インタビュー

縁の下の力持ち!知れば納得のJA京都市について

縁の下の力持ち!知れば納得のJA京都市について
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私達の暮らしに欠かせない衣食住。中でも「食」にまつわる生産活動である「農業」は、田んぼや畑を見かけることも多く、身近な存在だと感じる方も多いのではないでしょうか。

最近ではビジネスとしても注目される農業。今回は、農業を支援する組織である京都市農業協同組合(JA京都市)の今井大輔(いまいだいすけ)さんに、京都市で行われている活動や、京都市ならではの農業の特徴についてお話を伺いました。

今回取材に行った京野菜品評会の様子などについてはこちらの記事で!

そもそもJA京都市って何をしているの?

CMなどで「JA」という言葉を聞いたことがあっても、どんな組織で何をしているのか知らないという方は多いと思いのではないでしょうか。JA京都市の機能は大きく3つあり、農家さんを支える重要な役割を担っています。

その1. 営農経済事業

今回インタビューさせていただいた今井さんも所属している事業で、農家が農業を行う際に経営や技術についてアドバイスを行なったり、肥料・農薬・生産資材(トラクターなど)を農家の方に供給する役割を担っています。

その2.共済事業

いわゆる保険であり、JAに所属している組合員を対象に自然災害や事故の際の建物や車の保証、重い病気などにかかった際に一時金を受け取れるなど、万が一に備えた支援の役割を担っています。

その3.信用事業

貯金・融資・為替などのいわゆる銀行業務のことです。「JAバンク」という名称を聞いたことがある人も多いと思います。組合員の方の預金や貸し出し、農業に携わる方が経営拡大したいときに支援を行う役割などを担っています。

今回取材に行った「農産物品評会」などのイベントを開催するなど、農家の方をそして日本の農業を支えているのがJAという組織です。まさに「縁の下の力持ち」のような存在ですね。

夏季農産物品評会でJA京都市の職員の方にお話を聞きました

JA京都市職員の今井さんが、我々の取材を快く引き受けてくださいました。

――京都市の農業ならではの特徴を教えていただけますか?

やはり消費者が身近にいらっしゃるということに尽きると思います。実はJA京都市は他の地域とは異なり、販売事業を主としていないJAなんです。農家の方が作った野菜を農協(JA)を通さなくても消費者に直接売れることはとても珍しく、独自の売り方であると思います。

ご存知のとおり、昔は京都に都があったので、全国の農家が御所を目指し、公家さんの口にあうように技術の向上と改良を重ねてきました。その結果、京野菜が誕生したと言われています。
素材そのものの美味しさを引き立てるための薄味も、京料理ならではの文化だと思います。

――私も含めて学生はスーパーなどで特に何も考えずに野菜を買うことが多いと思うのですが、消費者がどのように農業を認識するのが良いとお考えでしょうか。

それは我々JAとしても重要な課題であると考えています。例えば、東京都練馬区を管轄とする「JA東京あおば」は、JA京都市と似たような都市農業なのですが、そこでは「農地を残さなければいけない、農業は環境の一部だ」という地域住民の理解が成熟しており、農業への意識がとても高いと聞いています。周囲の理解があるということは、農業を続ける上で大きな支えになるかと思います。

我々もどうすれば消費者の理解を得られるのかは模索中なのですが、京都市内で農業を知ってもらうためのPRイベントを行ったりしています。

最近では行政でも、「農地=残すべきもの」と考えられるようになり、生産緑地の貸付や特例貸付などもできるようになりました。農業への企業の介入も認められるようになってきており、風向きが変わりはじめています。我々も農家を続けたい方が問題なく続けていけるよう支援を行っています。

――他にも課題と思われることはありますか?

まずは農家に生まれたら当たり前に農家を継げるようにすることだと思います。今の時代は農家に生まれて、そのまま農家を継ぐ方はとても少ないんですね。
収入の面や仕事の内容など、農家に対して抱くイメージがネガティブなのかもしれません。
汗と泥にまみれてクワを持つ姿を想像したりね。
現在はクワなどを使わない農業が主流ですし、作業着もおしゃれなものが用意されています。

ただ、どうしても「働きにくいのでは?」というイメージもあることは事実なので、「就農」を検討する若い世代には「農業で稼げる」ことをよく知ってもらいたいです。
実は京都市の農家さんは金銭的にも余裕を持ってやられている方が多いんですよ。

――最後に学生に向けてメッセージなどをお願いします!

農業はかっこいいし、稼げるし、非常に重要な産業ですので、もし農業に興味があったら、ぜひ就農して日本の未来を支えてほしいです。家が農家でなくても行政の支援もあります。
思うように進まない時もあるかもしれませんが、京都市内であれば「京野菜」のブランド力を生かしながら私たちJA京都市も全力でサポートさせていただきます。

おわりに

いかがでしたか?
今回の取材をとおしてJA京都市さんは生産者と消費者の距離を近づけて農業を活性化させようとしているのだと感じました。
また、JA京都市は販売事業を行わない、全国でも数少ない地域とのことですが、それには農家さんとJA京都市さんの信頼関係があるからこそ。
「実は稼げる農業」について、もっと知りたくなりました。

この記事を読んで京野菜や農業に少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
以下に今井さんから伺ったイベントについてご紹介します。ぜひイベントに参加して、京都で育った農作物を身近に感じてください。

※京都市内で行われている PRイベントについて

1.毎年秋に行われている梅小路公園での感謝祭
梅小路公園の一角を貸し切って開催され、3万人以上の来場者が訪れます。去年は新型コロナウイルス感染症の影響により中止を余儀なくされましたが、2019年に行われた「京ベジFESTA2019」では野菜以外にも屋台の出店やアーティストによる演奏(「京ベジ音楽祭」)が行われました。

京ベジFESTA2021(11月20日に終了しました)

https://ja-kyotocity.or.jp/%e4%ba%ac%e3%83%99%e3%82%b8%e3%83%95%e3%82%a7%e3%82%b9%e3%82%bf2021/

2.夏は北野天満宮、秋には平安神宮で行われる農産物品評会
今回私たち京都学生広報部員は夏の品評会を取材しました。審査会場はもちろん緊張感はありますが、会場には若いJA職員の方やベテランの農家の方が集まり和気あいあいとした雰囲気で情報交換などが行われていました。

品評会の後には一般消費者に向けた即売会が行われるなど、色とりどりの野菜を見るだけでも好奇心を掻き立てられるイベントです!

(文  立命館大学 産業社会学部 細田大和)
(写真 京都大学 法学部 矢野史穂)
(協力 京都橘大学 健康学部 小池迪代)

この記事を書いた学生

細田大和

細田大和

立命館大学 産業社会学部

面白そうなことにはだいたい首を突っ込んでます