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『であいもん』雪平一果との“出会い”とそれから|結木梢インタビュー

京都の和菓子屋「緑松」を舞台に描かれる、絆の物語、『であいもん』。
現在アニメが放送中で、いよいよ最終話間近となっています。

京都では、景色や行事など、様々な場面で四季を感じますが、“和菓子”もその中の1つ。京都には老舗の和菓子店が多くあり、四季を表現した色とりどりの和菓子はまさに芸術です。

今回は、そんな和菓子の魅力を伝えるアニメ『であいもん』のインタビューを2回にわたってお届け。
第1弾は、物語のヒロイン・雪平一果(ゆきひらいつか)の声優を務めている結木梢(ゆうきこずえ)さんへのインタビュー。
『であいもん』の魅力、アフレコの裏側、また、結木さん自身が声優を目指されたきっかけについてもたっぷりと語っていただきました。

結木梢さんプロフィール

5月26日生まれ。神奈川県出身。
リマックス所属
主な出演作:
アニメ『レゴフレンズ』リズ役、『魔法科高校の優等生』平河小春役など。

「今日はありがとう、和さん」殻を破って一歩前に進む

——アニメ『であいもん』の雪平一果役を演じる際に意識したことは何ですか?
演じる際に監督さんから「自然な子供らしさを大事にしてください」と言われていたので、作りすぎないことを意識しました。“1つのキャラクター”というよりも、日常を生きている“1人の女の子”として自然な10歳の女の子を演じられるように気をつけていました。

——結木さん自身が抱く一果ちゃんのイメージはどうでしたか?
普通の小学 5 年生の子よりは結構大人びているところもあるんですけど、その中でも子供らしい可愛い一面もあり、そこがより映えて魅力的な女の子だな、と思っています。
とても頑張り屋さんな女の子です。

——もう1人の主人公、和(なごむ)さんに対しては最初、冷ややかな視線を向けていましたよね。
そうですね(笑)。でも、1話から今を見比べていただくと、徐々に心を開いていく模様が見られるので、そこも楽しんでいただけるんじゃないかと。

——その納野和(いりのなごむ)役の島﨑信長(しまざきのぶなが)さんとは初共演ですが、第一印象はどうでしたか?
最初に感じたのは、本当にニコニコしたお兄さんだな、と。アフレコ現場より先に顔合わせがあって、そこで初めて挨拶させていただいたんですけど、私はメインキャラクターを演じさせていただくことが初めてだったので、「不慣れなところもありますが、よろしくお願いします」と挨拶したら、島﨑さんは「あっ大丈夫大丈夫。頑張ろうねー!」みたいな感じですごく気さくに話してくださって、笑顔の素敵なお兄さんだと感じました。

——結木さんから見て、島﨑さんと和さんとの共通点はありますか?
1話のアフレコの時、私は緊張して結構ガチガチになってアフレコスタジオに行ったんですけど、その収録が始まる前に島﨑さんが声をかけてくださって、10分間くらいお話しして、緊張をほぐしてもらった時間があったんですよ。
それがなんだか和さんっぽいな、と感じて。その場にいるだけで周りを明るくしてくれるところは、本当に和さんそのままだな、と思ったことをすごく覚えています。

——確かに和さんは自然と周りを笑顔にさせますよね。では、作中で印象に残っているシーンはどこですか?
3話の祇園祭の最後に「今日はありがとう、和さん」って一果ちゃんが言うシーンですね。実はあそこで初めて和さんの名前を呼んでいて、ずっと言えずにモゴモゴしていた気持ちを伝えられたところなので、殻を破って一歩前に進んだ部分もあり、好きなシーンです。

——『であいもん』は京都を舞台に物語が繰り広げられていますが、結木さんにとって京都はどんな場所ですか?
以前はお寺などの遺産や古き良き街並みなど、観光的な意味で京都が好きだったんですよね。金閣寺などの人気のスポットにも行っていました。
でも、『であいもん』に携わって以降、京都に行った時は“日常”やそこで暮らす“人”を見るようになりました。
京都はバス乗り場が多いですよね。『であいもん』についてまだ何も発表されてない時に個人的に行ったことがあるのですが、その時バス乗り場が全然わからなくて、迷子になったんですよ。そしたら、1日の中で4回くらい別の場所・違う方々から「大丈夫ですか」「どこに行きたいですか」という風に声をかけていただいたんです。
場所も人も違うのに、皆さん私が困っていることを分かって声をかけてくださって、京都は本当に人情味に溢れている方々ばかりだと思います。

——では京都でこれから行ってみたい場所はありますか?
それはやっぱり、3話で一果ちゃんと佳乃子さんが出会う、大原の三千院に行ってみたいです。今まで市内を中心に回っていて行ったことがないんです。
なので、そこに行ってみたらし団子を食べるっていうのを達成したくて……(笑)。

(3話で登場する三千院の参道)

——『であいもん』の大きな要素としてやはり“和菓子”がありますが、結木さんは和菓子の中で何が一番お好きですか?
今の気持ちで言うと、練り切りが一番好きですね。

——練り切りにもいろんな種類がありますよね。
そうなんです。でも「この練り切りが好き!」というよりは、練り切りそのものが好きなんです。餡子なのにいろんな色・形があって、その季節ごとで出てくる見た目とかも全然違うけれども、練り切りという1つのお菓子ではある。その幅の広さがすごく面白くて。四季折々の練り切りがあって、そのたびに季節を感じられるところが好きです。

——1 話の先行上映会で出演者の皆さんは和菓子をモチーフにしたアクセサリーを身につけていたそうですが、結木さんは何を着けられていたんですか?
私は原作者の浅野りん先生からいただいたウサギ饅頭の髪ゴムを着けていました。白くて丸いウサギの顔が描いてあるもので、あれは原作で一果ちゃんが身に付けていたアクセサリーと一緒なんです。全く同じものを浅野先生がくださって、それを『であいもん』関連のお仕事の時にはいつも持っていってお守りにしています。

——結木さんは堀河美弦(ほりかわみつる)役の鈴木みのりさんと和菓子作りにも挑戦されていますが、どの作業が一番大変でしたか?
動画でも何回か出てきたんですけど、1つの塊になっている生地や餡子を同じグラムでわけないといけないところ。あれが絶妙に1gとか合わないんですよ。
私とみのりちゃんは結構四苦八苦していたんですけど、職人さんがやると、手元も見ずポンポンポンって無造作にちぎっているように見えて、本当に全部ぴったり同じグラム数になっているんです。これは1日でどうにかなるものではないな、とすごく実感しました。

——本当に職人技ですよね。
そうですね。あと、出来上がった和菓子がすごく愛しく感じます。ちょっと不格好でも、「自分が作ったんだ」っていうのを感じて。
なので、作中で和菓子が売られていくのを惜しむ和さんの気持ちが、和菓子作りを通してちょっとだけ分かりました(笑)。

 

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