんな中で、今回紹介するのは“カバディ”です。一見マイナースポーツのイメージが強いカバディですが、実際は“走る格闘技”とも呼ばれ、唯一無二の魅力を持つスポーツです。京都にはそんなカバディをプレーする“鴨ディ”というインカレサークルが存在します。
今回は鴨ディのメンバーのお三方にお話を聞くことができました。


左から
立命館大学1回生の山口渉慎さん(カバディ歴約10か月)
京都大学2回生でキャプテンの加藤昂太郎さん(カバディ歴約1年)
京都大学1回生の川口雷人さん(カバディ歴約3か月)
※7月時点

カバディってどんなスポーツ?

   カバディってどういうスポーツなんですか?

加藤:カバディは、ラグビーとドッジボールを合わせたスポーツだといわれています。ドッジボールみたいなコートがあって、攻めるチームは相手の陣地に1人を送り出すんです。その送り出された1人が7人いる相手チームの誰かを触って自分の陣地に帰れたら、触った人数分が得点になる。
カバディの醍醐味・アイデンティティは、攻める1人は相手の陣地にいる間ずっとカバディカバディとしか言っちゃいけないということです。もし驚いたりして、「うわっ」とか言ったら、もうその時点でその人はアウトになってコートの外に出されちゃう。喜んで声を出すのもダメですね。

   すごく厳しいですね(笑)。

守りでも得点が獲得できるんです。
例えば、攻めの人が守備側の7人に囲まれちゃったり、タックルされてコートの外に出されちゃったりして自分の陣地に戻れなくなったと審判が判断したら、その攻めの人がコートの外に出されて、守りのチームが1点もらえるという感じです。

   じゃあ攻めは個人技で、守りは集団でやるような感じなんですか?

川口:そうですね。守りの瞬間が、会場が一番盛り上がったりもします。

※カバディの詳細なルールについては、鴨ディさんのX(旧Twitter)に動画も投稿されています。興味のある方はぜひご覧ください。
https://twitter.com/kamodhi_kabadhi

鴨ディにまつわるエピソード

   これまでのカバディ歴で印象に残っている出来事はどのようなことですか?

加藤:僕は去年、初めて大会に出たときに、何もできないぐらいボッコボコにされて、試合の途中でお通夜みたいなムードになってしまって悔しかったんです。でも、そこから経験者の方を呼んで教えてもらったりして、6月にあったチャレンジカップっていう大会でみんなが良いプレーを見せてくれました。本当にいいチームになったな、と嬉しく思っています。

川口:僕もチャレンジカップに出たんですけど、手をつないで2人で相手を止めるチェーンという技を山口くんと練習していて、大会でチェーンを決められたときはすごく嬉しくて。

加藤:会場湧いてたな(笑)。

山口:2人のタイミングと相手のタイミングが合わないと決まらない、すごく難しい技なんです。僕たち、体重は軽いんですけど、1人では止められないような人でも2人だったら止められるというように体重差を覆せる技なんです。守備は個人じゃなくてチームプレーなので。そこがカバディの醍醐味ですね。

   逆に大変だったことはありますか?

加藤:端的に言えば場所と人です。カバディは屋内でプレーするので体育館を使いたいのですが、お金もかかるし、学校の体育館を借りるのもサークルだとちょっと厳しいですね。

   SNSで拝見したんですけど、河原でプレーすることもあるんですか?

加藤:そうですね。チーム名の由来は鴨川の河原でやるカバディだから“鴨ディ”なんですけど、河原ってデコボコや傾斜があるので、怪我しちゃうんですよね。
僕らは体育館の使用料を全員で割るようにしているんですけど、それを抑えるためにも人数を増やさないといけないんです。

山口:あと、単純に8人いないと本来の練習ができないんです。カバディは守備が7人で攻撃1人なので8人必要なんですが、今は外部の人を呼んでやっと8人集まるという感じです。

加藤:今も絶賛部員募集中です。
カバディは大学から始めても早い方なので、2回生でも3回生でも4回生の方でも遅いということはない。この時期でも即戦力になり得ます。

これからの目標

   これからの目標を教えてください。

川口:チームとして、まずは絶対に1勝したいですね。自分の技にどんどん磨きをかけ、それを大会で披露したいと思っています。

山口:鴨ディに入る前から言っていたんですけど、立命館大学でチームを持ちたいと思っています。自分は立命館大学のびわこ・くさつキャンパスに通っているんですが、来年から大阪のキャンパスに移るので、そのタイミングで人を集めて新たにチームを作るのは、ひとつの野望です。

   鴨ディから独立しようと考えているんですか?

