インタビュー

下宿生の味方!すまいの相談窓口・京(みやこ)安心すまいセンターに話を聞いてきた

下宿生の味方!すまいの相談窓口・京(みやこ)安心すまいセンターに話を聞いてきた
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初めての一人暮らしでトラブルに遭った……。

下宿生の皆さん、そんな経験はありませんか?

すまいに関するお困りごとも、専門家に相談すればいいアドバイスがもらえるかもしれませんよ?

 

今回は、京都でのすまいに関するサポートを行っている「京(みやこ)安心すまいセンター」に取材をさせていただきました!

どんな相談ができるのか、よくある事例やSNSで発信している情報について伺いました。

一人暮らしをしている大学生、将来一人暮らしを考えている中高生必見です!

 

京(みやこ)安心すまいセンターとは?


(「京安心すまいセンター」職員の東野美稚子さん)

——京安心すまいセンターではどのような活動をされているのでしょうか?

安心・安全・快適に暮らせるすまいづくりの支援をしています。具体的には「すまいの相談」「すまいの支援」「すまいの普及啓発」「すまいの情報提供」の4つのセクションに分かれています。

特に中心となるのは「すまいの相談」です。その中でも、すまいでの“お困りごと”に関する相談が1番多いですね。

その他に、住宅の新築やリフォームに関する相談、耐震化・省エネ化についての相談にも対応していますよ。

 

また、高齢者や障害がある方の住まい探しの支援や、すまいに関するセミナー開催や動画の公開も随時行っています。

 

——具体的にどんな相談に来る人が多いのでしょうか?

「すまいの相談」の中で1番多い相談が、賃貸借契約(賃貸物件を借りる際の貸主・管理会社との契約)に関するもので、全体の相談の3割ほどを占めています。

自分で物件を探して契約をされる場合、退去するときにトラブルが多いんですよ。

実際に、3~5月くらいの時期には大学生の方からのお電話も増えます。原状回復費用(汚れた部分の修繕費用)を何十万円と、思っていたよりも多額の請求をされて相談に来られる方もいます。

 

——なぜ多額の請求をされるのでしょうか?

基本的に国土交通省によるガイドラインによると、普通の生活をしていて汚れた部分は貸主さんが負担します。ただ、基準が曖昧でどちらの責任かわからないことも多く、貸主さんが借主さんに一括して請求されるケースがあります。

例えば壁紙を汚してしまった場合に、壁紙の部分的な張替え費用だけでなく、壁全面の張替え費用を請求される事例がありますね。

ただ、その中には入居前からの汚れが含まれていたり、壁紙の柄合わせの為だったりすることもあるので、本来であれば全面張替えの費用を負担しなくていいケースも少なくありません。

 

——そうなんですね!こういった事態を防ぐにはどうすればいいですか?

一番大事なのは、入居時です。

入居時は手続きだけして契約書をしっかりと読まない方が多いですが、入居時には、写真など部屋の原状を記録に残すことで、退去時に証拠として提出することもできますし、契約書はしっかりと読むことが重要です。

契約書には、退去時の負担が定められている場合もあるので、「これはちょっとおかしいんじゃない?」と思ったときは契約する前に貸主さん・管理会社さんときっちり話をつけておくと、後々のトラブルを避けることに繋がります。

大学合格後に焦って契約される方が多いと思いますが、契約書だけはきっちりと目を通しておくことが大事なんですよ。

 

——急ぐときほど“要注意”なんですね。

また、引っ越しシーズンの3月に退去する場合、「契約は3月末まででも、退去は3月中旬までにしてください」というケースが多いです。住んでいるのは半月なのに費用は1か月分取られてしまったと、相談に来る方がいます。

ただ、その内容が契約書に書かれていた場合、ハンコを押した時点で内容を承諾したことになるので、覆すことは難しいんですよ。

ですから、契約書にはしっかり目を通し、分からないことがあれば、センターに相談してほしいですね。

京安心すまいセンターのHPにある「京すまいの情報ひろば」では、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」や、入居時のチェックリスト、一人暮らしの人向けの動画などのお役立ち情報を紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

京すまいの情報ひろば:https://miyakoanshinsumai.com/

 

実際にトラブルに遭ってしまったら?

