インタビュー

【大学生必見】京都市京セラ美術館での授業に潜入してみた!

【大学生必見】京都市京セラ美術館での授業に潜入してみた!
この記事をシェアする

突然ですが、“京都市京セラ美術館で授業”と聞いて、皆さんどう思いますか?
「興味はあるけど、美術に詳しくないし……」「理系だからついて行けなさそう……」そう思う方も多いのではないでしょうか。

そんな皆さんの不安を解消するため、私たちは京都市京セラ美術館で大学コンソーシアムの授業を受けている学生の皆さんと担当の先生、そして京都市京セラ美術館のスタッフさんにインタビューをしてきました。

春学期の履修科目を悩まれている方、「大学の授業ってどんな感じだろう」と思った高校生の皆さん、ぜひこの記事を読んでください!

この授業って誰でも受けられるの⁉︎

京都市京セラ美術館と大谷大学がコラボしたこの授業は「京都ミュージアムPBL科目」といって、大学コンソーシアム京都に加盟する45大学の学生が履行可能な単位互換制度の授業の一つです。

授業を見学!

私たちはまず、授業を見学させていただきました。この日は成果発表会を目前にしたプレゼンテーションのリハーサルが行われていました。6人ほどの3つに分かれたグループごとに発表しました。
最初のグループからは、京都市京セラ美術館の特徴である白壁を利用した映像上映を行おうという案が出ていました。
次のグループからは、海外の美術館の事例を参考にSDGsを達成することを主眼においた商品開発という案もありました。SDGsは世界的に注目されているので、話題になりそうです。
最後のグループからは“キリトリフレーム”という案が出ました。これは、チケットの真ん中を切り取れるようにして、それをフレームを用いて写真を撮ることを促すものです。ただ写真を撮るよりもフレームを用いて撮った写真は、立体感や奥行きが生まれるので写真の見え方も変わり、写真を撮るのが上手くなったように感じることができます。また、捨てられるはずであったチケットを再利用する工夫もあります。また、特に、若者の間では写真をSNSに投稿することが流行っているので、これによる宣伝効果も期待できます。
発表が終わると、京都市京セラ美術館のスタッフさんからのアドバイスを受け、内容をブラッシュアップ。学生目線で聞くと、「楽しそうだな」と思える案でも、現場目線で鋭い指摘を受ける場面も。授業は全体的に和やかな雰囲気でしたが、みなさんのプレゼンテーションから授業に対する熱量が伝わってきました。

先生にお話を伺いました

京都市京セラ美術館でPBL科目を提供されている、大谷大学の宮﨑健司先生にお話を伺いました!

ーーこの授業の狙いは何ですか?
私は大学の博物館実習や展示実習を担当していることもあり、大学の枠を超えてその中身に踏み込んでいくような授業ができたら、と考えています。

ーーPBL科目といつも行う講義との違いは何ですか?
PBL科目には、学生のみなさんが自由にやるものだというイメージがあります。他の授業は、スキルを達成するための授業なのでカリキュラムが決まっていて、計画性という点でも違います。この授業には成果発表会もあるので、企画が固まるまで時間がかかり、こちらも緊張感があります。

ーー様々な大学の学生が参加することでどのような効果が期待できますか?
他大学の学生さんと共に学ぶことで、物事の捉え方の違う面が見られたり、今まで気がつかなかった自分を発見できたりすることなどが期待できると思います。

ーー先生が科目を担当されていてよかった点は何ですか?
面白い気づきがたくさんあることです。もともと関心のあることなので、美術館に関われることは無条件で楽しいですが、さらに、自分では発想しないようなアイデアを学生さんが色々出しているところを見て、良い刺激を受けています。

ーーでは最後に、どんな学生にこの科目を受講して欲しいですか?
今はまだ開講2年目の科目で、PBL科目に関心がある社会学系の学生さんの受講が多いのですが、美術館の展示や博物館に関心が強い人にも是非来てもらいたいです。

次に、京都市京セラ美術館でラーニング・プログラムを担当されている、藤田龍平さんにもインタビューをしました!