加藤:やめてください(笑)。

山口:野望ではあるんですけど、なかなか難しいですね。高校生のときは周りにめちゃくちゃ声をかけていて、うちの学年ではカバディといえば山口、山口といえばカバディだよねっていうぐらいだったんですよ。体育教師に、お前いい加減大会に出ろよって言われるぐらい(笑)。
創設メンバーは2、3人ぐらい欲しいんですけど、マイナースポーツなのでまだ見つかっていません。だから(鴨ディを)一から作ったのは本当にすごいな、と思います。

加藤:みんなが練習する環境を整えることも目標にしています。例えば他のチームと練習試合を組むとか、練習の回数を増やせるようにいろんな施設を探すとか、活動が継続できるように環境を整えようと思っています。

   練習試合を開催するのも大変ですか?

カバディの界隈はけっこうフレンドリーなので、いろんなチームに声をかけていただいています。だから、僕の負担はそんなにないです。今度も福岡と名古屋でやらせてもらう予定です。

カバディ・鴨ディの魅力

   読者に向けて、カバディや鴨ディの魅力を教えてください。

山口:あぁ、カバディはモテます。

加藤川口:彼女いないじゃん(笑)。

山口:だってやっぱり筋肉が必要だし、コンタクトスポーツなので……。サッカー・ラグビー・アメフトとかもコンタクトスポーツじゃないですか。じゃあ、モテるんじゃ(笑)。
サッカー・バスケ・カバディ、これがモテる3競技だと思って僕らはプレーしています。
あと、一番日本代表になりやすいスポーツだと思います。日本代表チームがあって強化指定選手もいるので、意外とそのあたりはちゃんとしている競技なんですよ。

加藤:うちの魅力は、人数が少ないので入ったら即レギュラーになれることですね(笑)。

川口:他のスポーツだと控えになって出場できないということは多いと思うんですけど、うちはそんなことは全然ないですね。

加藤:やっぱりアドレナリンが一番出るスポーツですね。間違いなく。

山口:あと、この鴨ディに入って思ったのは、めちゃくちゃカバディに真摯だな、ということですね。集まったらカバディの話しかしないんですよ。ただひたすらカバディを極めたいっていう、ある意味ちょっとヤバい集団ですね(笑)。でも、カバディにめちゃくちゃ真摯で真面目ですね。

川口:最近は、カバディをプレーするだけでも喜びを感じるんです。

加藤:もはややることが楽しみだよな。

   イベントはしないんですか?

加藤:大会に行ったついでに誰かの家に行くことはあります。

山口:この前の大会は、川口くんの実家が神奈川だったので、ホテルの代わりにしていました。

川口:別の大阪のチームの方まで泊めていました(笑)。

山口:そこでも結局夜遅くまでカバディの話をしていましたね。

   そういうサークルを超えた繋がりが深まるっていうのも魅力になりますね。

山口:そうですね。大会に出場して試合したら、もうカバディでは友達なので。試合を見てくれた人からも良かったよって声をかけてもらえたりします。
カバディの大会をYouTubeで生配信しているんですけど、「君、面白かったから解説に来なよ」みたいに声をかけられて仲良くなったりもしました。

加藤: 3試合ぐらい解説していたよな。

   話を聞いているだけでも、山口さんの知識が凄いと感じます

山口:知識っていうか愛なんで。

加藤:確かに、一番愛が強いのは彼かもしれないです。僕も強いですけど(笑)。

川口:僕も毎晩風呂でカバディ、1日1試合見るんで(笑)。

   みなさん完全にハマっていますね。

加藤:やっぱり面白いですね。そうじゃないと続かないです。

山口:カバディをプレーして、さらに大会に出て分かる面白さみたいなのがありますよね。

加藤:盛り上がりは大会じゃないと味わえないですね。試合を見ていて何でこんなに喜んでいるんだろうっていうのが知りたかったら、もう出るしかないですね。

さいごに

カバディの魅力、そして鴨ディのみなさんのカバディへの熱意、愛が非常に伝わってくるインタビューでした。ご協力してくださった鴨ディのみなさん、ありがとうございました。

(龍谷大学 文学部 福岡侑真)

この記事を書いた学生

福岡侑真

福岡侑真

龍谷大学 文学部

「ちょっとだけ無理なことに挑戦してこーぜ」で頑張ります