——実際に、退去時にトラブルに遭ってしまった場合はどうすればいいですか?

センターに相談に来ていただければ、まずは職員によるアドバイスをしています。それでも解決しない場合は、予約制で専門の弁護士に法律相談もできるので、専門的なアドバイスを受けることができます。

専門家の意見を管理会社に伝えることによって対応してくれる場合もあるので、お困りごとがあればまずは気軽に相談していただきたいですね。

 

——すまいに関するトラブルというと、近隣住民とのトラブルもよく耳にしますが……。

住民同士のトラブルの解決はなかなか難しいですね。

コロナ禍によって家にいる時間が増えたこともあり、音のトラブルの相談なども増えています。

最終的にご自身が転居する、というケースも少なくありません。ただ、その場合でも専門家に相談することによって、管理会社に契約解消費用の軽減を交渉するなどのアドバイスが得られることもあるので、ぜひ相談してください。

 

——相談はどのようにすればよいのでしょうか?

直接来館していただくか、電話でもアドバイスをさせていただきます。相談する中で弁護士との専門的な相談が必要であれば、予約制でご案内します。

 

——SNSでもすまいに関する情報発信をしているそうですね。

基本的には「京すまいの情報ひろば」で発信している内容を情報発信しています。

あとは、学生に卒業後も京都に残ってほしいという想いもあり、京都でのいろいろな住まい方の事例を紹介しています。

京都の街中は地価が高騰していて、若者にとって家を買うことは大変難しくなっています。

そこで、中古住宅のリノベーション・リフォームの事例を紹介しています。フルリノベーションすると素敵な家ができるんですよ。

建築関係の勉強をされている学生にも興味深い情報だと思うので、見ていただければと思います。

また、イベント・セミナー情報も発信しています。学生が学べるような内容もあるので、ぜひチェックしてみてください。

 

——最後に学生の読者に向けてメッセージをお願いします。

気持ちよく京都で過ごしていただけるように、賃貸のトラブルに遭わないように知識をつけていただいて、お困りごとがあれば、京すまいの情報ひろばやセンターを活用していただければと思います。

「こんなこと聞いてもいいのかな……?」というような些細なことでも聞きに来てください。

また、学生の時だけでなく、卒業後の京都でのすまいももちろんサポートしているので、ぜひ積極的に利用してくださいね。

 

相談までの流れを実際に体験!

今回はセンター職員の方に協力していただき、実際に京安心すまいセンターで相談するまでの流れを体験しました!

まずは市バスでバス停「河原町正面」に到着!

目の前に、京安心すまいセンターがある「ひと・まち交流館 京都」の建物が見えます。
(京阪の清水五条駅からは徒歩7分です)

中に入って階段を降りると……

階段の裏手に京安心すまいセンターの窓口を発見!

中に入ってまずは受付をします。

相談ブースに案内され、職員の方に相談。親切にアドバイスをしてくれますよ!

さいごに

大学生になって初めて一人暮らしを経験する人が多いと思います。

すまいに関するトラブルに遭って、どうしたらいいかわからない……。

そんなときは「京安心すまいセンター」に相談をしましょう!

入居前の相談も歓迎とのことなので、進学先が決まって一人暮らしを考えている高校生の方もぜひ活用してみてくださいね!

公式HP:http://www.kyoto-jkosha.or.jp/sumai/
Twitter:https://twitter.com/kyotosumai_info
Instagram:https://www.instagram.com/kyotosumai_info/

 

(取材・文:同志社大学 グローバル地域文化学部 西村彩恵)
(撮影:同志社大学 社会学部 成田萌)

この記事を書いた学生

かれんちゃん

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