ーー今回の学生の取り組みについてどう思われていますか?
みなさんそれぞれのやり方で調べたり、実際に試作したワークシートを試してみたり、しっかり現場に来て自分達が感じたことをベースに進めていて、とても良かったなと思いました。

ーー実際に取り入れたいアイデアはありましたか?
アイデアや考え方にたくさん影響を受けています。学生さんの視点には学生さんたちにしか感じられないものがたくさんあって、今年のプレゼンテーションを全部反映することが出来たら、素晴らしいことだなと思います。

ーー今後どんな学生に受講して欲しいですか?
美術に詳しい人はもちろん、専門性が違う様々な学生さんにも参加してほしいです。美術館は様々な要素の複合体になっています。社会教育施設であることはもちろん、歴史的建築としての魅力や、ミュージアムショップやカフェなど、ゆっくり過ごせる施設であるという要素もあります。経営やプランニングなどを勉強している人にも面白いフィールドワークの現場になっているので、ジャンル問わずPBLの科目のテーマとして最適だと思います。個人的には体育科などの学生さんにも是非来てもらいたいです。

学生のリアルな感想を教えてもらいました

「実際、授業ってどんな感じなの?」私たちが感じた疑問を受講生の方に聞いてみました!

まずは単位互換生(他大学の学生)に質問しました。

ーーどのように他大学のPBL科目があることを知りましたか?
就活も終わり、別のことをしてみたいと思って、学生センターに行きました。
大学受験の時から大学コンソーシアム京都を知っていて、PBL科目が楽しそうだと思っていました。

ーーなぜ京都市京セラ美術館での大谷大学のPBL科目を選んだのですか?
もともと美術に興味はなかったのですが、就職先の仕事で役に立つと思ったからです。
将来就きたい職業と一番関連があり、また興味がある大学だったことも理由です。

自分の将来の夢と関連づけて決める人も多いようです。

ーーPBL科目を受ける上で苦労した点は?
はじめは大学の話について行けず、打ち解けるのに苦労しましたが、LINEグループを作ったことで仲は深まり、色んな人とコミュニケーションが取れてむしろ良かったです。

 

ーー今度PBL科目を受講するなら改善点はありますか?
プレゼンテーションの発表までに打ち合わせをもっとしたかったです。自分が主体的に動くべきでした。
改善点は特にありません。4回生として参加しましたが、下回生に対して先輩面をしないでコミュニケーションを取れたことがよかったです。

次は、大谷大学の学生に質問しました。

ーーPBL科目を受ける上で苦労した点は?
プレゼンテーションを考える際、良い案が思いつかず、努力ではどうもできないことがありました。
はじめは、「4回生としてしっかりしないと」と気負っていましたが、みんながしっかりしていて大丈夫でした。

 

最後に

いかがでしたか?今回は大学コンソーシアム京都が開講している「京都ミュージアムPBL科目」の授業に密着して、その魅力を探りました。
PBL科目は主体性やコミュニケーション能力をもっと身につけたい人におすすめの授業であることが分かりました。
また、他大学の受講生と一緒に授業を進めることは、コミュニケーションの点で苦労することが多そうですが、グループで一緒に課題解決していくと仲が深まっていったという話を聞き、取材をした私たちもチャレンジしたくなりました。

この記事を読んで少しでもPBL科目に興味を持っていただけたなら幸いです。大学コンソーシアム京都の単位互換制度には京都市京セラ美術館以外にも他のミュージアムや世界遺産など様々なフィールドがありますので、気になった方は履修してみてください。きっと他の授業ではできない体験ができると思います。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました!

単位互換制度 特設サイト
https://consortiumkyoto-tanigokan.jp
単位互換・京カレッジポータルサイトe京都ラーニング 開講科目一覧
https://tg-kyoto.consortium.or.jp/course-list

(文:同志社大学: 社会学部 成田萌)
(文:同志社大学: 法学部 原田愛菜)
(取材協力:同志社女子大学 現代社会学部 石黒裕理)

 

この記事を書いた学生

原田愛菜

原田愛菜

同志社大学 法学部

色んな人に京都や大学生活の良さを伝えていけたらと思います!