インタビュー

よしもと祇園花月を語る会~第4弾はミキ編~

よしもと祇園花月を語る会~第4弾はミキ編~
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去年からお家で過ごす時間が長くなり、テレビを見る時間が増えた方も多いのではないでしょうか。最近いろいろな番組で若手の芸人さんが活躍されていますよね。中でも人気兄弟コンビの「ミキ」さんは、お2人とも京都出身で、兄の昴生さんは花園大学の卒業生と京都にとてもゆかりのある方々なんです。

また2019年には、京都学生広報部とよしもと祇園花月がコラボして行った特別公演「祇園花月大学」にもご出演いただきました。
この公演では、各大学の個性的なサークルや人気芸人の方々もご出演いただき、リアルな大学生活の様子と笑いを皆様にお届けすることができました。2020年も、よりパワーアップしたコラボ公演を行う計画をしていましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により開催を断念せざるを得ませんでした。

しかしミーティングを続ける中で、よしもと祇園花月や京都の魅力を多くの人に知っていただきたいという思いは変わりませんでした。
そこで企画の形式を変更し、芸人さんのリアルな声や京都への思いをリモート取材で伺い、皆様に記事としてお届けいたします。

今回は第4弾として、ミキのお2人にインタビューした模様をお届けします。
※本取材は、2021年の1月24日に実施しました。

東京を拠点に活動していても変わらない京都への思いを、たっぷりと語っていただきました。

プロフィール

2012年結成。亜生さん(写真左)と昴生さん(写真右)による兄弟コンビ。

2017年の『M-1グランプリ』では3位、2018年には4位に輝く。他にも『第54回上方漫才大賞』新人賞や、『第5回上方漫才協会大賞』大賞を受賞するなど、人気の実力派コンビ。

また2019年4月には東京進出を果たし、最近ではお2人ともドラマに出演するなど活躍の場を広げている。KBS京都ラジオでは、レギュラー番組『ミキの兄弟でんぱ!』が放送中。

ミキを組んでからは、よしもと祇園花月で絶対仕事をしたいとは思っていましたね。やっぱり地元なんで。

――よしもと祇園花月ができると聞いたときはどう感じましたか?

亜生 祇園花月ができるって聞いたときはまだミキを組むという想定もしてなかったので、ここに立ちたいというよりかは、吉本がまた失敗する劇場をつくるんかなと思ってましたけど…。

昴生 見事大成功でしたね!

(一同爆笑)

――大成功でよかったです(笑)。芸人さんになってからは、よしもと祇園花月はどんな存在になりましたか?

昴生 ミキを組んでからは、祇園花月で絶対仕事をしたいとは思っていましたね。やっぱり地元なんで。

亜生 でも祇園花月って、若手の時はかなりスベるんですよ。

昴生   若手の時って女子高生とか大学生に向けてネタを作るんですけど、祇園花月は年配のお客さんも多いんですよ。そこを笑わせるとなると相当の技術がないとダメなので、なかなか歯が立たんかったことが多くて、悔しがりながら京阪電車で大阪に帰ったこともありました。

でもそんなんは逆に幸せというか、僕らは京都出身やから祇園花月にずっと立ちたかったから。最初は前説の出番が入ったときなんか、めちゃめちゃ嬉しかったですよ。

――そうなんですね!地元の劇場への思いが伝わってきます。その頃の印象的な出来事はありますか?

昴生   前説だけでのバトルイベントなんかがありましたね。そこで1位になったら、1回だけ祇園花月の公演に出られるみたいなもので。僕たちはそこで勝ったんですよ。1位になって祇園花月に出て、そうしたら月1くらいでコンスタントに呼んでくれるようになりました。

それから2回目か3回目の時に、祇園花月の支配人から「地元やったら単独ライブやりませんか?」って言われて。そこで初めて祇園花月で単独ライブをやりました。めちゃめちゃ思い出深いです。

亜生 そのバトルイベントも、うちの母親がすごいたくさんの知り合いを呼んでくれまして…。

昴生 (爆笑)

亜生 すごい組織票が動きました。そういう「裏の手口」のおかげもあって、圧倒的1位で優勝させてもらいました(笑)。

昴生 地元ならではやね。

「家でやりなはれ」は1回目から満席

――そんな家族一丸となって勝ち取った舞台があったのですね!よしもと祇園花月とミキといえば「家でやりなはれ」ですが、このイベントができたきっかけは何ですか?

昴生 せっかく地元の京都に吉本の劇場があるんやから、ここで自分たちのイベントをやりたいとは思ってました。最初は祇園花月で毎月単独ライブをしてたんですけど、全国ツアーをするようになってからは、スケジュール的に毎月開催するのが難しくなってしまったんです。

そのとき大阪の劇場で「家でやれ」っていうトークライブをしてたんですけど、この「家でやれ」の語尾を京風な「なはれ」に付け替えて家でやりなはれにしてみたらできるんじゃないか?ということで始まったのがきっかけですね。

―もともとは大阪のイベントだったんですね!!

