京は身近し歩けよ乙女―歩かないと気づかなかったこと
京都で一人暮らしを始めてから2年半ほど。
もうすぐ4回生になろうというこの時期になって、京都での生活を振り返りつつある今日この頃です。
そんな私が今、地元の友達に「京都ってどんなところ?」と聞かれたら、「歩ける街」と答えるかもしれません。
京都は徒歩でどこへでもいける、“コンパクトな街”なのです。
バスや自転車もよく見かける京都ですが、私は断然“歩き”が好きです。
(自転車を持っていないという理由も……笑)
今回は、京都の生活に慣れてきた私が徒歩で見つけた“京都の魅力”をお伝えしようと思います。
あなたの知らなかった京都があるかもしれませんよ?
もくじ
運賃も浮いて一石二鳥!
ある日のこと。
用事の帰りに乗ろうとしていたバスの本数が少なく、タイミングを逃した……!
うーむ、どうしよう。
と、ここでGoogleマップを検索してみると、自宅まで徒歩30分の距離。
その時私の頭の中に浮かんだのは
「歩くか」
私は急ぎでない限り、30分程度なら「歩こう」と思えるタイプの人間です。
というのも、高校時代は運動がてら、片道30分の本屋まで歩くことが日常だったので……。
(2日連続で歩いて本屋で1冊読み切ったこともあります)
とまあ、成り行きで歩くことにした帰り道ですが、京都は寄り道できる場所が沢山あるのが魅力。
帰り道には、北野天満宮がある上七軒エリアがありました。
京都五花街の1つである上七軒には実は2,3回しか行ったことがなかったので、探検目的で寄り道をすることに決定(笑)。
(上七軒の提灯は「五つ団子」)
好奇心に導かれて、出口も知らない小道をくねくねと歩き進めると、どこからか、琴と笛の音が……。
時刻はちょうど昼下がり。
「きっと芸舞妓さんたちが楽器の練習をしているんだろうな」と想像を膨らませながら歩く気分は良い心地。
寄り道をし過ぎて、徒歩30分の予定が1時間ほどかかってしまいましたが、なんだか得をしたような気持ちになった1日でした。
こんな細道、車では通れないですよ?
まさに“夜は短し~”の世界?
(木屋町でおしゃれな雰囲気の看板を見つけちゃいました)
時には、夜に歩くことも。
それってどんな時?
例えば、ゼミの食事会の帰りなど。
私が所属するゼミでは、授業の後に先生が懇親会を開くこともしばしば。
京都の夜の中心地・木屋町や先斗町周辺に行くことが多いのですが、「帰りどうする?」となったときの選択肢の1つが、“歩き”です。
下宿生はお互い近くに住んでいる人が多いので、皆で酔い覚ましも兼ねて歩くのです。
静かになった商店街の様子など、昼とは異なる京都の風景を見るのは楽しいですよ。
その中で、夜遅くまでやっているたい焼き屋を見つけて皆で頬張る時間は幸せです。
ゼミの仲間同士でおしゃべりをしながら同じ地へ帰るのも、“学生ならでは”な感じ。
歩くのは、なにも1人でなくたっていいんです。
塵も積もれば山となる……。
京都の春と秋は、一気に人が増えますよね。
バスも満員。あちこちに観光スポットもある。
そうなれば、歩きは十分なメリットがありそうな気がしません?(私だけ??)
以前、広報部員と一緒に1日紅葉巡りに行った時のこと。
あちこちの紅葉スポットやカフェを転々としていたのですが、そのときの会話がこちら。
「○○まで何分くらい?」
「(徒歩)15分~20分くらいかな。」
「じゃ、歩こっか。」
これが全てに適応されたらどうなると思います?
めっちゃ歩きます(笑)。
塵も積もれば山となる、ってね。
その日の総歩数は、驚異の3万7千歩でした!!!
距離に換算すると、約25㎞。
ハーフマラソン級(笑)。
この日は過去イチ歩いた日でしたが、京都に住んでいると、日常的にかなりの距離を歩いている気がします。
でも、歩いている途中も退屈しないから、歩けるんです。
新たな“京都あるある”の誕生??
“歩き”の日常に小さな楽しみを
(哲学の道にて。後ろ足、伸びちゃってますよ~(コソッ)
目的もなしにただただ歩くだけでも、日常を楽しむことはできますよ。
気になるカフェやお店を見つけたり
近所の家の猫が窓に佇んでいるのを見かけたり
夜の神社で弓道の練習が行われているのをこっそり覗いたり……。
時間や季節によって色づく世界の移りようを感じるのもまた一興。
徒歩のゆるやかな時間の流れが生み出す、至福の時間だと思いませんか?
(同志社大学 グローバル地域文化学部 西村彩恵)