もっと献血を身近に−学生団体『京都府学生献血推進協議会』インタビュー
モールや大学の近くで見かける献血バス。
献血に行ったことがある人もいれば、詳しく知らない……という人もいるかもしれません。
今回、京都府学生献血推進協議会(通称:京都学推)の会長を努める藤井太地(ふじいたいち)さんにインタビューさせていただきました!
献血について、学生団体としての活動について、そして入部したきっかけなどたくさん伺いました。
それでは、インタビュースタートです!
もくじ
「献血」って、「学推」ってなに?
——それでは、よろしくお願いします!
お願いします!
――最初に献血について詳しく伺ってもいいですか?
はい!献血を簡単に説明すると、病気の治療や交通事故の怪我などの治療に主に使われる輸血用の血液を無償で提供することです。血液は人工では作れないものなので、みなさんに献血に協力していただく必要があるんです。
——なるほど。年齢制限などはあるんですか?
女性が18歳以上で、男性が17歳以上になります。体重制限は何ミリ提供していただけるかによります。一般的な400mlの献血だと、男女ともに50kg以上になります。
——そんな献血を推進する京都学推では、どんな活動を行っているんですか?
学推(学生献血推進協議会の略)という団体は全国47都道府県どこにでもあるのですが、僕たちはその中の京都支部に所属しています。その中で、僕たちは京都を中心に献血への協力の呼びかけを通して献血の輪を広めるという活動をしています。
——さきほど、大学内でも献血のポスターを見かけました!大学内での呼びかけも行なっているんですか?
大学内での呼びかけは基本的にはしていません。でも献血バスが大学に来ることもあって、その時に友達に声をかけたりはしていますね。
まずは「献血」について気軽に考えてみよう!
——京都学推に入部した経緯は何ですか?
僕はこれと言った感動的な話はないんですけれど……(笑)。高校の時に部活が一緒だった先輩がボランティア団体に入っているという話を聞いて、「自分もボランティア活動をしてみたい!」と思い、先輩の紹介で入りました。
でも、当時はそこまで献血について詳しく知らなかったです。
入部する前にキャンペーンの事後報告をしている定例会の見学に行ったのですが、その時は全然どういう団体なのか掴めなくて。
その後、呼びかけ活動にも参加した時に、「賑やかで楽しそうだな」という印象を持ったんです。同時に、「この活動をきっかけに献血に来てくれる人が増えたらやりがいになるんじゃないかな」と思い入部しました。
——少し真面目そうな印象を抱いてしまいがちですけど、学推の雰囲気はどんな感じなんですか?
団体のみんなは、“超”がつくほどの真面目ってわけではないんですよ(笑)。
みんな、献血に対して真剣に向き合いつつ、「献血」を堅苦しく考えていません。もっと多くの人に気軽に考えてもらえるような工夫を常に考えていますね。
これは僕らの今後の目標でもあるんですけど、多くの人に「献血」を堅苦しいものと思わせないように、僕らなりに工夫したりしています。そのためにまず、自分達が「献血」に対して難しく考えないでやってみよう!という感じで活動しています。
献血って堅苦しいの? そんなことない!
——実際、より多くの人に献血に対して堅い印象を持たせないために、何かやっていることはありますか?
日本赤十字社の公式キャラクターの“けんけつちゃん”のグッズを作ったり、可愛らしいデザインのグッズを作ったりしています。また、学推のメンバーだからこそできる、若者目線のSNSの投稿を心がけたりして、身近な存在であることをアピールしています。
Twitterでは献血ルームの近くにある食べ物屋さんの紹介、Instagramでは献血の豆知識を投稿しているんですよ。他にも京都学推に興味を持ってもらえるように定例会やキャンペーンの報告なども載せて、団体全体の雰囲気も発信しています!
——確かにSNSを利用することで若者にも知ってもらうきっかけにもなりますね!
実際、若年層の献血者数が減少傾向にあることが課題になっています。なので、僕たちの世代が互いに呼びかけることによって、若年層の献血者数を増やしたいという目的もあります。ただ、呼びかけをしても若年層の方で来られる人は少ないんですよ。若年層にも献血の重要性をわかっていただき、もっと気軽に献血に来てもらえるようにするのが今後の目標です。
——献血バスが止まっていても若年層の方は通り過ぎてしまう人が多いですよね。なんでなんでしょう?
ティッシュ配りをしている人を素通りしてしまうのと同じ感覚なのかもしれません。
あとは音楽を聴いたりしていて、献血を呼びかけている声に気がかない人も多い気がします。
そんな人たちにも「献血行こう!」って思ってもらえるように、僕たちも頑張って呼びかけのフレーズを自分達で工夫していますね。素通りするのは一瞬なんですけど、その一瞬にどれだけ献血のことを伝えられるのかが重要なんです。あとはモールの前で活動することが多いのですが、やっぱり買い物や映画に行くことが目的の人にとっては、時間がないっていうこともあるかもしれないです。
——確かに献血に時間がどれだけかかるかとか私たちも分からないです。
大体40〜50分くらいかかりますね。
しかも無償でやってもらわないといけないので……。
それらの情報を伝えることも僕たちの役割なんです。
——確かに……ボランティアなんですよね。
そうなんですよ。献血をしたらお金がもらえるわけではないので……。
でもその代わりに記念品はあるんですよ!学生が中心になって企画する献血キャンペーンの時は、僕らで記念品の案を出し合っています。
以前大学の近くでやった時は、記念品をモバイルバッテリーにしたので、すごく沢山の人が並んでいましたね(笑)。あとはバレンタインキャンペーンの時には、チョコレートをプレゼントすることを宣伝したら、同年代の人がたくさん来てくれました。
——すごいですね!そういった企画は京都支部だけではなくて、全国の学推とも話し合ったりしているんですか?
はい!各都道府県に支部があるんですけど、京都支部は近畿ブロックに所属していて、年に3回各ブロックの会議が行われています。そこで近畿ブロックの他支部の学推の方達と意見交換や交流会を行なっています。
最近は、各都道府県のご当地もののグッズも考えているんですよ。
——では、最後に「コトカレ」を通して中高生、大学生のみなさんに伝えたいことはありますか?
中高生の方はまだ献血の対象年齢ではないので、献血ができない方が多いとは思うんですけど、今のうちに献血について理解を深めてもらえたらと思います。
僕らもいかに献血の重要性を簡単に、わかりやすく、そして堅苦しくなく伝えられるかというのを模索しながら工夫して発信しているので、「20歳になったらお酒飲もう!」みたいな感覚で「17歳、18歳になったら献血行こう!」というふうに考えてもらえたら嬉しいです。
そして、もし大学生のみなさんで、学推の活動に興味を持った方がいらっしゃったら、気軽に連絡をください!全国的なインカレ団体なので、どの大学の方でも学年関係なく入部することができるのでお待ちしています!
——今日はありがとうございました!
ありがとうございました!
さいごに
みなさん、いかがでしたか?
少しでも献血を身近に思ってもらえたら嬉しいです。
そして、藤井太地さん、貴重なお話ありがとうございました!
↓京都学推のSNSはこちらから!↓
京都府学生献血推進団体Instagram:(@kyoto_gakusui)
京都府学生献血推進団体twitter:(@kyoto_gakusui)
(取材・文:同志社大学 社会学部 成田萌)
(取材協力:同志社大学 グローバル地域文化学部 西村彩恵)