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“声優アーティスト”だからこそアニソンを|京まふ2023おこしやす大使・伊東健人さんインタビュー

2023年9月16日、17日に開催された『京まふ2023』。

“京まふ”とは西日本最大級のマンガ・アニメイベント”京都国際マンガ・アニメフェア”の略称(KYOMAF:KYOTO INTERNATIONAL MANGA ANIME FAIR)です。みやこめっせとロームシアター京都をメイン会場に、様々なブースやステージ、企画が開催される一大イベントです。

そんな京まふに来場した方の中には、毎年京まふを盛り上げてくれる“おこしやす大使”を楽しみにしている人も多いのではないでしょうか?

今年は声優の伊東健人さんと高橋李依さんがおこしやす大使に就任され、ステージや企画など様々な場面で盛り上がっていました。

 

そこで今回は、そのおこしやす大使のひとり、伊東健人さんにインタビューをさせていただきました!

伊東健人さんは大学を経て声優になった経緯をお持ちとのこと。

どんな学生時代を経て、声優の道を選んだのか。
また、アーティスト活動もされている伊東さんの今の目標についてもお伺いしました。

声優ファンの方や声優を目指している方必見です!!

就職活動をする中で見つけた声優の道

——京まふ2023では6枚のコラボビジュアル(京都の情景と人気作品がコラボしたもの)がありましたが、その中で伊東さんが行ってみたい場所はありますか?

いやあ、決めづらいですね。どこも素敵で全部気になるんですけど、アニメ「わたしの幸せな結婚」とコラボしている「辰巳大明神(たつみだいみょうじん)」ですかね。


©2023 顎木あくみ・月岡月穂/KADOKAWA/「わたしの幸せな結婚」製作委員会

去年の京まふ2022にステージ出演者として参加した時は、その後街中を散策していました。神社仏閣を巡ったのは、京都に初めて行った中学の修学旅行のときで、20年ぐらい前なんですけど、辰巳大明神には行ったことがないんですよ。

だから、実際にその場所に行ってその全貌を確かめてみたいです。

——伊東さんは大学に行かれていたということですが、どんな学生時代を送られていましたか?

参考になるかどうかわからないですけど、大学生活の前半は特に何の目標もなくて……。

就職活動をするまでは友達とバンドをやっているか、友達と映画を撮っているかのどちらかでしたかね。

部活は軽音楽部的なところに入っていました。大学の最寄り駅までは頑張って行くけど、大学まで行かないで駅前のゲーセンに行ったり、大学までたどり着いたけど校内に入らずに部室でずっとゲームをしたり、みたいな時間の方が授業に出ている時間より圧倒的に多かったですね。こんなの良くない(笑)。

——でも、大学生だとあるあるですよね(笑)。

どうなんでしょう(笑)。

ただ、バンドにしろ、映画にしろ、友達とやっていた経験は今の仕事に活きているので、無駄なことはなかったと思います。スポーツも好きで、中学・高校までは野球とかに打ち込んでいたので、基礎的な体力も中高でついたと思っています。

声優をやろうと思ったのは大学3年生くらいの頃なんですが、最初は普通に就職活動もしていました。やる気もモチベーションもないまま就職活動をしていて、SPI(適性検査)とかも全く勉強しないまま受けたりしていて、本当に人に褒められるような就活生ではなかったです。

でも就活をして他人とより一層関わるようになって、「自分は人と喋るのが苦手だな」という、これまで漠然と持っていた苦手意識みたいなものを再認識しました。そのとき「これだと今後の人生やばいかも」ということで“喋る勉強”をしようと決め、声優の勉強を始めたのが大学3年の後半から4年の頃だったんです。

——就活をする中で声優の道が見えてきたんですね。

僕の世代がいわゆる“就職氷河期”って呼ばれていて、本当にみんな就職先が決まっていなくて。

もし就職活動がすんなりうまくいっていたら、声優を目指そうと思っていなかったかもしれないです(笑)。就職活動で「全然うまくいかねえ」からの「苦手意識を克服しなきゃ」だったので、今思えばそれで良かったのかもな、とそんなことを思っています。

——では伊東さんにとって大学時代は“人生の転機”だったんでしょうか?