亜生 イベント名から見てもわかると思うんですけど、家でできるようなトークライブなんです。だからこっそりやろうと思ってたんですよ。でも祇園花月って座席数が502席あるんですね。地元ということもあって「家でやりなはれ」は1回目から満席で…。最初は2人ともめちゃくちゃ緊張して、全然うまいこといきませんでした(笑)。

昴生 こっそりとしたかったんやけど、それにしたら祇園花月が広すぎてね(笑)。でもそのおかげでいっぱいお客さんが来てくれるし、地元の人に向けて京都の話もたくさんできるからめちゃくちゃ嬉しいなって思います。

「家でやりなはれ」の内容はSNSでつぶやいたら駄目???

――なるほど!京都の話題を共有できるのは、地元・祇園花月の良さですね!!トークライブということですが、どんな話をするんですか?

亜生 観に来てくれた特権として、まだ公開したらあかん内容も言っちゃっています。オンエアの話とか(笑)。

昴生 「家でやりなはれ」にはルールがあって、「内容をSNSでつぶやかないこと」。

亜生 特に、お兄ちゃんが芸能人の悪口言ったりしてるところは絶対つぶやいたらだめ!ここだけの話やけどね(笑)。

昴生 そうそう!あとは亜生の恋愛話とかもね(笑)。世に出ていないことも結構話してるし、恋愛話じゃなくてもグロテスクな内容とかもね(笑)。

――そうだったんですね!!(笑) 行ってみたくなりました!!!今後も東京の仕事が多くて忙しくなるとは思いますが、「家でやりなはれ」は続けるんですか?

昴生 そうですね。「家でやりなはれ」はやっていきたいですね。トークライブだけじゃなくても、祇園花月ではいろんなことをやっていきたいと思っています。

よしもと祇園花月は「原点」「チャーリー浜さんの住処」

――よしもと園花月をずばり一言で表すと何ですか?

亜生 僕は「原点」なんですよ。初めて劇場で漫才を観たのが祇園花月やったんです。

昴生 確かに亜生はそうやね。

亜生 そこで西川のりお・上方よしお師匠の漫才を観て「かっこいいな~!」って思ったのが漫才師を目指したきっかけなんですよ。かっこいいわ俺…。

昴生 いやどこがやねん(笑)。

――では、昴生さんが祇園花月を一言で表すなら?

亜生 じゃあ、「た」から始まる3文字で言ってや!

昴生 なんで限定されてるねん!!!そんなんやったら、悪口しか見つからんわ(笑)。

亜生 (爆笑)

昴生 そうやね~、「チャーリー浜さんのいる住処」かな(笑)。吉本新喜劇のチャーリー浜さんって祇園花月でしか会えないし、お喋りもできないからね。若手がチャーリー浜さんと関われることってホントないのよ。

亜生 これほんまにそうですよ!!

昴生 楽屋の前では靴はちゃんとそろえよう!って祇園花月で学びましたから。

亜生 楽屋の前の靴はチャーリー浜さんが思いっきり蹴飛ばすんで(笑)。「邪魔や〜〜〜!!!」言うて(笑)。

(一同爆笑)

昴生 師匠や新喜劇の方と楽屋が一緒なんで、他の劇場に比べて関わりが多いですね。

亜生 チャーリー浜さんがいたら靴をそろえろ!帯谷さん(吉本新喜劇座員)がいたら逃げる!っていうのを芸人は学びます(笑)。

昴生 そう!喋らない(笑)。 良い人やけど、ややこしいから(笑)。

――じゃあ師匠芸人さんとの関わりを知ることができる劇場なんですね!

昴生 そうですね、より深く仲良くさせてもらうことができますね!いつ行っても師匠に会えますからね。

※本取材は、2021年の1月24日に実施しました。

満員のお客さんの前で漫才ができますように

――最後になりますが、コロナ禍が終息したら劇場でどんなことをしたいですか?

昴生 そうね~、やっぱりとにかく満席のお客さんの前で漫才はやりたいですね。コロナ禍になってから僕ら芸人は満席の会場で漫才できてないからね。

亜生 そうやね。僕も同じ気持ちやわ!

最後に

前回の祇園花月大学に引き続き、インタビューさせていただいたミキさん。お話をしている中で感じたのは、お2人とも本当に気さくで漫才が大好きだということ!テレビや舞台で観ている姿のままで驚きました(笑)。

インタビュー中、私たち部員をたくさんいじってくださって、本当に笑いっぱなしの30分でした!

また「よしもと祇園花月を語る会」で、度々名前が出てくるチャーリー浜さん。吉本新喜劇ブームの立役者と言われる偉大な存在ですよね。取材を通しても、後輩から愛される芸人さんだったということが伝わってきました。今年4月に亡くなられたチャーリー浜さん。ご冥福をお祈りいたします。

さて、今回で4回目となるよしもと祇園花月を語る会ですが、どの芸人さんに聞いてもそれぞれ祇園花月に対する思いがあり、毎回新たな発見があります!!

次回の芸人さんはどんなお話をしてくださるのでしょうか?お楽しみに!!!!!

※祇園花月の正式表記は、しめすへん「示」ではなく「ネ」です。

 

(同志社大学 法学部     梅垣里樹人)

(同志社大学 政策学部  山口実由加)

この記事を書いた学生

かれんちゃん

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卒業生が執筆した記事はかれんが紹介しているよ!