間違いなくそこも転機ではあるけど、わかりやすく「これは確実に転機だったな」って思ったのは、高校で野球部をやめた時ですかね。その頃にバンドを始めて、顧問に「どっちかにしろ」って言われたんですよ。野球を続けるかやめるか、でも来週もライブあるしな……って思ったので、「じゃあ野球部やめます」って言いました。もしもその顧問の先生が「両方やったらいい」って言う先生だったとしたら、僕はきっと高校の時ずっと野球をやっていたと思うし、大学でも続けたんだろうなと思います。

それに正直、野球部とかって就職にめちゃくちゃ有利なイメージがあるじゃないですか。だから大学で野球をやっていて就職活動がすんなりいっていたら、そこで声優を目指していなかったかもしれない……とうまい方に捉えると、そうならなくて良かったなと。もちろん、そうなったらなったで違う人生があったと思うんですけど、そういう意味では野球部を辞めたタイミングが転機でしたね。

結構ネガティブな転機に見えると思うんですけど、今思うと良い方に転がったというか、そういうもんなんだなっていうのを感じます。

あとは友達同士でバンドをやったり、映画を撮ったりしていたので、友達にクリエイティブなアンテナを張っていた人が多かったし、そういう仲間に出会えたっていうのも1つのターニングポイントだったなと。

——もし伊東さんが今、大学生に戻るとしたら、やりたいことはありますか?

そうですね……。声優を目指し始めたのは、今話したようにそんなに早くないんですよ。

元々アニメとかゲームもそこまで詳しかったわけではないですし、お芝居とか演劇みたいなものに興味があったわけでも全然なかったので、そこに対する興味を早めに持ちたい。

みんなが見ていたようなアニメをリアルタイムで全然見ていないんですよね。だから大学生の始めの頃から、アニメやお芝居とかにアンテナを張れていたらどうなっていたかな、みたいな願望はありますね。


(京まふ2023のオープニングステージに登壇された伊東健人さん)

——アーティストとしての活動もされている伊東さんですが、今、目指していることは何ですか?

僕は “声優アーティスト”としてやらせてもらっているからには、 ちゃんと“アニソン”をやりたいなっていうのが1つあるんですよね。

“アニソン”っていう音楽は、ジャンルじゃないんですよ。メタルとかJ-POPとか、アニソンって本当に色々入っているから。そのアニソンアーティストの立ち位置も時代によって、結構コロコロ変わるんですよね。10年前とはまたちょっとその質は異なるんだろうなと思うし、今のアニソンアーティストの中にはもう“アニソンアーティスト”という域を超えて突き抜けている人もいて、アニソンの枠内にとどまっていないんですよ。

——今のアニソンアーティストの中には日本を代表するようなアーティストも沢山いらっしゃいますね。

それはそれですごいなと思いますし、そこと張り合いたいというわけではないけれど、自分は声優アーティストとしてアニソンをちゃんとやりたいし、それを突き抜けたいんですよね。

“声優アーティスト”も結構難しい立ち位置で、もちろん声優は声優なんだけど、音楽の方向性みたいなのをばっちり決めてやっている人もいるし、探りながらやっている人もいるし、J-POPアーティストともちょっと違う。声優アーティストとして、いいとこ取りをしたいんですよ。これから先の時代で自分はどういう立ち位置で何ができるのか探っていきたい。

自分の本業はやっぱり声優だと思っているので、そこは大事にしつつ、他のアニソンアーティストには負けないぞっていう熱量も大事にしつつ、アニメ、アニソン、そしてそこに関わる人たちへのリスペクトを大事にしつつ、ここの黄金比率を僕は今、音楽方面で求めていきたいな、と思っております。

——ありがとうございました!

さいごに

取材時には伊東健人さんのその美声にメンバー一同「おぉ……!(もはや言葉にならない)」と感動していたのですが、“声優とアーティスト、どちらの側面も持つ人だからこその音楽を目指したい”というお話に伊東さんの熱い想いを感じました!
(そして学生時代のエピソードにも、今大学生の身としてものすごく共感しました(笑)。)

あらためて伊東健人さん、ありがとうございました!

 

(取材協力・文:同志社大学 グローバル地域文化学部 西村彩恵)
(取材:京都女子大学 文学部 吉田妃那)
(取材協力:立命館大学 文学部 吉田玲音)

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